12 本題入ります
「紳士、とにかくあなたが盗撮の犯人じゃないって事はよく分かったわ。
でもね、さっきも説明したように、今学園では、大変な事が起こっているの」
「う、うん。ボクのクラスに、その盗撮犯が居るかもしれないんだよね?」
「そうよ。しかもその犯人は男で、女装して学園の女子部に紛れ込んでいるの」
「そ、それで、ボクが疑われたって事?」
「そう、でもあんたの部屋から証拠品は出てこなかった。
出てきたのは、エッチな本だけ」
「その事はもうほっといてよ!」
「だからつまり、あんたのクラスには、あんた以外にもう一人、
女装した男子が居るって事なのよ!」
「そ、そうなの⁉そ、それで?」
「でね、副会長の太刀お姉さまが、その犯人を見つけ出す為に、
明日抜き打ちで身体検査をやろうとしているの!」
「身体検査ぁっ⁉」
撫子の言葉に、紳士クンは心底驚いた。
そんな事をされたら、紳士クンが男である事がその場でバレてしまう!
これらの現実を飲み込んだ紳士クンは、再び声を上げた。
「そ、そんな事をしたら、ボクが男だって事がバレちゃうじゃないか!」
「そうよ!だから大変なのよ!盗撮犯がどうのこうのよりもね!」
「ど、どうしよう?ボク、明日は休もうかなぁ・・・・・・」
撫子の言葉に紳士クンはそう言ったが、令が横からこう言った。
「休むと却って怪しまれるわ。
タッちゃんは前々から、紳士ちゃんが男じゃないかって疑っていたから」
「じゃ、じゃあボクは一体どうすればいいんですか⁉
このまま明日身体検査を受けて、男だってバレるのを待つしかないんですか⁉」
「いいえ、大丈夫よ」
紳士クンの必死の訴えに、令はニコッと笑って言った。
その令に、撫子が尋ねる。
「大丈夫って、何かいい方法があるんですか?」
それに対して令は、自信満々に言った。
「ええあるわ!私に全部任せてちょうだい!」
その言葉を聞いた紳士クンと撫子は、頭の中で同じ事を考えていた。
(不安だ・・・・・・)
(不安だわ・・・・・・)




