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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンの危機
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21 宇宙人Xは犯人ではなかった

「あの、ちょっとお聞きしたいんですが」

 と、手を挙げて太刀に質問をした生徒が居た。

その生徒に対して太刀は、

 「何だ?」

 と返す。すると生徒は続けてこう尋ねた。

 「この検査の本当の目的は、新型(・・)の(・)ウイルス(・・・・)を(・)調べる(・・・)()の(・)もの(・・)で(・)は(・)ない(・・)です(・・)よ(・)ね(・)?」

 その言葉に、周りに居た生徒達が目を丸くする。

そんな中太刀は至って平然と、

 「そうだ」

 と答え、こう続けた。

 「実はこのクラスに、盗撮癖と女装趣味がある困った男が居るという情報を掴んでな。

それが誰なのか、この検査で洗い出そうという訳だ」

 「チィッ・・・・・・」

 太刀の言葉に、その生徒は小さく舌打ちをして続けた。

 「まさかこんなに早くシッポを掴まれるとはな。

あんたらの動きをちゃんと把握できていれば、それなりに対処はできたんだけどよ」

 「その対処をさせない為に、我々は秘密裏に行動してきたのだ。

それはそうと、お前が私達の探していた盗撮犯という事でいいんだな?」

 薄い笑みを浮かべながら言う太刀に、その生徒は険しい顔をしながら、

 「ああ」

 と答えた。そのやりとりに、傍らに居た笑美と華子が、

 「盗撮犯?」

 「一体、何の事ですか?」

 と、状況が飲み込めない様子で首を傾げた。

一方一連の事情を理解している撫子は、その生徒の自白に驚きを隠せなかった。

 (まさか、そんな、彼女が犯人だったなんて⁉)

 そんな撫子の視線の先に居た犯人は、

クラスメイトのA子でも、

B子でも、

謎の宇宙人Xでもなかった。

その人物とは、撫子が一番犯人の可能性が低いと踏んでいた、

あの隠子だったのだ。



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