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裏Resort  作者: まさぐりまさお
1年目
7/108

軽井沢編ー⑦

枝を切っていた初日




休憩時間にタバコを吸っていると。


センパイの石川さんが、嬉しそうに




「今日ユミちゃんとご飯いくんだ」






と言いながら携帯のメールをピコピコ鳴らしていた。


僕は、へーいーなーとか思いながら先輩の会話に聞き耳を立てていた。


作業組の東条さんと鎌田さんは呆れ顔でこう言った。




「もう新入社員いくんだ・・・すげーな」






思い出した。


僕と同じ日にもう一人女の子がいた。


配属がレストランだから会っていなかったが、少しだけ見た気がする。


僕と同じ年くらいで、丸顔のかわいい子だった。





後にわかるのだが


ホテルグリーンプラザ軽井沢の従業員の配属方法は




1番にホテル


こちらはしゅっとしたキレイ系と清潔感のある見た目がいい感じの社員が配属され、ヒエラルキーでいうとトップ




2番にゴルフ場


こちらはあまり人員が必要ないので、ホテル側から余った人員をまわす。




3番に遊園地


ヒエラルキーの一番下。僕みたいな見た目の作業員として配属される。


その中でも、女性とか清潔感がある人間が遊園地のレストランに配属される。




つまり僕は知らずして、一番下の底辺からの出発となったのだ。


後から聞いて


「そりゃそうか」


とだけ思ったが。


ただ、後にホテルマンの同期の人間に馬鹿にされ、喧嘩になりかける。






そんな


機嫌が良かった石川さんが、僕に初めて声をかけてくれた。




「明日みんなでご飯いくから一緒にいこうよ」




ものすごく嬉しかった。


一生懸命枝を切った甲斐があった。


僕は


「はい!よろしくお願いします」


と言ってその日は黙々と作業を進めた。


人間のやる気っていうのはこんな単純な一言で変わるもんだ。


こんな入ったばかりの汚い奴にも声をかけてくれるナイスな先輩。



そしてその日の夜。


ヤングロッチに帰って、ブラジル人に紛れて食堂でひとり黙々と飯を喰い、汚い風呂に入って


倒れるように寝た。


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