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第1話 おっさん、砂漠の世界に転移する

 俺は異世界に転生というか転移した。

 酔ったはずみとは言え、こういう願いをしてしまったのだから、仕方ない。

 その願いは俺を誰も知らない世界で、まっさらな自分になって心機一転頑張りたいだ。

 そして、紆余曲折があり、地球には帰って来れたが、何度も飛ばされる事になった。


 今回の異世界転移は砂漠。

 砂漠で全裸は死ねる。

 なぜ裸かというと地球に帰還を祈った時に、この身一つでいいので世界を越えさせてくれと言ったからだ。

 装備を付けたまま転移させてくれと何で祈らなかったのか後悔する事しきりだ。


「ステータス」


 勝手知ったる異世界。

 まずはステータスだ。


――――――――――――――

名前:山田 無二 LV1

魔力:100/100


スキル:

収納箱

魔力通販

次元移動

助手

――――――――――――――


 レベル1なのはまっさらな自分という願いの部分だろう。

 他に祈ったのは。

 物が沢山入る部屋がほしい。

 これは収納箱(アイテムボックス)スキルで叶っている。

 通販で生活したい。

 これは魔力通販というスキルで叶っている。

 100魔力で100円の物が買える。


 ブラックカードみたいな上限を突破した物がほしい。

 これは魔石に蓄えられた魔力を制限なく使える事で叶っている。

 金持ちや権力者にざまぁみろって言いたい。

 この願いはもはや呪いだ。

 裏切られては復讐の繰り返しだ。


 前の異世界から、助手とかいうスキルが増えている。

 一人は寂しいとでも言ったのだろう。

 なにせ酒を飲んだ時の願いだからな。

 助手スキルが魔力を使うスキルだと嫌なので、検証は後回しだ。


 次元移動スキルは現状では使えない。

 魔力が1万ないと発動しないからだ。


 100円で砂漠を生き抜けっていうのか。

 無理だろ。

 いざとなれば助手スキルに賭けるべきだろうな。


 だが、運が良かった。

 ラクダに似た動物に、男が乗って通りかかったのだ。

 ラクダに似た動物は10頭は居る。

 どれも荷物が満載だ。


 言葉が通じなかったので身振り手振りで物々交換する事にした。

 商材として選んだのは2リットルペットボトルの水。

 砂漠だから水が貴重だろうという安直な考えで選んだ。

 58円だから、必要魔力が58。


 俺も水を飲みたいから、半分の1リットルの水と穴の開いた古着を交換した。

 おまけに乗せていってくれるみたいだ。

 親切だな。

 まあ、砂漠みたいな厳しい環境では助け合わないと生きていけないのだろう。


 この四番目の異世界はデルガーと命名した。


 日が暮れて野営の時間になった。


 乗せてくれた男は俺に飯を恵んではくれない。

 ケチなのか親切なのか分からないな。

 空きっ腹でやる事がないので、助手スキルを試そうと思う。


助手(アシスタント)


 なになに、キャラクターを選んで下さいだと。

 イルカは選ばないよ。

 これが出せる物なら出してみろ。


 アルマ来い。

 アルマは最初の異世界で奴隷だったが、結婚して嫁にした。


 言葉は訛ってはいるが、グラマーでとっても頼りになる。

 驚いた。

 微かに虹色の燐光をまとったアルマが現れたのだ。


 現れはしたが、様子がおかしい。


「あんた誰や」


 記憶がないようだな。

 とりあえず自己紹介から始めるか。


「俺はムニ。山田(やまだ)無二(むに)だ」

「なんや、縁のある名前やな。うちがやっとる商会がムニ商会や」


 おー、俺の記憶だけが無いのだな。

 商会の名前は、俺が異世界で自分の名前を付けたのだから、同じで当たり前だ。

 そこから攻めてみるか。


「ムニ商会の謂れは何だ」

「分からへん。忘れたわ」


 悪戯心が湧いた。

 ちょっとからかってやろう。


「今は人に身をやつしているが、俺は商売の神様だ」

「へぇ、それは何や信じがたいけど。こうして呼び出されたんやさかい、あり得る話やなぁ」

「それにアルマは俺の嫁だ」

「じょうだん言わんといて。誰がこんなおっさんと」


 アルマが激昂する。


「まあまあ、落ち着いて。俺はアルマの事なら何でも知っているぞ。太ももに三角形に配置されたほくろがあるだろ」

「なんでそれ知ってんねん」

「体の隅々まで知っている。好きな物とか嫌いな物もな」

「あんた、ほんまに神様なんやな」

「この世界のアルマの体を作ってはみたが、詳しい所が分からない。教えてくれるか」

「ええよ」


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[良い点] 第二部開始ありがとうございます!
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