仮帰宅東京編-2
この頃
ボーナスは気持ちだけ出ました。
が、5万とか10万だった。
さすが中途採用。
次の現場は
「白馬コルチナ国際スキー場」
なので、スノーボードを持って行くために、色々と物入りでした。
私は17歳からスノーボードをやっているので、嬉しい配属でした。
なので、デート費用もその後も考えると、金が足りない…
この休みでは、ハリオも東京に帰って来ていたので、ハリオと朝からスロットに励みました。
しかし、東京の設定は容赦なく金を吸い込む。
負けがこみすぎたので、仕方なく一旦スロット生活を辞めて、ハリオとは会わない事にしました。
ハリオが疫病神に見えたからです。
次の現場もハリオは
「苗場スキー場」
だったので、しばらく会わなくていいや。
と思いました。
さて、厄払いしたとて、金を作らなきゃいけません。
やはり一番手っ取り早い
「日通」
に通いました。
休暇で帰ってきてるのに、錦糸町の日払いの引っ越し屋さんに行きました。
また、ここまで落ちたか…
とも思いましたが、エロパワーで、なんとか乗り切り、5日働いて3万か4万くらい手に入れました。
そして迎えた12月10日
僕はいつものラフな格好に、黒のニット帽をかぶって行き、待ち合わせ場所に早く着き、それらしき女性を待ちました。
都会は久しぶりなので、クリスマスの雰囲気もあり、女性がみんな可愛く見える。
半分勃起しながら待ちます。
彼女
名前は「ナオミ」
ナオミは、小柳ゆきに似ているという情報しか無かったので、通り過ぎる女性が全てナオミに見える。
「あの子だったらいいな」
「あの子だったら逃げよう」
など、考えながら待ってると、電話が鳴りました。
話しながら周りを緊急監視。
すると、話し声とリンクする女性の後ろ姿が。
すぐ声を掛けました。
初対面
可愛い…
いや、そうでも無いな…
そんな感じでした。
相手の反応もよく分からない…
けどニコニコしながら、
「どこ行く?」
っていう明るい声を聞いて安心しました。
メールでの会話があったので、直ぐに打ち解ける感じがした。
メールの会話は心の会話
イルミネーションの綺麗なサザンテラスで2人は出会い、まるでカップルの様に肩を並べて、新宿の街を少し歩きました。
向かった先は新宿2丁目
有名な街です。
こういう初対面な時には、2丁目に限ります。
とあるオシャレな店に入りました。
明るいところで見るナオミは、小柄で顔が小さく
鋭い眼光の美人さん…を少し崩した感じの
親しみ易い女性でした。
僕は、本気になりそうでした。
好きなタイプだったから。
自分の偽りのプロフィールを呪いました。
どう切り出そうか。
そもそも、これからも東京に帰る予定はないから、お別れしなきゃいけない。
でも、遠距離でも…
など、都合のいい妄想ばかり。
相手がどう思ってるかも分からないのに。
そもそも、僕は
「ガルベス」
としか言ってなかったのに!
目の前のナオミを見ながら思いました。
「今日を楽しもう」
ビールで乾杯
「メリークリスマス!」
幸せでした。
山での過酷な仕事
スロットで負けた事
日通に通った事
全て報われた瞬間を勝手に感じてました。




