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裏Resort  作者: まさぐりまさお
1年目
42/108

白馬編13

2月の寒いある日




久しぶりにアルバイト寮で飲み会をしていた。


だが、他のカップルの揉め事が発生


不穏な空気を察した僕らは、飲む場所を移すことにした。




あまり気が進まなかったが、社員寮へ行ってみたいとあの春ちゃんが言うので、4人を引き連れ僕らの部屋へ行った。


思った通り、3人とも部屋にいた。


仕事に疲れ、のんびりテレビを見ている様子。




そこへ、ハイテンションの僕ら




「飲みまっしょい!」






女子も3人いたのが助かった。


同じ部屋の那須君と柴咲君はレストラン勤務なので、同じレストランのアルバイトの女子もいたので、乗ってくれた。




「しょーがないねーー」


といいながら、柴咲君はつまみを備え付けの小さなキッチンで作ってくれた。


那須君はボーっとしていたが、二段ベットの下に降りてきて、ぬるっと飲み会に参加した。




問題の男


29歳最年長


二段ベットの一番下を陣取り、自前のテレビを持ち込み、カーテンを敷き、僕らとは関わらないスタイルの東条さん


おまけにタバコの煙が大嫌い。


アルバイトとは関わることなく、過ごしている人物だ。




案の定僕らが来ると、嫌な顔を見せ、さっさとカーテンを閉めた。




その時


6畳一間の部屋に、男4人女3人が皆タバコを吸っていた。


窓を少し開けていたが、まるで東条さんをあぶりだすかのような雰囲気に、僕は笑ってしまった。




今考えると、ひどい話だ。


東条さんが激キレするかなと思ったので、女子に東条さんを誘うようにお願いした。




「とーじょーさぁーん。のみまっしょー」




すると


少しだけニヤケタ顔してすんなり飲みに参加した。


うそ。


と思ったが、女好きの本性は隠せなかったようだ。




ここで、東条さんの「アルバイトと飲まないスタイル」は何故なのかを問い詰めた。


すると、意外なことが分かった。


僕の予想では、彼女が埼玉にいてその彼女に遠慮してのことかなと思っていたが、実は


僕が入社する少し前の3月に軽井沢に来た東条さんは、4月に、GWのバイトに来た女子たちと車で飲みに行って、帰りに真っ暗な慣れないカーブを曲がり切れずに事故していた。






本来なら、飲酒もあるし、アルバイトの女子を危険にさらした罪で解雇であったが


どうやら、色々と手をまわしもみ消したとのこと。


その女子アルバイトはそのあと那須君と付き合っており、東条さんからは治療費を長い間貰っていた。


だから那須君と東条さんの間には冷たい空気が流れていたし、東条さんはアルバイトと関わらないのだと言った。




そんなこと那須君の前で言って大丈夫?


とか思ったが、この時すでに那須君は少しおかしくなっていたので、何も言わなかった。




「そうか。そんなことがあったんですね」




と言いながら、若い僕は真っ向から東条さんに反論した。




「でも、アルバイトとか社員とか分けて考えるってどうなんですか?」




僕は仕事も一緒にする仲間なら、プライベートも人間としてかかわるのが当たり前だと思っていて、そういう考え方が嫌いだった。


でも、会社は東条さんと同じ意見


でも、僕にも味方がいて、それが上司の辻岡さんだった。


僕の考えを認めてくれていた。




折角、過去を話してくれた東条さん


いやいやながら飲み会に参加してくれた東条さん


タバコもこの日は許してくれた東条さん




そんな東条さんに僕は喧嘩を売っていた。



この火が大きくなり、翌日僕はコルチナ国際スキー場全体を仕切っている支配人に呼び出された。

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