15 紳士クンの答え
ね?といきなり話を振られた紳士クンは、目を丸くしてこり固まった。
そんな紳士クンに、令は優しく問いかけた。
「あなたの本当の性別はどっち?男の子?それとも、女の子?」
「えええええ?」
その質問に、紳士クンは限りなく困惑した。
結論から言うと、紳士クンは間違いなく男である。
紳士というその名前も、将来立派な紳士に育って欲しいという、
両親の願いからつけられたものなのだ。
しかし今紳士クンは女子用の制服を身にまとい、女子部の入学式の会場に居る。
おまけにここで自分が男だと言ってしまえば、
目の前の太刀にどんな目にあわされるか分からないし、
これだけ多くの女子生徒の前で、女装した自分の姿をさらしてしまう事にもなる。
そのあまりに追い詰められた状況の中、紳士クンは助けを求めて撫子の方を見た。
しかし撫子は諦めた様に首を横に振った。
なのですがるように令の方へ顔を向けるが、
そもそもこうなる事を仕組んだ令が、紳士クンを助けてくれるはずもなかった。
そんな中、ひと際強い口調で太刀が言った。
「さあ!ハッキリしてもらおうか!」
(うぅ・・・・・・)
紳士クンは悩みに悩んだ。
ここで男だとぶっちゃけるか、それとも女として通すか。
どちらの選択が自分にとってベストなのか、脳ミソをフル回転させて悩み抜いた。
そして少しの沈黙の後、紳士クンは遂に、答えを出した。
その答えとは、これだった。
「女・・・・・・です・・・・・・」




