白馬編10
1月のとてつもなく寒い日
同じリフト係のブラジル人ガウシュが、
「今日はhotpotでパーティーだ」
と言っていた。
聴けば、リフト係の男の子の誕生日パーティーだという。
hotpotというのが、駅前のraggae bar
僕ら一行は仕事終りで、行くことにした。
姉さんと僕と渡辺と春ちゃんの4人で。
足は僕の車。
夜の7時くらいの駐車場へ集まったが・・・・
車が一切見えない。
深すぎる・・・
皆で掘り出しすこと20分。
やっと出発した。
山の下り道には除雪車がひっきりなしに雪を掻いている。
これからreggae barへ行くのになぜかhiphopの「EPMD」爆音でテンションをあげた。
そのbarは本当に駅の隣と言ってもいいくらいの近くにあった。
え?
これ駅の一部?
みたいな感じ。
普通のログハウス調の一軒家から、音楽と笑い声が漏れ聞こえる。
駐車場へ車を停めて、入っていくとそこは異国!!
高橋姉さんはみんなと仲がいいので、すっと溶け込んでいたが、reggaeガンガンで、ブラジル人達と日本人が入り乱れて騒いでいる。
席はあるけど、あまり関係ない。
話を聞くと、居るの全員ホテルグリーンプラザ白馬のスタッフ。
ある男の子の22歳の誕生日会で貸し切り。
そこには今まで見たこともない人が沢山いた。
ホテルスタッフ、ホテルのレストランスタッフ
駐車場のイカツイスタッフ
リフト係
リフト係は、僕はまだ一番下のメインリフトだから、知らなかったが、中腹から山頂まで行くとそこはほぼ固定のスタッフで、ブラジル人が多い。だから、知らない顔ばかり。
そしてアイドルのリフト係。
ここでもリーダー格で、乾杯の合図をしていた。
このhotpotはraggaeスキの夫婦で営んでおり、店でイベントもしょっちゅうやっているとのこと。
そこへ夜な夜な、第一ロッジのブラジル人が歩いて呑みに来る。
第一ロッジからは徒歩ほんの数分だから。
僕は白馬に来てから初めのうちは、上司の辻岡さんにお店に連れて行って貰っていたり、同僚と少し飲んだりしたが、
渡辺とつるむようになり、アルバイトばかり飲んでいた。
そして、今、こんな素晴らしい世界に感動していた。
21歳の僕には、仕事という文字は皆無だった。
名前もよくわからない酒をみんなで一気したり、かなりはしゃいだ。
牧野さんもいて、ハイエースで皆を連れて来たのだという。
動くホテルもこういう時は送迎車と化すのだ。
パーティーも半ばになると、ブラジル人たちはカップルがすでにできているらしく、いちゃつきだす。
もう部屋へ帰ってやれよというくらいにいちゃつく。
そうなってきたら解散だ。
みんな朝は早くから働いているので、酔っぱらうのが早いのだ。
山の夜ってこんなもんだ。
ホテルのアルバイト寮から、第一ロッジの送迎バスで来た奴らがいた。
本当は第一ロッジに止まる予定だったらしいが、ノリで
「乗ってく?」
というと、喜んでいたので乗せた。
そして全員乗ってみると、おかしなことに気が付いた。
セダンに8人乗ってる。
助手席に女の子2人
後部座席に野郎5人
まぁいっかと思って、山道を登り始めた。
すると案の定、ケツが滑る。
この時は、もうチェーンを履いておらず、その代わり後部を重くすればいいということで、ホームセンターで買った、融雪剤を大量にトランクに積んでいた。そうすると、FRでも、ケツが重くなって滑らないのだ。
でも、8人乗るとさすがに車も悲鳴を上げている。
止まったら凍死すると思って、ギアを2ndにいれて、めいっぱいアクセルを踏んだ。
そして、スピードを落とすことなく登りたいので、遅い車は容赦なくクラクションとパッシング。
煽り倒して、ぶつける勢いで抜いていく。
よく考えたら自分たちのホテルの客の車の可能性が高い。
そんなことも、法律も関係なかった。
ただただ、楽しかった。
ここから、ヤバい生活が始まった。




