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裏Resort  作者: まさぐりまさお
2年目
54/108

軽井沢編5

2000年初夏




この頃は髪の毛に色が入っていたり、髭があったりするのはサービス業としてはダメだった。


今はそんなことないと思うけど。


とにかく細かいことにうるさかった時代だ。




僕はアルバイトと一緒に遊んで居ながらにしても、やはり「会社員」という組織の一員だったので、注意しなきゃいけない立場になった。


正直めんどくさかった。


一番嫌いな仕事だった。




上田も葛西も何とかその場は言うことを聴いてくれたが、GWが終わると東京へ帰って行った。


契約は満了だけど、RESORTでの仕事はいかに「使えるアルバイト」を残すかで仕事の出来が全然違う。


会社が雇った新入社員を一から教育するより、アルバイトから育てて入社してもらう方が全然効率的なのだ。


だから、GWとか夏休みに来た大量のアルバイトの中から、めぼしい人材を見つけ出して、契約を延長してもらいながら働くのがベストな方法だった。




僕は失敗した。




でも、その中で上田と葛西の下っ端ではじめこそいじめられていた「元気」という若者が残った。


こいつとは長年付き合うことになる。


上が抜けた「元気」は生き生きしていた。


年齢は19歳。


仕事ではベテランになる為、少し威張りだしていたので、頭を押さえておいた。


そして、同時にあの白馬をクビになった渡辺がTPで採用となり軽井沢に来ていた。




少しの期間はこの体制でうまく回していたが、そんなに社会は甘くない。




バレた




渡辺が白馬で解雇されたことが発覚。


本社のブラックリスト入りしていたらしく、TPのトップの大咲に連絡が行った。




ゼネラルマネージャーの大原さんと大咲は大の仲良し


その大原さんへ本部の人事担当から連絡が行き、大咲へクレームとなった。




本部の人事としては


「外部の派遣会社が舐めたことしてくれた」




ゼネラルマネージャーの大原さんとしては


「知らなかったとはいえ、監督不行き届き」




TPの大咲としては


「信用を失いかねない鎌田どうなってるんだ!」




三者三様の怒りがあった。




この怒りは当然僕に降りてきた。


僕が主犯だからだ。




解雇されたのを知っていてTPに送り込んだ。


ただ、不当解雇だと思ったから・・・・とはいえ、その会社で働けば同じこと。


考えが浅かった。




この件で渡辺はまた即解雇。


可哀そうなことをした


その後もしばらく仕事が無く借金にこまっていたらしく何度も




「仕事紹介してくれ」


「金貸してくれ」




と電話がかかってきた。が僕にはどうにもできなかった。




それ以来、TPの大咲氏からは


自分の会社を甘く見た人間として、敵視されることになった。




大咲から見れば僕はあの石川さんと仲良くしていた人間で、大咲は石川さんをとてつもなく恨んでいた。


それは後に聴かされたのだが、女関係でTPには損害が出たと聞いた。


そして、今回の出来事


でも、仲のいい大原さんが直接本社の経理部のお偉いさんから預かっている人間なので迂闊には攻撃できない




そんな関係になってしまった。






ある時


プリンスランドから少し下ったところにある居酒屋


「とんぼ」


に行くと、TPの集まりがあり偶然居合わせる形となってしまった。


「とんぼ」は家族経営の小さな小料理屋なので、隠れられない。


気まずいとは思っていたが、見つかってしまう。




そこで大勢の前で大咲から直接詰められた。


「お前を潰す」


と言われた。




上等だと思った。


たかが出入り業者のくせに偉そうな態度が気に入らなかったし、軽井沢で好き勝手やっていることも知ってる。


証拠をつかんでTPごと追い出してやろうと決意した。



でも、僕と一緒に居たハリオはTPの人間だったので本気で青い顔になっていたのが笑えた

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