表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

17/92

第17話 おっさん、交易品を考える

 マヨネーズに対する食いつきようが凄い。

 昨日出した10本は全て使い切ってしまった。

 マヨネーズが家計を圧迫なんて、なんのジョークだ。


「マヨネーズは一日20本。これでなんとかしてくれ」

「えー、もうひと声」


 アズリがごねた。


「駄目だ。第一、健康に良くない。太るぞ」

「太った人なんてどこにもいないわ」


 そうだった。

 肉体労働だもんな。

 太っている奴はいない。


「血液がどろどろになるんだ。どろどろお化けが出て来るぞ」


 口から出まかせで、いい加減な事を言ってしまった。


「わ、分かったわ」


 どろどろお化けを信じたのか。

 だが、160円×20本=3千2百魔力の使い方が固定になってしまった。

 問題は。


「足りない物が多すぎる。俺のスキルでもどうにもならん。交易をすべきだ」

「目下の問題は流砂地帯ね」


 エリナを帰還させた。


「そこはなんとかなりそうだ。助手(アシスタント)、アルマ頼む」

「任せてや」


 アルマが流砂地帯の地図を書く。


「新たな石塔が必要ね。2つの石塔の中間を通るなんて、ややこしくて仕方ないわ」

「そうだな間違えそうだ。安全な道は石塔を最短距離で結ぶように配置するのが賢いだろう。しかしだ。100人ではどうにもならない」


「人もお金も品物も何もかも足りないのよね。女性もね。苦情が上がったわ。女性が少ないと。男9に対して女1だから仕方ないけど」

「問題山済みだな。仕方ない少しずつやっていこう。まずは交易だ」

「交易品の第一弾はマヨネーズよ。これしかないわ」

「まあ、交易品はそれでいいか。人が足りないのは問題だ。儲けた金で移民を募ろう。ここから近いオアシスまでは何日だ」

「イゼゼオアシスまでモレクの足で3日ね。人だと6日は掛かるわ。蒸留しながらだと倍かかるわ」


「俺が行くときは蒸留の手間は考えなくて良い。留守番を何人か残して後の全員で出撃だな」

「農作業の10人を残して後の88人で行きましょう」


 使える魔力は9万ぐらいだな。

 ジルコニアと合成ルビーと合成サファイヤを交易品とするか悩んだが、合成だと気づかれるとややこしい事になる。

 いざという時のネタにとっておこう。

 それにマヨネーズみたいな消耗品の方が都合が良い。

 何度も持ち込めるからな。


 そう考えると胡椒とカレー粉も良いな。

 唐辛子はサンドシャークに対する武器になるので交易品にはしたくない。


 砂糖は安いのでいいのだが、サトウキビみたいな品種がオアシスにもある。

 安くはないが高くもない。

 砂糖は利幅が望めない。


 そうだ、砂なんてどうだろう。

 ここの砂漠の砂は塩分を含んでいる。

 塩分を含まない砂が売れないだろうか。


 用途は思いつかない。

 ろ過器が作れるが、ろ過器なんて必要としない人の方が多い。

 鋳型とか色々と活躍しそうだが。

 生憎と知識がないし、そういうのに適した砂なんか出せない。

 砂はだめだな。


 砂と言えばガラスの原料だ。

 そういえばガラスを見たことが無い。

 100均のガラスのコップは売れそうだな。

 消耗品ではないが、割れやすいので売れ続ける事だろう。


 石鹸やシャンプーはこれもネタとして温存したい。

 マッチはありだな。

 毎日使える。


 ライターもいいな。

 これも候補に入れておこう。

 かさ張るから輸送には少し不向きだが、トイレットペーパーなんかもいいな。


「アズリも何か考えてくれ」

「今、一番売れるのは虫除けの香よ」

「おう、虫除けね。それは考えてなかった。蚊取り線香50個で700魔力だな」

「安いのね。効き目は?」


「使ってみない事には分からん。しかし、虫なんて飛んでないが、どこで使うんだ」

「驚いた。どこの生まれ? 雨が降ると、ヴァンパイヤモスキートが大量に湧くのは常識だと思ってた」


 おお、砂漠に雨が降るのか。

 ヴァンパイヤモスキートってやばそうだな。

 聞いたら不審がられるかな。


「俺は転移事故で飛ばされた。砂漠の生まれじゃないんだ」

「そうなの。ヴァンパイヤモスキートに、そのカトリセンコウとやらが効くかどうかは、すぐに実験出来るわ」

「どうやるんだ」


「砂漠に水を撒けばいいのよ。そしたら何日後かにヴァンパイヤモスキートの成虫が出て来るわ」

「じゃ、砂漠の砂をペットボトルに入れて水を入れてみるよ」


 この件はこれで良いな。


「他には交易品になりそうな物がないか」

「果物は貴重品よ。砂漠病の特効薬だから」

「俺の知らない単語が出て来たな。だが、言わなくても分かるビタミン不足だろう」

「ビタミンって何?」

「分からなくてもいい。レモンかオレンジを交易品に加えるべきか。キャベツの酢漬けって手もあるな。船乗りの話にはジャガイモも良いとあったな。俺の予想があっているのか分からないから、追々だな」


 交易品のアイデアはそこそこ出たな。

 色々と試して良い物を探るとするか。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ