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裏Resort  作者: まさぐりまさお
2年目
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軽井沢編8 失敗談

夏に向けて駐車場の整備の仕事をしていた。




この頃、リニューアルして2年目という事もあり、おもちゃ王国は大盛況だった。




繁忙期には駐車場が足りなくなるのだ。


そこで、雑用係の僕の出番だ。




上司からの指令


「駐車場を増やせ」




最初


「はい?」


意味が解らなかった。




詳しく聞くと


既存の駐車場はホテルの分も使っても足りないから、適当に空いている道などに勝手にスペースを作れ


とのこと。


確かにプリンスランドは広大な敷地で、ぐねぐねした無駄な道があるけど・・・・


とか考えながら、若い僕は素直に




「解りました。ではアルバイトを10人こちらへまわして下さい」




僕含め11人で1日-2日の作業を計画実行した






適当なスペースはすぐに見つけたのだが




車の大きさって?


駐車場のスペースってどれくらい?


間隔ってどれくらい?




様々な疑問が・・・・


数学が大嫌いな僕はアルバイト達を集め




「誰かこういう図形的なの得意な人いる?」




と聞いた。


何人かの女子がてを挙げてああだこうだと会議が始まった。




速攻で結論が出た


四角と平行四辺形の面積は同じだから大丈夫




この訳の分からな結論で車の大きさを測り、白い道路用のペンキでアスファルトに直接平行四辺形を書いていった。


わいわい楽しく女の子と話しながらお絵かき気分で駐車スペースを作っていく。


そこへ、あいつが登場




「どう?はかどってる?」




東条さんが車で見回りに来た。


糞偉そうに。とむかつきながら言った。




「もうすぐ終わりますよ。どうですか?コレで」


東条さんは現場を見て絶句していた。


仮にも大卒の東条さん。




「ちょっとこれ・・・絶対車はいらないでしょ!!」




と言い残して上司へ報告に行った。


僕らは出来上がった駐車スペースを見て


「うん。確かに・・・無理そうだな」


と話した。僕は




「皆さ。ちょっと聞くけど血液型何型?」




ほとんどO型。


僕もO型。


大雑把。




嗤っている場合じゃなかった。


アルバイトは定時で帰らせ、僕はひどく叱られた。が、上司の辻岡さんだけはこう言ってくれた。




「白線は消えない今更怒ってもしょうがないだろ。」




「解った! 白線をもう一本増やしてそこを今度はオレンジの線で囲って駐車スペースという事にしよう」




名案だった。




「いいっすね!!それで行きましょう!」




「いいっすねじゃねーよ!馬鹿野郎!!」




もう一回怒られて、翌日最小限のメンバーで修正した。




僕が遊園地を辞めてもう20年以上経つが、その痕跡は2015年の時点でも残っており、駐車スペースとして使われていた。


見た時当時の思い出が蘇って、笑いが止まらなかった。




話はこの先を大きく左右する2000年の夏休みに入る。

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