2/13
ウィルス
2
地球の歴史が、人類と伴にあったというよりも、地球は、生物界のもの。
そういったことが、人類だけが世界を制するという傲慢を諫める。
人間ができるのは、地球を破壊することでしかない。
そう指摘した哲学者。
それも、嘘ではあるまい。
人間が、生きて死ぬまでの間に、好奇心ゆえに、壊してく事柄が、なんと多いことか!
カレイラ先生は、子どもたちに、ヒトの傲慢さを教えていく。
そして、詩を通して、世界との向き合い方を見て行こうとする。
奇しくも伝染病が、蔓延してしまった。
世界は闇と、光の関係で出来ているけれど、闇の部分を見ている気がする。
ここで、感謝されるのは、医療関係者であり、市民そのものだ。
そして、このウィルスと闘うのは、あたかも、戦争の悲惨な焼け跡となった、
国の惨さを見るのと似ているとしても過言ではない。
その経験を自信をもって語るには、あと数年の時間がかかるだろう。
カレイラ先生に聞いた生徒に、子どものあどけなさが残る。
子どもが成長して大人になるまでに、このウィルスの無尽蔵な怖さを知らないでいる期間がある。
まだ、子どもは、何も知らないのだ。