表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第二話 紳士クンの乙子ちゃんな日々
34/103

14 尻から手が出る程 

旧校舎の中に入ると、外から見た程暗くはなく、

窓から差し込む日の光で、視界は極めて良好だった。

ただ、いかんせんホコリやゴミが散乱していて、

普通に呼吸をするだけでむせ返りそうになり、

ここに人が出入りしなくなってからの時間の長さがうかがえた。

こんな場所なら夜にでもなれば、

幽霊の一匹や二匹出てもおかしくなさそうな雰囲気ではある。

しかし今の紳士クンは、そんな事よりもトイレに辿りつく事が最優先課題となっていた。

幽霊に対する恐怖心を、紳士クンの便意が上回っているのだ。

玄関をくぐって廊下に出た紳士クンは、左右に伸びる廊下を見渡した。

どちら側にトイレがあるのか分からない紳士クンは、とりあえず右の方へ進む事にした。

そしてそのまま少し歩くと、二階へ続く階段の手前にトイレがあった。

紳士クンが喉から手が出る程

(この場合は尻から手が出ると表現した方がいいのだろうか)

求めていたトイレがあったのだ。

 (ここなら絶対誰も来ないよね!)

 そう確信した紳士クンは、早歩きでトイレに入った。

下手に走ると、アレがフライングしてしまいそうなのだ。

トイレの中の個室は、当たり前だが殆ど空いていた。

唯一一番手前の個室の扉が閉まっていたが、

紳士クンはそんな事は気にせず、その隣の個室に入って扉を閉めた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ