東条湖編4 hiphop
2000年の冬から春の3か月間は自分の中でも一番濃い人生だったなと思う。
只今40代だが、この3か月ほど鮮明に覚えていることって無い。
そして人生にこれまで影響を受けた経験っていうのがこの3か月
今後もそういう濃い人生を送りたいものだ。
東条湖に来てから、1週間くらいは仕事もだるいし、休みでも那須君と買い物に行くくらいしかないし、本当に毎日が嫌で
「早く時間が経たないかな」
と朝起きるたびに思った。
仕事が終わって、適当に飯を喰って夜な夜な
スチャダラパー&小沢健司の「今夜はブギーバック」の替え歌リリックを書き続けた。
「ダンスフロア―に華やかな光僕をそっと包むようなハーモニー
ブギ―fuck check it out 神様がくれた甘い甘い時間だハー二―
123を待たずに24小節の旅で交わり 普通にドアをドカーンと蹴って プハーっと叫んで ぐびぐび呑んで
テーブルの雰囲気が少し盛り下がったところで 罰符で女にヤラセロ・・・・・・」
というここでは書けないほどのド下ネタをコチコチと書いていた。
あとはYOUTHEROCKもよく聞いていた。
そんな頃
僕らの住むアネックスの2階の同じフロア―に一人の青年が入ってきた。
正確に言うと既に入っていたのかもしれないが。
その青年と何かの機会で会うことになり、一緒に飯を喰った。
その青年
当時17歳で新入社員の研修中という事で入っていた「タカ」だった。
このタカとの出会いが劇的に生活を変えることになる。
背は高くやせ型で見た目がイカツイ
眼がぎらぎらしていて、大阪弁でよくしゃべる
初めて会ったその日も結構しゃべった。
音楽の事、なんでこんな場所で仕事をしているのか、女の事、友達の事などなど
タカは次の日から一人部屋があるのに、僕らの生活する部屋で寝泊まりするようになった。
面白い奴だと思った。
僕が当時22歳
タカが17歳
年齢の差はあるけど仲良くなった。
タカのコミュニケーション能力にただただ驚いていた。
どんな人とでも見た目年齢気にせずずかずかと話しかける。
おばちゃんとかと速攻で仲良くなる。
面白い男だと思った。
そんな彼は色々な音楽が好きで、中でもこの頃は「PUNK」が好きだと言っていた。
が、趣味が合ったのか彼が寛容だったのか、僕の作った「今夜はブギーバック」の替え歌を喜んで聞いてくれた。
まさにhiphopだと思った。
当時彼はすでに研修中の女の子と付き合ていたのか、女の子から頻繁にメールが来ていた。
僕なら、そんな男くさい部屋なんかに居ないで、自分の一人部屋で女の子とイチャイチャした毎日を送りたいと思っていたが、タカは女の子に
「おれ実はホモやねん」
と言い放ち
僕らの部屋から出て行こうとはせずに、逆に女の子を振ってしまったのだ。
小さな小さな僕はこう思った
「も・・・もったいない」
毎晩那須君と二人だけの部屋で、下ネタのリリックを書き続け一人で悦に入ってた自分はこう思った
「も・・・・もったいない」




