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突破口を見いだせ! モテモテ先輩女子を口説き落とすんだ!

作者: 七瀬







僕の好きな女性ひとはやたらとモテる。

しかも? 僕よりも2つ上の学校の先輩。

美人なくせに人懐っこい。

誰にでも優しくて後輩の僕にもとっても優しいんだ!

どうにか? “先輩が僕の彼女にならないか?”

常に作戦を立てている。




でも? 高校の時の2つ上の先輩は物凄く大人見えた!

大人っぽいというか? “年上の女性”って感じで......。

もし先輩と付き合えたなら? 友達に自慢しまくるだろうな。

同学年の女子には僕は興味がない!

ガキぽいというか? 先輩と比べたら子供で女性に見えない。

僕はやっぱり先輩が大好きなんだ!

どんな事があっても、僕は先輩と付き合いたい!

僕の妄想は膨らむばかりなのに現実は“ただの後輩。”

何も始まっていないし、未だに友達ですらない。





・・・それどころか?

モテモテの先輩に告白する奴らが多すぎるんだよ。

いつ? 先輩が他の男と付き合ってしまうのか?

僕は毎日ヒヤヒヤしている。

“どうか! 先輩が他のやつと付き合いませんように!”

僕はずっと片想いなんて嫌だ!

僕の気持ちを先輩に知ってほしい!

でも? 【告白】する勇気もない!







 *






そんな時、先輩の方から僕に話しかけてくれた。



『君? 1年C組の小野君?』

『えぇ!? なんで僕の事、知ってるですか?』

『“変な子で有名よ。”』

『変な子?』

『変わった子で有名って? それもいいわよね。』

『・・・なんか、カッコ悪いです、』

『うふふ、可愛いのね。』

『年下だから僕を先輩は揶揄ってるんですか?』

『違うわよ、そんな風に思ってないわ!』

『じゃあーどういう意味なんですか?』

『少しだけ私は君に興味があるのかもね。』

『えぇ!?』

『嬉しい?』

『・・・・・・』

『じゃあね!』

『・・・あぁ、また、』







先輩を目の前にして僕はテンパッてろくに話も出来なかった。

でも先輩は僕の事を知っててくれた。

“君? 1年C組の小野君?”

今でもあの時の先輩の言葉が忘れられない!

僕の名前を呼んでくれた先輩。

あの瞬間は、僕の心臓が握りつぶされるようなドクンと締め付けられる

想いがあった。

僕はやっぱり先輩が大好きだ!

先輩をどうか! 僕の彼女にできませんか?




“突破口を見いだせ! モテモテ先輩女子を口説き落とすんだ!”







 *






僕は遂に勇気を振り絞って先輩に告白する事にした!

後悔はしたいくない!

他のやつに先輩を何もしないで取られるぐらいなら告白して

まだフラれた方がマシだ!

男は根性! やる時はやってやる!




・・・数時間後、先輩がやって来た。




『ごめんなさい、先輩を呼び出したりなんかして。』

『ううん! 話って何かな?』

『“前から僕は先輩の事が好きでした! 僕と付き合ってください!”』

『えぇ!?』

『僕じゃダメですか?』

『やっぱり君は変ってるね。』

『えぇ!?』

『私、ずっと付き合ってる男性ひと居るのよ。』

『・・・えぇ!? そうなんですか、』

『私と噂になってる人いるでしょ!』

『あぁ、“向坂先生、”』

『そう、向坂先生と私! 付き合ってるのよ。』

『あの噂って? 本当だったんですね。』

『まあね、でも嬉しかったよ! ありがとう。』

『・・・・・・』






・・・僕の先輩への告白は、見事に撃沈した。

知ってた事だった、先輩が先生と噂になっていた事は?

でも? あんなのは噂だと思っていた。

“先輩が先生と本当に付き合ってたなんて思ってもみなかったんだ。”

なんでよりによって【先生】なんだよ!

先生は、大人の男じゃんか!

僕みたいなガキじゃ、やっぱり先輩と釣り合わないのかな?





あっけなく先輩にフラれてしまったけど......。

これもいい経験になった。




この数ヶ月後、僕は同級生で同じクラスの女子に告白されて

その子と付き合う事になったからだ。

年上の女性とはいかなかったが、“初めての彼女はできた!”

甘酸っぱくてほろ苦い僕の恋は終わり。

新しい恋が始まった。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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― 新着の感想 ―
[一言] えっ!生徒と付き合ったらマズいでしょ!! とツッコミを入れてしまってました。 ゴメンナサイ
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