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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第四話 紳士クンの部活動
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1 戸入野華子の幽霊探索

春の暖かさが続く四月のある日の放課後。

国立エシオニア学園の教会の裏手にある木造の旧校舎に、一人の女子生徒が向かっていた。

 彼女の名は、()入野(いれの)華子(はなこ)

 紳士クンや笑美のクラスメイトにして、

自称『エシオニア学園オカルト研究会会長』

幼い頃から心霊や怪奇現象というものに目がなく、

幽霊に遭遇したという類の話を聞くと、()()でも自分も遭遇したいと思う性分である。

小中学時代には、その学校にある七不思議のスポットは全て網羅(もうら)した。

他にもテレビや雑誌に紹介される心霊現象が起こると言われる場所など、

その手の所にはかなり足を運んでいる。

が、彼女自身にその手の霊感が備わっていない為か、

一度もそういうものには遭遇した事がなかった。

しかし彼女はそれでもめげず、霊的なものをこの目で見る為、

日々その手の情報を集めているのだった。

 そんな彼女が今注目しているのは、今向かっている、エシオニア学園の旧校舎であった。

 このエシオニア学園は今でこそ男子部と女子部があるが、

かつては女子部のみの完全な女子校で、

その時に使用されていたのがこの旧校舎であった。

それが数年前に男子部が設立された事により、それに伴って新校舎も建設され、

それ以来この校舎は、学園の片隅で忘れられた存在となっていたのだ。

そして人が寄り付かなくなって暫くすると、

この校舎に関して色々な噂が立つようになり、やがてこの校舎には、

夜になると昔この校舎で自殺をした、

女子生徒の幽霊が出るといった噂が飛び交うまでになった。

そしてその手の話に至極敏感な華子が、この噂を聞き流すはずもなく、

彼女は毎日こうして旧校舎に出入りしているのだった。

いつもは昼休みに来るのだが、今日は放課後にやって来た。

いくら旧校舎に幽霊が居るとしても、

やはり昼間のうちは姿を見せないだろうと考えたのだ。

しかしこの学園は午後六時以降は完全に出入り禁止となるので、

あまり遅くなるまで学園に居る事はできない。

なので何とかこの放課後にでも幽霊が出て来てくれないかと、

華子は切に願っているのだった。



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