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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンの部活動
70/103

12 死んだら謝る

・・・・・・(しばら)くした後、華子が言った。

 「乙子さん?そっちは何か変わった事はありませんか?」

 が、当人からの返事はない。

 「乙子さん?」

 天井を懐中電灯で照らしていた華子は、そう言って周囲を見回した。

しかしいくら懐中電灯で照らしてみても、紳士クンの姿は見当たらなかった。

 「笑美さん、乙子さんは何処に行ったんですか?」

 華子は笑美にそう聞いたが、その笑美からも返事はなかった。

ただし笑美はさっきと同じ読書スペースの椅子に座っていて、

そこでスヤスヤと眠りこけていた。

 「グピー、スヤスヤ・・・・・・」

 「・・・・・・」

 それを見た華子は、無言のまま笑美の正面に歩み寄り、両手で笑美の口と鼻を塞いだ。

 「グピー、スヤス・・・・・・グ・・・・・・ゴホッ⁉

ゴッホォッ⁉な、何すんねん⁉」

 呼吸困難に陥った笑美はすぐに目を覚まし、目の前の華子に怒りの声を上げた。

それに対して華子は至って冷静にこう返す。

 「あなたが居眠りなんかしているからです」

 「だからって息を止めさす事ないやろ!死んだらどないすんねん⁉」

 「その時は謝ります」

 「謝って済む問題か⁉」

 「それよりも、乙子さんの姿が見えないんですけど」

 「え?乙子ちゃんやったら出入り口の所に──────」

 と言って出入り口の方に顔を向けた笑美だが、そこに紳士クンの姿はなかった。



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