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裏Resort  作者: まさぐりまさお
1年目
35/108

白馬編6

この年はモーニング娘、浜崎あゆみ、鈴木あみ、GLAY、ラルク


など、大物が沢山出てきた。


そんな紅白歌合戦も観ずに、僕と渡辺は出かけた。




12/31


1999年の大晦日


僕らの勤務は9時から18時の日勤というやつ。


相変わらす朝は忙しかったが、昼から暇になり、夕方はまた忙しかった。


返却のピークを過ぎたあたりで、女子二人組がレンタルに来た。




「スノーボードをレンタルしたいのですが・・・」




とのこと。




これは、奇跡的にツキが回ってきたと思った。


記念すべき大晦日に男二人でカウントダウンっていうのもなぁ。


と話していたところだ。




ここは渡辺に目でパスを出した。




(話しかけろ!!なんでもいいから)




渡辺はバカだが、図々しいところがあるから、この役割が一番適材なのだ。


あとは、僕がトークで伸びればイケるはず。




僕も渡辺も面構えがよろしくないので、ココは全ての状況を味方につける方法でいった。






特別な日。


レンタルの仕事のカッコよさ。(いつもは雑なくせに、この時ばかりは、足に完璧にフィットする器具を選ぶ)


僕が車を持っているということ。(3万で買った激安セフィーロ)


ゲレンデマジック


2人と2人






どうやら、その女の子達は従業員で、レストランでアルバイトしているとのこと。


索道の男たちには眩しく見える職場だ。


可愛くなかったけど、俺たちもマジックにかかっているので、可愛く見えた。




が。




この二人は、あの索道のアイドルポジションのリフトマンに好きな男の子がいるとのこと。


しかし、そんなことすらも利用してしまおうと考えた。




「あ、桜井君ね、オレ同じ部署で知り合いだから、今度一緒に飲もうよ」




この一言で釣った。




見事に二人の電話番号を掴み、今日の予定を聞いてみた。




「今日は暇で、明日から休み時間にスノーボードの練習して・・・・・・」




と、何か言っていたが




「今日は暇」




という部分だけ聞いて、飲みに誘った。




そんなこんなで、1999年大晦日は、4人で栂池高原へ行った。




白馬コルチナ国際スキー場からは車で、山道を通って、約30分くらい。




栂池高原には、ちょっとした町があり、そこには温泉やお洒落な居酒屋なんかがある。


そして、なにより人が多く出ていて、盛り上がっていた。






ちょうど大晦日ということもあり、栂池は結構多くの人が出ていた。




栂池は、山道を抜けると、緩やかな下り坂を下り、広い街に出る。


ここでとんでもないことが起きた。




チェーンを外していたので、下り坂で少しだけ強めにブレーキを踏んでしまったのだ。




マイナスの世界


道路の平らな部分はほぼ氷




車が滑った。


制御不能




人混みに突っ込んでいく。




サイドブレーキを引きながら、ハンドルを逆方面に切って、祈った。




ゆっくりと、雪の壁に刺さった。




大事故をなんとか回避した。


女の子たちも引いていた。




そんな不穏な空気もあったが、この夜は楽しく飲んで、カウントダウンして過ごした。




明日からは新しい1年


そして、新しい現場。


初めてできた、レストランのアルバイト女子とのパイプ



少しだけ、白馬に来てよかったと思えた。




希望でいっぱいだった。

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