何故か気が大きくなっている所為なんだろうけど
流れ去ってしまった
時間の膨大さに
未来を閉ざされてしまったような気になってしまう
そんな夜に限って
忘れてしまいたい
二度と触れたくもない
そんな思い出に
頭の中を支配されてしまう
実際はきっとそんなはずはなくて
楽しかった事 嬉しかった事
ちゃんとあったはずなのに
うまく思い出せなくて
僕はいつまでも自身が持てなくて
今日だって
人に嫌われないよう 怒られないよう
恐る恐るの一日を過ごして
自分から近付こうともしないで
小さくなって
人の顔色ばかり伺っている
そんな奴
敬遠されても仕方ないだろうけどさ
それでも僕は 頑張っているよ
こうして書くこと以外
何もできなくなってしまったあの日から
そこから這い出して
どうにか社会へ滑り込めたあの日から
ずっと ずっと
こんなものは
見る人から見たら
甘え以外の何ものでもないかもしれないけれど
確かに背負っている荷物は
違いすぎるのかもしれないけれど
制服やスーツを身にまとっている人
街中ですれ違う多くの人
都会を離れた山の中で泥にまみれている人
海の上や空の上
僕たちの歩く道路の地中深くにいる人
電車の窓から流れていく住宅
その一つ一つの中で誰かの帰りを待っている人
そして世界の片隅で心を閉ざしていた
あの日の僕だって
ずっと生きたいと 幸せになりたいと
あるいは守りたいと
願って あがいて もがきながら
手を伸ばし続けている
僕は大きな思い違いをしていたのかもしれない
僕は頑張っているじゃなかったんだ
だからもう一度
伝わるように
僕も頑張っていますと




