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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンの危機
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18 事件は内密に処理する方向

さて、一方撫子の方は、紳士クンが所属する(すみれ)組の教室に辿りついていた。

そしてクラスメイトの笑美と華子に囲まれ、なんやかんやと話をしていた。

そして暫く話した後、撫子がこの二人に抱いた印象はこうだった。

 (悪い子達じゃないけど、何だか二人とも個性が強いわねぇ)

 ちなみにこの場合の個性は、変わり者と言い換えても不都合はない。

そんな中華子が言った。

 「あ、そういえば今日の一時間目は体育でしたね」

 「おおそういえば。朝礼が終わったらすぐに更衣室に行かんと」

 笑美がそう言って時計を見上げた時、

このクラスの担任の(まな)(びな)(さい)先生が教室に現れ、教壇に立った。

それを見てクラスの生徒が、各々の席に戻る。

そして全員が席に着いた後、愛雛先生は言った。

 「今日は一時間目の体育の授業を変更して、保健室で身体検査を行う事になりました」

 愛雛先生のその言葉に、教室の中がどよめく。

そしてその中の生徒の一人が、愛雛先生に尋ねた。

 「あの、身体検査ってどういう事ですか?」

 そう尋ねたのは、先程撫子に声をかけてきた隠子だった。

その隠子の問いかけに、愛雛先生はこう答えた。

 「何か最近新型のウイルスが原因の病気が、この辺りで流行っているらしくてねぇ。

ウチの生徒に感染していないか、早いうちに検査しておこうって事になったのよ」

 (太刀お姉さまはあくまで、この事件の処理を内密にする気なのね)

 身体検査の本当の目的を知っている撫子は、愛雛先生の言葉を聞いてそう思った。

一方、朝撫子に声をかけてきたお下げ髪の隠子は、

 「そう、ですか」

 と、表情を変えずに呟き、目を細めた。

そんな中他の生徒達は、

 「新型のウイルスですって」

 「怖いわねぇ」

 と言いながら、今の話を疑う様子もなく各々言葉を交わしている。

その生徒達に、愛雛先生は手を叩きながら言った。

 「はい皆、それじゃあ早速保健室へ行くわよ」



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