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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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不思議なサラ

       不思議なサラ



「やっぱりな。スワレントラップの、魔核の効果は【認識阻害中】だ。ロッタの帽子の上位版ってところか。」

「じゃあ、それを2つ合成したら、【認識阻害大】になりそうね。」

「うん、リム、今までのパターンだとそうだな。」

「やってみるわ。」


 現在、野営の設置が終わり、ミニ工房を広げて、早速、今日狩った魔物の魔核を試している。

 ちなみに、ナインティードラゴンの魔核は【火無効】だった。

 これを付与すれば、あいつの、あの凶悪なブレスは無効化できるはずだ。


「ところで、気になっていたんすけど、あのドラゴンの皮、というか鱗っすかね。あれ、使えそうっす! あたいの野生の勘がそう告げているっす!」


 カレンの『野生の勘』は以前、玄武の甲羅を素材にするということで、大ヒットを飛ばしている。

 ここは従うべきだろう。


「よし、少し先の部屋に死体が放置されていたな。じゃあ、俺とミレアとカレンで取って来よう。クレアとリムとサラちゃんは、先に【ウォーターバースト】の矢を増産してくれ。」

「かしこまりましたわ。」

「分かったわ。」

「はいですにゃ。」


 現状、水魔法を石に付与できるのはサラだけである。

 リムも、魔核の合成はできるのだから、できそうなものなのだが、どうもあの小さな石に魔法が入ることがイメージできないらしい。

 こればかりは、俺が教えても、どうしようもないだろう。


 ちなみに、同じ魔法を付与しても、付与した人間の魔力に比例して威力も異なる。

 だから、俺とミレアの作った、【ファイアストームの石】だと、俺が作った奴のほうが威力が高い。

 なので、もしリムができるのであれば、現在のサラが作る【ウォーターバーストの石】よりも、高威力のものができるはずだ。

 そう考えると、俺が水魔法を使えれば最も効率がいいのだが、そう甘くは無い。


 だが、本当に俺は、水魔法が使えないのだろうか?

 現にサラは、火と水、両方使えているじゃないか?

 俺は学んだ。

 この世界の魔法はイメージに成功し、それを実現可能な能力があれば、可能だと。

 だから、水魔法が使えない俺には無理だと納得してきた。


 だが、その能力ってなんだろう?

 スキルレベルとか、魔力とかを併せた、適性か?

 では、その適正は、生まれた瞬間から決まっているのだろうか?

 確かに、サラのステータスの伸びは先天的な物だと思える。

 カレンが魔法を使えないのもそうだ。


 だが、本当にそうなんだろうか?

 俺達が勝手に、そう思い込んでいるだけなのではなかろうか?

 亜人は魔法が使えなくて当たり前。

 火魔法と水魔法は、同時に覚えられなくて当たり前。


 う~ん、知恵熱が出そうだ。



 等と考えながら歩いているうちに、ドラゴンの死体が見える。

 こいつは、流石にでかすぎて、アイテムボックスに入れるのは、最初から諦めていた。

 まあ、現状、俺は6トンも持てるのだから、入らないことはないのかもしれないが。


「取り敢えず、皮を剥ぐっす。使えるかは、工房で確かめるっす。」

「そうだな。」

「了解です。」


 俺達は無言で皮を剥ぐ。

 ふむ、カレンの勘は当たっている可能性が高そうだ。

 俺の世界のゲームでは、大抵、ドラゴンの皮とか牙とかは、優秀な素材だ。

 このゲームみたいな世界なら、充分にありえる。


「よし、一通り剥ぎ終わったな。」

「そうっすね。え? え? え~~っ!」


 カレンが驚いているので、俺も慌てて鑑定してみる。


ナインティードラゴンの皮:防御+40 ?? ?? ??


 ぶっ!

 ナニ、この性能?

 確かに、ファイアウルフの皮は便利で、最初から空きが一つあった。

 ダークウルフの皮は、空きこそ無いが、最初から【火耐性中】がついている。

 しかし、これは破格だろう。


「「これって!」」


 思わずカレンとはもった。


「最高の素材っす!」

「最高の素材だな。」


 ミレアにも伝えると、彼女も目を輝かせる。


「これは、早速加工っす! 今晩は寝られないっす!」

「一度、屋敷に戻るのもありかもしれませんね。」

「いや、ミレア、ちょっと待て。帰るにしても、こいつらをもっと狩ってからだ。それに、俺の勘では、こいつの牙もきっと使えるに違いない。」


 俺はそう言って、ドラゴンの牙に手をかける。

 剣で折ろうとしたが、うまく行かない。

 聖銀の剣程度では、剣のほうが負ける。

 仕方無いので、力任せに引き抜く!


 原始的な歯医者の気分だ。


ナインティードラゴンの牙:攻撃力+20 ??


 ふむ、これ単体でも武器になるってところか。

 おまけに空きまである。

 ならば、うまく武器に加工できれば、性能はいいはずだ。


「まだ使えるか分からんが、とにかくこいつも回収だ。」

「はいっす! 見た限りじゃ、こいつも間違いなく使えるっす!」

「了解です。」


 この階層の7体全てのドラゴンの死体から、素材を回収して回る。

 カレンは小剣を使って、器用にドラゴンの牙を切り取っている。

 まあ、武器の性能も違うし、剣術スキルの違いもある。


 俺達は回収した素材を持って、喜々として野営地に戻った。


「お帰りなさいですわ。」

「取り敢えず、20本程作ったわ。でも、サラちゃんの気力が・・。」


 見ると、サラがベッドに寝かされている。

 魔結晶も使ったようで、透明なクリスタルのようなものが2個、転がっていた。


「まあ、一晩寝かせれば回復するだろう。今はどうすることも・・・、ん? これは試す価値があるな。」


 俺は思いついた。

 俺の魔法、【サイコドレイン】は、相手から気力を吸収する。

 逆もできないだろうか?


 まずはサラのステータスを確認する。


気力:35/304


 ふむ、殆ど空だ。

 魔結晶で一割は回復しているが、それ以上は、自然回復を待つしかないのが普通だ。


 俺はイメージを固めて、サラの手を握る。

 全員居るし、失敗しても何とかなるはずだ。

 そもそも、失敗する気がしない。


「サイコギフト!」


 サラがむっくりと起きた。

 ステータスを確認する。


気力:440/304


 ぐは!

 どうやら、やりすぎたようだ。


「いきなり元気になった気がしますにゃ! でも、なんかしんどいですにゃ。」


 そら、限度枠以上の気力を注入されたら、逆に辛いだろう。

 俺のステータスを確認すると、気力がほぼ半分になっている。

 最初、800くらい残っていたから、その半分、400程を与えたのだろう。

 これは加減できないと、逆効果かもしれんな。


「ふむ、一時的なものだろうから、心配は無いと思う。そうだ。サラちゃん、魔法のカラ撃ちをすればいい! 今なら、多分、俺達の使っている、上位魔法でも撃ち放題だと思うぞ。」


 サラも自分のステータスを確認して、理解したようだ。

 立ち上がって、小部屋の外に歩こうとするので、クレアが慌てて付き添う。


「良く分らないですが、また何かチートなことをやらかしたようですね。」

「アラタ、凄いわ! これなら、ほぼ無限に石を作れるわね。」


 まあ、はたから見ただけでは、俺が何をしたのかは分からないだろう。

 もっとも、ステータスが覗ける、人物鑑定スキルを持っているリムは気付いたようだが。


 心配なので、俺達もサラの後を追う。

 上位魔法とは言ったが、今のサラの魔法レベルは、火が3、水が4、闇が3の、土が2だ。

 恐らく、俺達の使っている最上位と思われるのは無理だろう。


 サラは、隣の小部屋に入るやいなや詠唱した!


「マリンちゃんの折檻!」


 ぶっ!

 詠唱名もだが、魔法にも驚いた!

 小部屋の半分弱程だが、炎に包まれる!


 サラには魔法の本質を教えてあるから、俺にとっては出鱈目な呪文でも、彼女のイメージにマッチしていれば、成功するのに疑問は無い。

 しかし、あの魔法は、俺の【地獄の業火】の真似だ。

 どう考えても魔法レベルが足りないだろう?

 【火魔法3】では、俺もやっとこ、【ファイアトルネード】だった気がする。


 慌てて、サラのステータスを確認する。


 げ! 

 今朝見た時は、確かに【火魔法3】だったはずなのに!


スキル:火魔法5 水魔法4 土魔法2 闇魔法3 時空魔法2


 今朝から一度も彼女は火魔法を使っていないはずだ。

 ドラゴンには効かないし、スワレントラップは石化で一撃だったからだ。

 なのに、何故に、いきなり5?!


「す、凄いな! おめでとう! しかし、あの魔法は、本来レベル5無いと無理だと思っていたし、それに、サラちゃんの魔法レベル、いきなり上がっただろ?」

「良く分らないですにゃ。でも、なんか今なら出来そうな気がしましたにゃ。」


 う~ん、理解できん。

 しかし、『出来そうな気がした』だけが俺の心に残る。

 火魔法を覚えたことも、その一言で片づけられたし、本当に謎だ。


「まあ、サラも回復したし、魔法も成功した。これ以上の事は無いな。うん、飯にしよう。クレア、ミレア、頼む。」

「「はい。」」



 クレアとミレアが食事の準備をしてくれている間、サラは引き続き、石への魔法付与の作業。

 今度は、気力が有り余っているから、心配無い。

 俺とリムとカレンは新素材での鎧の作成。

 と、言っても、鱗のついたままの皮を、俺達の身体に合わせて整形して縫い合わせるだけだが。


ナインティードラゴンの服:防御+40 ?? ?? ??


 ふむ、名前が付いているという事は、イオリ達も既に作ったのだろう。


「それで、問題は何をつけるかね!」

「そうだな、【防御20%アップ】は鉄板だな。後、【防御+60】も。」

「そうっすね。【魔法防御+20】は、かぶるっすね。じゃあ、【火無効】はどうっすか? あたいとアラタさんは、少し被るっすけど、4人は靴や帽子が開くっす。」

「ふむ、それはいい案だな。しかし、それならこの素材で靴や帽子も作ってしまおう。」

「それがいいわ! 早速作るわよ!」


「乗ってるところ悪いですが、食事ができました。サラちゃんも一旦休憩にしましょう。」



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