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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンの乙子ちゃんな日々
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18 オカケンタ研究会ではない

その物凄い形相に、紳士クンは思わずたじろぎながら尋ねた。

 「ど、どうしたの笑美さん?そんなに怖い顔して?」

 「乙子ちゃんがなかなか戻って()ぇへんからずっと探してたんやんか!

それやのに乙子ちゃんは他の子と楽しそうに話してるから!

ウチはこう見えてもごっつい淋しんぼなんやで⁉」

 「あ、そ、そうだったんだ。ゴメン、笑美さん。

えと、さっき偶然この戸入野さんと会って、話をしてたんだよ」

 紳士クンはそう言って笑美に華子を紹介すると、笑美は華子を指差して言った。

 「あんたは同じクラスの戸入野華子やないか!確か、『オカケンタ研究会』の!」

 それに対して華子は、幾分ムッとしながらこう返した。

 「『オカケンタ』じゃなくて、『オカルト研究会』です。

そういうあなたは元気のみが取り得の樫増笑(かしましえ)()さんじゃないですか」

 「誰が元気だけが取り得やねん!失礼なやっちゃな!」

 「まあせっかく同じクラスになったんですから、仲良くしあげてもいいですよ?」

 「ウチはあんたみたいな怪しい奴と仲良くなりとうない!

乙子ちゃんと仲良くできたらそれでええねん!」

 「あら奇遇ですね。実は私もさっき、乙子さんと仲良しになったんですよ?」

 「なっ⁉会ったばっかりやのにそんなすぐに仲良しになれる訳ないやろ!」

 「ですが少なくともあなたより私の方が、乙子さんと仲良しになれると思います」

 「ムキョーッ!ウチの方が乙子ちゃんと仲良しや!」

 「これからもっと仲良しになりましょうね、乙子さん♡」

 「何を言うてるんや!乙子ちゃん、こんな怪しい女ほっといて、ウチと仲良くしような?」

 そう言って笑美と華子は、紳士クンを間に挟んでバチバチと熱い火花を散らした。

一方そのやりとりを傍らで眺めていた紳士クンは、

 「あ、あはは・・・・・・」

 と苦笑いするしかなかった。

 (これから、大変そうだなぁ・・・・・・)

 心の中でそう嘆く紳士クンだったが、何はともあれ二人の友達ができたのだ。

これで紳士クンの学園生活も、幾分楽しいものになるだろう。多分。

 (うぅ・・・・・・)


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