05:魔女っ子姉妹の決意
あたしもマディーも、あの後大きく反省した。
復讐を果たしてもただただ虚しいだけ。
だからこれからは、違う。
「あたしは自由に生きるよ!」
マディーは声を大にしてそう宣言する。
何者にも縛られない自由な生き方。
常に自分の心の従い、行動する。それはあたしはとても素晴らしいことだと思った。
……けれどあたしはマディーのように強くはあれない。
だからマディーに従う。マディーならきっともう間違えないから。
大魔女マレのところを飛び出したあたしたちは、人知れずひっそりと暮らしている。
マレは恐らくあたしたちを探し続けていることだろう。彼女にとってあたしたちは重要な手駒だから。
またいつか機会があればきっと、彼女と再会することもあるかも知れない。
その時にはまた人殺しに手を染めるかも知れないが、もう二度と後悔するようなことはしない。それだけがあたしの決意だ。
あたしが心を許すのはたった一人、マディーだけである。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆
そうしてあたしたち、マディーとメディーの魔女っ子姉妹は数年を過ごす。
時に意見が対立することもあれど仲良く平穏な日々。しかしその終わりはまた突然であった。
ある朝早く、コンコンと家の戸を叩く音が響いたのだ。
「メディー出てよ」
「今行くわ」
そう言ってあたしがガチャリと戸を開けた向こう、そこに立っていたのは緑髪の女性だった。
見たこともないその姿にあたしが眉を寄せると、彼女は柔らかく微笑んだ。
「ワタシは大魔女様の使い、『暴風の魔女』ウィンダと申します。あなた、『氷冷の魔女』さんですよね?」
――あたしは頷きながら、また何かが始まる予感に内心ため息を吐いたのだった。
〜完〜
ご読了、ありがとうございました。
ちなみに今後、続編(?)のようなものを書く予定です。その時はぜひよろしくお願いします。
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