表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
裏Resort  作者: まさぐりまさお
1年目
38/108

白馬編9

1月、2月のコルチナ国際スキー場の雪は深い。




毎朝、駐車場は真っ平。


セダンの車の上に、車と同じ厚みの雪が積もる。




だから、朝出る人はポールを立てておく必要がある。




雪かきが大変なのと、夜の雪道がまだ怖かった僕は、相変わらずアルバイト部屋で呑んでいた。




リフト係初期の頃は、第5リフトと言って、ゲレンデの中央にあるメインリフトの係だった。


ここは、忙しい時は4人体制で、




1人は表で、切符切り係(今はもう電子化されているゲレンデか多いが)1日券の確認。


1人はステージならしと、乗車ヘルプ


1人は操縦室で緊急ボタン係


1人は計器類のチェック




そして、このそれぞれの係りを15分交代でやる。


外が寒すぎるから、15分が丁度いい。






これが暇な時は表に出るのは1人だから、正月と土日以外は、表に出る人以外は、ほぼ休憩。


ストーブの前で、ココアを飲みながら、女の話か、音楽の話、または株の話などしていた。




何かあったらすぐ緊急停止ボタンを押さなきゃいけないけど、滅多にないから、とても暇。




メインリフトには、地元の老人と人気のあるアイドルバイトしか居ない。


あとはパトロールのお偉いサンがちょこちょこ休憩に来る。




なんてチョロい職場なんだと思った。


だから、毎日二日酔いでも全然大丈夫だった。




でもあるとき、やらかしてしまった。




それが、僕である。






暇すぎて、筋トレがてらスノーダンプで雪かきをしながら、ふざけていたら、帰ってくるリフトに引っ掛かり、脱索させてしまったのだ。


脱索というのは、リフトを吊ってるワイヤーロープを動かす、索輪というリールみたいな物から、ロープを外してしまう事。




するとリフトは、落っこちてしまうので緊急停止。




リフトに乗っている人は中吊のまま、ロープを索輪に戻すまで動けない。




とても緊急事態!!


あまり長い時間かかると、人命にもかかわる。




速攻でパトロールと、リフトの偉い人などがデッカイ器具を持ってきて、復旧作業をする。


僕は何もできず見ているしかなかった・・・・


なんとか20分くらいで、復旧できたが、乗っている人にしたら、凍える寒さの中、本当に悪いことをしたと思った。




リフトはチョロくない。。


パトロールも遊びに来ていると思っていたが、いざという時とはこのことだった。




この時ばかりは、皆さんに本当に気持ちから謝罪した。






が、




相変わらず飲み会は毎日だった。




僕らの飲み会も、女子が多くなってきて、何となくペアになる雰囲気だった。


昔でいうツーショットというやつ。




僕も、いい女のコを見つけてしまった。


レストランバイトの高橋姉さんが連れて来た、姉さん曰く「天然巨乳女子」


風呂で転んだ時に、おっぱいが守ってくれたというエピソードに僕が反応してしまった。




一度そういう発言をすると、すぐくっつけたがるのが、こういう場所の特徴で、プライベートも、仕事も全て一緒のところだと、違う女子に乗り換えが難しい。




そう考えると、あの牧野さんはすげぇ達人だなと思った。




その女の子は「春ちゃん」と言った。


春ちゃんは何も言わず、いつも隣にいてくれた。


だから何となく好きになってきた。




というか、おっぱいを触りたかった。




そんな飲み会では、チーズの「kiri」と焼酎が流行っていた。


どうでもいいけど。




僕らの飲み会も、そろそろ動く時が来た。




小谷駅の脇に田舎の風景に溶け込めていない、どぎついラスタカラーのreggae barがある。


そこでは、何かあるとパーティーが開かれていて、そこに呼ばれたのだ。




このbarを知った時には、嬉しかった。


車で下山しないといけないけど、とても興味があったし、何よりも、このbarの近くには、第一ロッジといって、のもう一つの寮


「ブラジル人寮」があった。


そこのブラジル人たちが、頻繁にパーティーをしている。


主にリフト係の人間が主体となっていることもあり、絶対に行ってみたと思った。



今まで知らなかったもう一つの白馬の世界が開こうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ