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君と僕の夜

作者: 秋原かざや
掲載日:2019/07/26

僕らは臆病だった。

世界が怖かったのだ。

世界から拒絶させられたらと……そう思ったら、前に進めなくなってしまった。

君と出会って、その気持ちは大きく膨らんだ。

だというのに、君は笑って、こういうのだ。


「ねえ、試してみない? 本当に拒絶されるのかどうか、あなたも気になるでしょ?」と。


「気にはなるけど……」

それを知るには、僕の臆病が好奇心に勝たなくてはいけなかった。

そして、今は、臆病の方が優勢だった。


「じゃあ、私と手をつないで試そうよ」

君は手を差し出し、にこりと微笑む。

「つないだだけじゃ、拒絶はないよ」

その手を僕は自分の手に重ねた。


「うん、わかってるよ」

君はにこにこと、続ける。

「でも、これなら、そんなに怖くないでしょ?」

「怖くないけど、なんだか、ちょっと……不思議な感じ」


僕の言葉に君は、その愛らしい瞳を瞬かせて。

「じゃあ、もっともっと、不思議体験しよ!」

「ちょ、ちょっとまっ……」


君が連れてきた場所、そこは僕と初めてであった、ごく普通の公園だった。

「次はブランコね!」

「え?」

君は僕の手を放し、立ち漕ぎでブランコに揺れている。

「ほら、君も!!」

しぶしぶブランコに座って、ゆっくりと漕ぎ出した。

「なんだか、星に手が届きそう!」

片手を伸ばす君に、僕は驚く。


「危ないっ!」

傾く君。それを受け止める僕。

「わ、びっくりした!」

「ビックリしたのは、こっちだよ!!」

「なんだか、ちょっと残念だった。もう少しで届きそうだったのに」

「まだ言ってる」

落ちそうになったというのに、君はそんなそぶりをみせない。


「ねえ、もし……魔法が使えたら、君はなにをする?」

「僕は……」

じっと見つめる君の瞳が、痛いほど伝わる。

「やっぱり言わない」

「えーずるい!!」

「もう、時間だし、帰るよ」

「ちょっと、待ってよー」


君がいなかったら、こう言っていたかもしれない。

「君と夜空を駆けたい」

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― 新着の感想 ―
[良い点] 男女のぎこちない一夜が描かれており、こういう青春あったよな、もしくはあればよかったなというのが、上手く書かれていると思います! [気になる点] もう少し、主人公の男の子の心理描写が書かれて…
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