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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンの危機
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23 紳士クンは男の娘・・・・・・否、男の子!

ところで一方、保健室の廊下で待機していた令と紳士クンも、中での異変に気づいていた。

そして紳士クンは今すぐにでも、保健室に乗り込もうかという勢いである。

だがそれを令が止めていた。

 「離してください令お姉様!このままじゃお姉ちゃんが!」

 自分の右腕を掴んで離さない令に、紳士クンは小声で訴えた。

それに対して令は、ニコやかな表情を保ちながらも、至って真剣な口調で言った。

 「分かっているわ、だからこそ冷静になるのよ。

こういう状況で大切なのは、どんな危険にも立ち向かう勇気と、

あらゆる物事を的確に判断する冷静さ。

今の紳士ちゃんには、あの盗撮犯からナッちゃんを助ける勇気はあるわよね?」

 「勿論です!」

 「いい答えだわ。じゃあ次に必要なのは、冷静な判断力。

私が思うにあの犯人は、廊下に居る私達までは気が回っていない。

つまりナッちゃんを助けられるかどうかは、私達にかかっているの。

だから私に、協力してくれる?」

 「はい!それで、ボクはどうすればいいんですか?」

 「作戦はこうよ。今から私と紳士ちゃんが同時に保健室に乗り込んで、

一人がナッちゃんを犯人から引き離し、もう一人が犯人を押さえ込む」

 「だったらボクが犯人を押さえ込みます!」

 「大丈夫?犯人は凶器を持っているし、下手をすれば紳士ちゃんも大怪我しちゃうかも」

 「だからこそです!お姉ちゃんも助けないといけませんが、

令お姉さまも危険な目に合わせる訳にはいきません!」

 紳士クンが真剣な顔でそう言うと、令は嬉しそうにニッコリ微笑んだ。

 「紳士ちゃんはやっぱり男の子なのね。じゃあ犯人は紳士ちゃんに任せるわね。

ただし、くれぐれも気をつけるのよ?」

 「分かりました!」

 そう言って頷きあった紳士クンと令は、息を潜めて保健室の入口に忍び寄った。

そして令が、

 「行くわよ!」

 と声を上げると同時に保健室の引き戸を開け放ち、中に乗り込んだ!


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