東条湖編10 乙女
2001年1月も終わりの寒い日
ホテルの部屋では那須君と二人部屋だったが、和室が僕、ベットが那須君と一応仕切ってあった。
そこへコズが一人でふらふらと来た。
僕は那須君はほっておいて、僕のスペースの和室で二人で呑んだ。
そして雪崩式バック・・・
布団へイン
この頃は相部屋など当たり前だったし、近くに人がいるという事も余り関係なかった。
女子寮も同様だろう。
しかも、見られているかも・・・いや絶対見てる。
聞こえるかも・・・・いや、むしろ聞かせている。
どうだ!と言わんばかりの
そんなセックスが楽しかった。
ただ、楽しかった。この頃は
でも、なんというか背徳感があった。
どこまでも現実主義の自分は、
「3月になったら軽井沢へ帰るしな・・・」
「今だけなのかなぁ・・・」
「好きになっちゃったなぁ・・・・」
「この先どうなるんだろなぁ・・・」
「金が無いな・・・・」
と何故か金のことも考えてしまうほど。
この時、従業員の駐車場で、軽い接触事故を起こしていて、相手の方の親に詰められていたのだ。
相手はホテルの可愛らしい女の子で赤い新車に乗っていて、そこへお互いにぶつかった形だったが、新車という訳の分からな言い分で一方的に修理代を請求されていたのだ。
そんなこともあってか、交わりは2、3回で終わってしまった。
若いのに。
僕はライフル的な打ち方は出来なく、どちらかというとサブマシンガン的な打ち方になるので、相手を仕留めるには数が必要なのだ。
まぁなんにせよ。
簡単に好きになってしまった。
自分がこんな乙女チックな人間だという事に薄々気が付いていたけど、トキメキというのは抑えられないものだ。
だからか、この頃は人の言葉とか音楽とか本にやたらと影響をうけたものだ。
僕はコズを車で送ることにした。
そぐ近くの寮だが、真っ暗な田舎道なので送ることにした。
車の中で、たまたまUAのカセットテープが入っていて、水色が流れていた。
一瞬で色々な感情がブわーーーっと出てきて、パニック気味に
「付き合ってください」
と口走ってしまった。
全く言うつもりもなかったのだが、どーしようと思う間もなく彼女の顔色がみるみるうちに曇っていくのが横目にもはっきりと見えた。




