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その男の称号は「最強」  作者: ぽろっく
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地雷系女神はズボラでした

 「まあ、そんな訳で間抜けに死んでしまった貴方がこのまま成仏してしまうのは非常に世界にとって勿体のない事なんで、端的に言います。生まれ変わってくれませんか?」


 は?生まれ変わるだって?じゃあこの目の前の地雷女神は本当に神か何かなのか?


 「だから聞こえてるってば・・・私は貴方の世界の神様ですよ!ずーっと言ってるじゃないですか!」


 何で神だっていうのにこんなにも、その・・・残念なのだろうか。


 「いやだって、俺神様と会った事ないしさ。嘘だっていう線もある」


 「妙に疑り深いですね!ごめんなさいね!残念な地雷系女神で!」


 口を膨らませて拗ねる素振りを女神は見せていたが、埒も開かないのでひとまず事実と仮定して話を進めるか。


 「仮に俺が転生出来るとして、何故俺は転生出来る。今までもこうやって強い奴は転生させて来たのか?」

  

 「それはそうですよ!世界のエネルギー量を安定させるために、特別力の強い生き物は善悪関わらず、転生させなきゃバランスが崩れて最悪壊れちゃいますもの!!」


 詳しく話を聞くと俺が住んでいる世界のバランスを維持するために、余りにも逸脱しすぎた生命が命を散らすと、世界のバランスが乱れ、最悪の場合世界が崩壊するそうだ。よくわからん。

 そのための対策として強すぎる生命は、記憶や素質を保持したまま転生する権利を神から与えられ、その生命が転生する事で世界のバランスを保持するそうだ。

 今まではバランスを保持するために数合わせで大量の生命を誕生させたりして来たのだが、この女神はその作業がめんどくさいという理由だけで、このような方法を100年前から取り始めているらしい。

 ん?100年前から?


 「今まで、この方法で転生された奴に心当たりがあるんだが・・・」

 

 「え。私魔王なんて復活させてないよ❤️」

 すると女神はそっぽを向いて口笛を吹きながら誤魔化しだす。


 「おい、俺が死ぬ前、生まれ変わった魔王を名乗る魔族が小国を1つ滅ぼしていたんだが、あれはお前のせいか?」


 「え、え、別に今回貴方を転生させるのは。その尻拭いってわけでは無いんだからねっ!」


 問い詰めているのに、真面目に認めようともしない女神を見てると無性にイライラしてくる。


 「・・・・なあ神様、1発殴らせてくれよ!」


 めんどくさいって理由だけでバランスをめちゃくちゃ崩してるじゃねえかこの馬鹿女神が!!


 「いやぁああああ!!」


 鼻水と涙を垂れ流しながら逃げ出す女神。許さん、とりあえず1発殴らせろ!


 走る女神の髪を思いっきり掴んで引っ張る。


 「ひぐぅ!ごべんだざいぃい」


 引っ張られて転び、顔を赤くしながら女神はまだ泣いてる。こうなるんなら最初から丁寧に仕事をしていれば良いものを。


 「おい、俺が転生して魔王を倒したらバランスが取れるのか?どうせまた魔王を転生させて一生終わらない戦いにでもするつもりだろう?」


 女神は地面に座りながら薄衣で鼻水と涙を拭い涙声で謝罪をする。


 「うぐっ、もう真面目にやりまずがらぁ!あなだが、だおじでぐれればがいげつするんでずぅぅ!」


 薄衣では拭ききれなかったのか、俺の足で拭こうとしてくる女神を避けて疑問を口にする。


 「お前が、魔王を倒したら良いんじゃ無いのか?」


 「お前って・・・まあ良いですけど。神は自分が作った世界に降りることはできないんです。差別的な意味ではなく次元が違うので。ある程度干渉はできるのですが、直接殺すみたいなことは出来ません」

 

 宗教が揺らぎそうな発言だな。


 「じゃあお前たち神は何故存在してる?必要がないようにも感じるが」


 この後の話は複雑すぎていまいちわかっていないが、神が世界を管理しているのは神たちが管理している世界(俺の生きてた世界)で、何か革新的なことや大きな事件あり、その出来事が神の世界で発生していなかった場合の参考資料や前例として神の世界に適用するため運営しているそうだ。

 よくわからないがとんでもない事を聞いてしまったな。


 「つまり俺たちの世界は実験生物のように扱われているということか?」


 「意外とものわかりが良いんですね!ぶっちゃけるとそうです!本当はこの話を管理している世界の住人に話しちゃいけないんで、黙っててくださいね?最悪この世界ごと一回消さなきゃいけないですから」


 「じゃあ何で言った。言わなきゃこんな危険性孕まなかっただろ」


 「いやだってちゃんと目的を説明しなきゃいくらなんでも酷すぎると思いません!?まあ転生させてあげるだけでトントンな気もしますけど、私の落ち度で貴方にお願いするわけですし、流石に罪悪感MAXですよ私は!」


 「そこだけは誠意ある対応として受け取ってやろう。だが俺がそれだけで転生するとも思うまい?」


 生まれ変われるとはいえ、魔王討伐なんて荷が重すぎる。それならひっそりと幽霊になって暮らしていた方がマシだ。


 「そうなんですよね。なのでさっきから魔王討伐の報酬を考えているのですが・・・もう一回転生権とか「絶対にそれはいらない」」


 これ以上の厄介ごとはもう勘弁だ。もう一回転生したらまた良いように使われるだけだ。


 「じゃあー、あっ!これは私の実利にも繋がってしまうのですが、毒無効なんてどうでしょうか!?」


 うん、死因だしな、うっかりがなくなるのは非常に助かる。


 「お前の実利になってしまうならまだ弱く感じるな」

 

 「うーん、うーん。じゃあマジックボックス付けてあげる!!」


 なんと!あの何でもアイテムが入るといわれる伝説の魔法マジックボックスと!?

 皆が「あー、マジックボックスとテレポートがあれば楽なのになあ」と、誰もが口にするうちの1つ!もしそんな魔法を持って転生すればどれだけ充実した人生が歩めるのだろうか。


 「乗った!」

 「やった!」

みんな欲しいですよね。どこでもドアと4次元ポケット。

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