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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第三話 紳士クンの再会
56/103

18 紳士クンはスパルタ王国に留学したという設定で

その言葉を聞き、兆太郎は紳士クンの肩から手を離した。

 「って事は、あんたは紳士の双子の、妹って事か?」

 「そうです。私の名前は蓋垣乙子。蓋垣紳士の、双子の妹です」

 「馬鹿な!あいつには凶暴な姉が一人居たが、双子の妹なんて見た事なかったぞ⁉」

 「えっと、それは・・・・・・」

 紳士クンは『凶暴な姉』の部分を否定せずにこう続けた。

 「私は元々体が弱かったので、中学ではよく学校を休んでいたんです」

 「そ、そんな、じゃあ紳士は、今は違う学校に?」

 「あ、はい。兄は、えーと・・・・・・とても遠い外国に、留学をしました」

 紳士クンは自分の存在を兆太郎の中から消し去る為、咄嗟に嘘をついた。

そして兆太郎はそれを信じた様子で、驚きの声を上げた。

 「が、外国⁉一体何処の国だ⁉」

 「え?えーと・・・・・・」

 そこまで考えていなかった紳士クンは言葉を詰まらせた。

しかしあまり黙り込むと嘘である事がバレてしまうので、

とりあえずパッと思いついた名前を言った。

それがこれだった。

 「ス、スパルタ王国の方に・・・・・・」

 それに対する兆太郎のリアクションはこうだった。

 「ス、スパルタ・・・・・・確かに、物凄く遠そうな国だな・・・・・・」

 普通ならここは、『その王国はとっくに滅びとるやないかい!』

とツッコミが入るところだが、

そもそもスパルタ王国がいつの時代の何処の王国かよく知らない兆太郎は、

疑う事なく納得した。

そして大層ショックを受けた様子で、ベンチに座り込んだ。

 「って事は、もうあいつとは、会えないんだな・・・・・・」

 兆太郎は呟く様に言った。



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