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その男の称号は「最強」  作者: ぽろっく
4/4

あれれー?身体が小さくなってるー

 「ちょっとやり過ぎてしまったかな」

 ガジンたちがエリナの家に駆け出してしまいウォルフは1人になった。

 

 にしても不思議な感覚だ。唐突に転生したのにも関わらず、過去の記憶や何かはしっかりと自分がその当事者であった事がわかるし、前世の自分と今世の自分の二人格があるみたいな事もない。

 俺の前世がウェインだと言う事も理解しているし、僕の今の名前がウォルフである事もまた、きちんと理解ができているのである。


 ふと思う、小さい身体に戻ってしまったのであれば前世で死ぬ直前の実力はもう残っていないのではないだろうかと。

 しかしあの女神は最強の喪失が世界の喪失になるとも言っていた(ただ魔王を倒して欲しいだけかもしれないが)

 ウォルフは再度自分の服についた汚れなどをはたき落とし、自分の心臓に手を当てて呪文を唱える。


 「チェック」


 気になるものにこの魔法を当てるとそれが何なのかを教えてくれる基本魔法の一つ「チェック」神の目を借りると言う意味らしいが、魔法言語はいまいち意味がわからないものが多い。


 どの魔法にも習熟度と言うものがあり、初心者がチェックを発動した場合と、魔法の達人がチェックを発動した場合では見えてくるものが全く異なる。


 例えば地面をチェックした場合、


 初心者だと

 『土の地面』

 と、そんなの見りゃわかる程度のことしか分からないが、


 達人の場合

 『土の地面 構成 枯葉30% 砂40% 空気10% その他20%』

 と表示され、その他に再度チェックをかける事でその他の細かい構成まで表示させる事が可能になる。


 チェックは万物に適応可能で(妨害の魔法もある)人や動物、魔物などもチェックで中身を覗き込む事ができる。

 しかし、心臓以外にチェックをかけても

 『人』

 としか表示されないのが、心臓に手を当てチェックを発動させると。


ーーーーー


 名前 ウォルフ=ハイランダー

 特徴 人族 5歳

 所属 グラブ王国 アストレア侯爵領 ニブル村

 称号 「最強」

 職業 農村の子供

 所持技能

 ・根性Lv5

 ・農耕Lv2

 ・アドカシジア語Lv5

 ・毒無効Lv -

 ・マジックボックスLv -

 ーー以下は称号付属の技能となります(LvMAX固定)

 :魔法(火・土・水・金・木・無)

 :武術(素手・剣・槍・短剣・弓)

 :家事

 :索敵(魔力検知・魔物検知・敵意検知・緊急覚醒)

 :無効化無効※自技能との競合なし


ーーーーー


 うん、今世でも割といじめとかに耐えてた事もあって歳の割には優秀だし、器自体も賢かった事が想像できる。毒無効も、マジックボックスも付けてくれてるし、やはりあの女神は本当に女神だったのだろう感謝。

 しかし、称号が「最強」と言うのは如何なののだろうか。確かに最強と呼べる程に恩恵はあるのだが、雑過ぎやしないか?


 ウォルフは再度心臓に手を当て、称号「最強」に意識を集中してチェックをかける。


ーーーーー


 称号「最強」

 世界最強の男、ウェイン・ギルフォードの知識や力をこの世界に役立てるため、、、魔王を倒す!ためにここに丁寧に込めました。出来立てホヤホヤの称号です。


ーーーーー


 あー、メチャクチャにぶん殴りたい、あの地雷系女神。雑だと思いつつなにか意図があるものと思ってチェックを入れてみれば、想像を遥かに上回る雑さだった。


 あーもう、魔王を倒すのやめてもいいかな?大体、魔王ってだけでまだ悪人かどうかも・・・国を一つ滅ぼしたって言ってたか。じゃあ悪人か。


 まあつまりの話、この称号を持っていれば虫でも鳥でも誰でも世界最強の男ウェイン・ギルフォードになれる夢のような称号で、これを活用して魔王を討伐すればあとは自由に、世界でフラフラ出来るわけだ。前世では貴族になって自由なんて無かったからな。とっとと魔王を倒して自由を手に入れてやるぞ!


 その晩、村の全員が寝静まった頃、ウォルフは1人起きていた。

 地面に手を当て魔法を発動する。

 自身の探知系技能を無魔法と結びつけ、薄く世界に幕が張るように発動する技だ。細かくはわからないが強敵がどこにいるかはこれでわかる。

 「オールサーチ」

 誰も気づかないほどの魔力の波が世界を覆い被さろうとする、が当然一瞬で世界全てをカバーすることなんて出来ないので1日かけてじわじわと広がる探知の波に気を配りながらも、次の日を過ごし再び夜。


 「よし、候補は20箇所に絞れたな、この村の反応は間違いなくニブルヘイムの物だし、あと19地点か。今日中に見つけられるかな」


 ウォルフは天に手を翳し魔法陣を描き出す、イメージするのは19地点のうちの一つ、最も反応が大きい場所だ。この世界の中ではあるのだがかなり高い場所にあるな、ギリギリ行けそうか。


 「テレポート」


 ウォルフの姿は瞬く間にその場から消え、


 「え、あ、2日ぶりだな」

 「は?え?なんで?」


 寝そべりながら尻をかく地雷系女神の所へテレポートした。

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