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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンの部活動
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3 無愛想な音楽家

(二階に行ってみましょう)

 華子は二階に向かった。

旧校舎の二階は、いくつかの教室と、図書室と音楽室があった。

学園内の噂では、自殺した女子生徒が、

一体何処で自殺したのかまでは定かではなかった。

理科室で化学薬品を飲んで自殺したという者も居れば、

教室で首を吊って死んだという者も居る。

こうなってくると、どれが本当の話なのか全く分からないので、

華子はいつも、ひとつひとつの部屋をしらみ潰しに回っている。

そんな中今日は、まず音楽室に行ってみる事にした。

音楽室といえば、学校の怪談の定番スポット。

笑う音楽家の絵や、一人でに鳴り出すピアノなど、その手の話には事欠かない。

おまけに日も大分と暮れた放課後ともなれば、幽霊に遭遇する確率は格段に上がる。

華子はそう考えたのだ。

 という訳で華子は音楽室に足を踏み入れた。

この校舎は、玄関こそ鍵がかかっているものの、

中の部屋はのきなみ鍵が開いているので、簡単に入る事ができた。

中に入ると、そこにはピアノや音楽家の絵など、

怪奇現象には持って来いのアイテムが揃っていたが、

ピアノはいつまでたっても鳴らないし、音楽家の絵も、愛想笑いのひとつも浮かべなかった。

 (マッタク、何て無愛想なんでしょう)

 ニコリとも笑わない音楽家の絵に、華子はそう毒づき、俯きながら音楽室を出た。

 「はあ、せっかく暗くなるのを待ってここに来たのに・・・・・・」

 華子は溜息混じりにそう呟いた。

そして携帯電話を取り出し、その画面に映る時計を見ると、

もうすぐ六時になろうとしていた。

 (仕方ない。今日のところはこれで帰りましょう)

 そう考えた華子は、トボトボと一階への階段を降りようとした。

すると、その時だった。


 ドン。



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