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紳士クンの、割と不本意な日々  作者: 椎家 友妻
第五話 紳士クンの危機
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25 エゲツナイ一撃

「お(・・)が(・)死ね(・・)」

 そう言ったのは、背中から木刀を抜き、

隠子に向かって突進を開始していた太刀だった。

完全に紳士クンの方に気をとられていた隠子は、太刀のその動きに反応できず、

 「しまった──────」

 と隠子が言うと同時に、その脇腹に太刀の木刀が炸裂した!


 ボキィッ!


 完全に何かが折れた音が響き、隠子は悲鳴を上げる間もなく近くの壁に激突し、

そのまま床に崩れるように倒れた。

幸い隠子が紳士クンをナイフで切りつけるより、太刀の木刀が一瞬早かったので、

紳士クンは前髪を数本かすめられた程度で済んだ。

一方の隠子は相当のダメージのようで、床に倒れこんでからピクリとも動かない。

その隠子の後ろ襟を掴み、引きずるように持ち上げた太刀は、

口元に笑みを浮かべながら紳士クンに言った。

 「怪我はないか?」

 「あ、だ、大丈夫です。ハイ」

 そう言いながら頷く紳士クン。

さっきの太刀の凄まじい一撃を()の当たりにした紳士クンは、

それまでの怒りなど何処かへ吹き飛び、改めて太刀の恐ろしさを実感した。

 (や、やっぱりこの人は敵に回しちゃダメだ。

ていうか盗撮犯の人、もしかして死んじゃったんじゃ?)

 と、冗談抜きで隠子の生死を心配していると、

 「うわああんっ!」

 と泣き叫びながら、撫子が紳士クンに抱きついてきた。



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