東条湖編12 モテる女の子
面白い理由
それは
このコズの事をあの下衆ヤバオ・・・いや畳谷が好きだという事が判明したことだ。
あの、偽物の横山やすしみたいな面構えで欲をかきやがって・・・
と思ったが。
面白くて仕方が無かった。
前にも書いた通り
滝ちゃんという「中の下」の女子とコズは同じ部署で寮が同部屋なのだ。
そしてその滝ちゃんという女子と付き合っているのがこの下の下のゲトーの畳谷
畳谷はこの部屋に入り浸りながら、彼女とは別の女、a.k.aコズが好きになっていたらしいのだ。
調子こいた野郎だ。
彼女が居るという事もおかしいくらいなのに、その彼女の部屋に入り浸り、しまいには別の女を好きになる・・・・
下衆の極みとはこういう野郎のことではないかと思った。
どうりで合点がいった。
コズはこの頃何故か・・・・というか理由は失恋なのだが、僕の部屋に泊まることが多くなっていて、そのたびに
「また来たわ・・・」
と面倒くさそうにメールを確認するコズを見て、誰からか聞くと、その相手は畳谷で、内容は
「まだ、帰ってこないの?」
「何時に帰る?」
「ごはん一緒に食べよう」
という何ともあほくさいメールを淡々とよこしていたのだ。
そしてしまいには告ってきた来たらしい。
僕は思った。
コズはモテるんだなと。
そして、友藤君に振られたから僕のところにきて淋しさを紛らわしている。
うん
それでもいいと
そして、その時はその現実を見ないようにしていたし、半分しか気が付いていなかった。
そして何よりみんなで遊んでいる事が凄く楽しかったし。
これで良いしむしろ最高だと思っていた。
おまけにお正月に嫌な思いをさせられた相手に相当なジェラシーを抱かせる内容に事が運んでいる。
そしておまけのおまけでもう一つ
軽井沢スタッフの巨乳女子の篠田さんの彼氏が何故か東条湖にヘルプに来ており、初めて一緒に働いたのだが、予想道理チャラい男で、
「としまえんのプールでよくナンパした」
というどうでもいい自慢話をするような奴だった。
篠田さんは、このチャラ彼氏と同期と同時に付き合い出したが、2人とも幹部候補だったので、配属先がバラバラになったのだ。
そこで一緒の同期の僕の後輩にあたるあの町田君と何故か毎日「一緒に寝ている」という行動をしていた。
こういう場所あるあるだ。
話は戻るが
そのチャラ彼氏の水田君という男が言った
「あのコ可愛いよね。こんど誘ってみよう」
コズの事だった。
心の中で変な優越感に浸った。
(お前が行く前に俺がいってるけどな)
しかし、泳がせるために、
「そうだよねーー」
と言いながら、いたずら心と加虐心が芽生え
「そういえば、水田君って篠田さんと付き合ってるよね」
「うん。喧嘩ばかりだけどね」
「なんで?」
「だってさぁ、あいつ嫉妬深いし浮気ばっかり疑われるんだもの」
「へー」
心の中で思った。BOM投下!!!!!
「でも、篠田さんも町田君と毎日一緒に寝ていたよ」
・・・・・・・・・・・・・
水田君は青ざめていた。
怒りに震えていた。
勝手な奴だ。
散々ナンパ自慢しておいて、しまいには僕が好きなコにまでちょっかいかけようとしていたのに、いざ自分の彼女が浮気してると知ったとたん、許せなくなったらしい。
なんとその場で電話を始めて喧嘩しだした。
馬鹿な幹部候補生だこと。
鼻で笑った




