6 オカルト研究会の初仕事
という訳で放課後。紳士クン達三人は、旧校舎の前に集合した。
「ほ、本当に入るの?中、凄く暗そうだよ?」
夕方になり、より気味の悪さをかもし出す旧校舎を前に、紳士クンが不安げに言った。
それに対して華子はこう答える。
「だからこそいいんじゃないですか。
幽霊はやはり、ある程度暗くならないと姿を見せないでしょうから」
「ボクとしては、そっちの方がいいんだけど・・・・・・」
「大丈夫やって!どうせ幽霊なんか出ぇへんから!
出るとしても、メズミとかゴキブリくらいや」
げんなりする紳士クンに、笑美は明るく笑って言った。
その笑美に、華子は口を尖らせながらこう返す。
「そう言っていられるのも今のうちです。
とにかく今日はオカルト研究会のメンバーが、初めて全員揃っての活動です。
皆さん、気を引き締めてくださいね」
「おーっ!・・・・・・ってちょっと待ちぃや。
何でウチらはもうあんたの会員になってんねん?」
「細かい事は気にしないで下さい。さ、行きますよ?」
華子はそう言うと、さっさと旧校舎の裏手の方へ歩いて行った。
その後に紳士クンと笑美も続く。
そして校舎裏の鍵が壊れた窓の前に辿りついた華子は、そこで、
「あーっ⁉」
と悲鳴にも近い声を上げた。




