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裏Resort  作者: まさぐりまさお
2年目
55/108

軽井沢編6 横領

GW後色々と仕事では問題点があった。




これは20年以上前のことだから書いてしまうけど。






遊園地の中で使われている「チケット」が実はただの紙切れだった。




この時点で知ったのだが、従業員共々薄々感づいていて、危機感があった。


どういう事かというと




券売機なる物でチケットを買い、遊具など施設を利用してもらう。


勿論、利用者数とチケットの売り上げが合わなきゃいけないし、そのチケットも連番で管理しなきゃいけない。


でも、この頃は売り上げも良かったし、システムがアナログすぎたので、使用済みチケットを連番も管理せずゴミにしていた。






売り上げに対してチケットの金額分を合わせるとかそういうのが無く、現金が入ってくれば良しみたいな仕組み




どういう事が起こるかというと


渓流釣り、パターゴルフなどは




①券売機で1200円のチケットを買う


②そのチケットで遊ぶ




の仕組みを従業員の一言で変えてしまう。




「現金でもできます」




と誘導すればわざわざチケットなんか買って利用する人はほぼいない。


その現金は従業員の懐に入る。


でも、あまりにも利用者数が少ないとバレるから、たまに




「チケットでお願いします」




という場合がある。




これで結構な期間通っていた。


少なくとも、僕が退職するまでは。




GWとか夏休みにアルバイトが働けば、給料以外の方が収入が多いのだ。


この横領は会社側も判ってはいたが、どうにもできなかった。






だから、僕の前ではいい顔して良く働くアルバイトでも、金をごっそりと抜けるから渓流釣りとかパターゴルフに配置してほしいアルバイトが沢山いた。


そんなアルバイトでも、魚の腸を出したり、焼いたり、釣り竿を管理したり、と特殊な仕事だったため、限られた人間、もっと言うと長期アルバイトにしか任せられなかった。




この年来た元気は最初こそいじめられっ子だったが、上田と葛西がいなくなったとたん頭角を現した。


仕事は出来るのだが、何かうさん臭さがあった。


後々に僕が解雇することになるのだが、何年後かに会った時に言われた。




「僕、実は結構な金額盗んでいました」




多少は解っていた。


俺の金じゃないからいいし、会社側がザルのシステムだからしょうがないとは思っていたけど、仲のいいふりをして欺かれていたのがむかついた。




そんな人間が結構沢山いた。




でも、この頃一番元気とは遊んだし、会社を辞めてしばらく経った後でも面倒見たので、やっぱりムカついた。




元気に関しては後にもまた出てくるが、軽井沢から帰ってしばらくしてから連絡を取ると


「今大変なところにいるから逃げたい」


と言ってきた。




車で行徳方面に迎えに行ってみると、闇金ウシジマくんに出てきそうな部屋に元気はいた。


暗い部屋に二段ベットがあって、人が住んでいる気配があるがどう見ても軟禁部屋。


どういう経過は解らなかったが、そこで「派遣」の仕事をしていたらしい。


普通の派遣会社ではない。




そこから人目が無いうちに荷物をすべて僕の車に詰め込んで、僕の部屋へ。


この頃の東京の僕の部屋は1Kの狭くてボロイアパート。


そこへ元気を一時的に住まわせて面倒見ていた。




元気は元気を無くし、この頃から少しずつ鬱病になっていくのだが、既に人と話せなくなりつつあった。


何があったかは解らなかったが辛い現実があったのだと思った。






早く社会復帰をしてもらいたかった。


僕の部屋のこたつに住まわせ、夜は二人で鍋を食べて、ゲームをする。


(ドカポンというゲーム、ここで元気の腐った人間性がモロに出る)


そして、交換日記もした


元気の悩みや、人に対しての嫌悪感など、あまり話せないので色々と書くことで解消されると思ったが




出会い系のサクラの仕事とかブラックな仕事しかしないので、約一ヵ月経ったある日に追い出した。



こういう根に「抱えている物」がある奴は、人を簡単に欺くし裏切るのだ。


そして鬱病へと落ちて行ったのだが、そういう奴が沢山いたのが山の仕事だった。

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