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裏Resort  作者: まさぐりまさお
1年目
34/108

白馬編5

1999年年末




レンタルスキーの小屋から、ボーっと外を眺めていた。




雪が降る街/ユニコーンが頭の中に流れる。




僕らの世代は、年末といえば 雪が降る街




ゲレンデといえば、広瀬香美かユーミンだろ。と思っていたので、この頃モー娘。のチャカついた曲がなんだか邪魔くさかった。。。


が、時がたてば、あの頃を思い出すいい曲になる。




ナイターの当番で、暇だった。


この時は、渡辺と


「1999年から2000年になる大晦日って特別だよね。どう過ごそうか?」


という問題で、持ちきりだった。




渡辺は、背の高いボーっとした男。


何も考えていないような表情で




「ねーーーどうしよっか」


とか言ってくる。




心の中で


「ばーかばーか」


といつも思っていた。




だけれども仲が良かった。ある事件までは。




索道では、レンタルは、孤立していた。




パトロールがヒーローで


パーキングスタッフもヒーロー


パーキングがヒーローっていうのは、何故かというと。


雪が凄すぎるので、車が絶対埋まる。


これは後で、説明しますが、一晩経てば駐車場は真っ平の真っ白。


ここで、登場するのが、4WⅮのダットサンに乗った、イカツイパーキングスタッフ。


颯爽とやってきて、素早くヘルプ!


超カッコいいのだ。




で、リフト係はアイドル。


スノーボードを目的として、山籠もりしている連中で、プロを目指し、大会とかにもバンバン出ている人たち。


業務では、女性と子供にやさしく、ファンレターが届くスタッフもいた。




それに引き換え


俺たちは・・・・


ぼーーっと外を眺めているジジイだ。




業務が終わったら、買い出しに行って、社員寮で呑むか、渡辺のアルバイト寮で呑むかだ。


はぁつまんねーな。


それに加えて、あの小デブの女がむかつくし。


今でいう「三時のヒロイン」の「ゆめっち」に似ている。


目鼻口全部でかい。


そして、なんでそんなに偉そうなのかが判明した。




パトロールの社員と付き合っていたからだ。




ヒーローの彼氏がいる。




一度だけ、渡辺と僕と斎藤の歓迎会なるものが開かれ、このカップルと合わせて5人で呑んだことがあった。


そこで判明したのだが・・・・


糞面白くもなかった。




ヒーローの彼氏とゆめっちがいちゃつくだけの歓迎会。


なんだこりゃと思った。


しかし、一個だけ面白かったのは、飲んだ場所である。






レンタル小屋に集合して、みんなでレンタルからソリを拝借する。


これも、ゆめっちの権限で。


そのソリを持って、ナイターのリフトでゲレンデの中腹まで上がる


これはヒーローの権限で。




ゲレンデの中腹に、お店がある。


昼はレストランで夜は飲み屋。


凄いところで呑むなと思った。


帰りは酔っ払いながらそのソリでチョッカリ(直滑降)




帰りのホンの10分足らずが一番楽しかった。


あぶねーなとは皆この頃は思ってもいない。




渡辺はコケて、ボロ雑巾みたいになりながら下ってきたが。




それ以外は、渡辺とひたすらふざけまくって、雑な業務をこなしていた。


大晦日まであと数日といったところで、索道の一番偉そうな奴に呼び出された。


パトロールの大塚隊長という人




まぁそりゃそうか。



移動命令。




移動先はリフト。


理由は、レンタルの店長の手におえないとのこと。


「ああそうですか・・・わかりました」


とだけ言ってヒーローのトップの元を去った。




渡辺だけ何故か残留。


後に意味が解ることになるが。




僕は内心「ヤッタ!!」と思った。


アイドルへ昇格だからだ。


仕事では左遷と呼ばれるかもしれないが、アイドルになれる。




しかし、レンタルも短い命だった。


12月20日に白馬入りして21日から勤務。


年明け1月1日からの移動だ。


たった、9日間で飛ばされた。




そう考えると段々腹が立ってきた。


自分の愚行を棚に上げて



渡辺と12月31日は好き勝手やってやろうということにした。



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