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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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次への準備

        次への準備



 食事をしながら、俺達の今日の成果、石に攻撃魔法を付与することに成功したことを発表する。


 ミレアもサラも、薄い胸を精一杯突き出している。

 もっとも、サラのは薄いというより、まだ成熟していないだけのようだが。

 俺がサラの胸をガン見したことは皆にばれたようで、マリンの口元が吊り上がる。

 クレアとカレンは意に介さないのだが、俺の両隣に座っていたミレアとリムは、俺の方を向いて睨みつける。


「ま、まあ、そんな感じで、サラちゃんが仲間になることを歓迎して、乾杯だ。」


 誤魔化しながら、皆に酒を振舞う。

 もっとも、リムとサラはジュースだが。

 俺も、この世界では酔えないので、ジュースでも良かったのだが、そこは主人として、皆と一緒に酒を飲む。


 ん?

 サラの顔が赤い。

 誰だ? この子猫に酒を飲ませているのは?


 見ると、ミレアが出来上がっていて、自分のグラスをサラに飲ませていた。

 あげくに、酔った勢いで、俺に抱き着いてくる、

 サラまで加勢しそうになってきたので、カレンとリムにガードされるはめになった。



 食事を終えて、先に風呂で寛いでいると、当然のように、皆が入って来る。

 ミレアが心配だったが、そこまでは酔っていないようだ。


「それで、カレン、できそうか?」


 俺は先程考えていた、サラの矢に、魔法を付与した石をつける案を訊いてみる。


「できると思うっす。ただ、使い捨てになるんで、数を用意するのが大変かもっす。」

「石への付与の作業は、俺とミレアでやる。サラはまだ低位の魔法しか使えないからな。まあ、最初はお世話になることもないだろう。しかし、80階以降の未知の魔物相手には大いに期待できるはずだ。」


「確かに、80階まではサラちゃん抜きでもやってこられたのだから、問題ないわね。だとすれば、当面の課題は、サラちゃんのレベル上げね。」

「その通りだ、リム。なので、明日からはサラのパワーレベリングだ。今日と同じく、10階層から潜って、魔核や素材を回収しながら、80階まで駆け足で行こうと思う。」

「それがいいですわ。その間に、連携とかの形も出来上がりますわ。」


「うん、クレア、勿論そのつもりだ。ところで、ミレア~、起きているか~?」

「は、はい、すみません。キスして下されば、大丈夫です。」


 ミレアはそう言って、俺の顔に手をかけ、定位置である、俺の膝の上で寛いでいたリムを尻で押しのけ、おれに覆いかぶさる。


 ふむ、まだ酔いは醒めてないのか。

 少し酒臭い。

 しかし、こいつのこういう時の顔は本当にそそられる。

 思わず受け入れてしまう。


「ミレア姉様、ずるいわ!」

「あたいも、今日は頑張ったっす!」

「私もですわ!」

「私もですにゃ!」


 ん? 何か変な声が混じっているような?

 振り返ると、風呂場の入り口にはサラが居た。素っ裸だ!

 少し顔が赤い。

 まだ酔っているのか?


「おい! サラちゃん! そこから中に入ることを禁ずる!」

「私もパーティーの一員ですにゃ! 皆と一緒の待遇を要求するにゃ!」


 ふむ、今度はそう来たか。


「サラちゃん、それは約束違反よ! 色仕掛けに含まれるわ!」


 そうだ、リム! もっと言ってやれ!


 まあ、今更、サラの裸くらいは、どうといこともないが。

 この前、風呂で浮いていたのを担ぎ出された時に、嫌と言うほど見させられているし。


「私はまだ16歳じゃにゃいから、色気は無いはずですにゃ!」


 まあ、確かにそれはそうなのだが。


 しかし、俺の顔は、リムによって、強引に向きを変えさせられる。

 されなくても、背けるつもりだったのだが。

 やはり、そういう事への、俺の信用は無いらしい。


「あらあら。お風呂くらい、一緒で構いませんわ。」


 おい、クレア、待て!

 優しさと甘やかすは一緒では無い!


「そんな小猫、相手にならないっす。」


 カレン、確かにお前の胸の破壊力に比べれば、奴のは無力だ。

 例えて言うなら、豆鉄砲と戦車砲くらいの違いはある。

 だが、それでいいのか?

 現に、俺はミレアに対しても十二分に欲情したぞ?


 まあ、流石にサラにはしないが。


「ふむ、俺は上がるぞ。後はお前達で相談してくれ。うん、サラちゃん、入っていいぞ。そこに居られると出られん。」


 なんか、面倒になってきたので、丸投げすることにした。

 後はこいつら同志で解決するだろう。


 あてが外れて、むくれるサラと擦れ違い、俺は風呂場を後にする。



 リビングで、マリンのお茶を楽しんでいると、全員が来た。

 ミレアとサラの酔いも醒めているようだ。


「これからの、サラちゃんとアラタの接し方を皆で考えたわ!」


 ふむ、こういう時はやはりリムか。

 しかし、何故、俺の行動をこいつらに決められてしまうのかという、疑問は残るが。


「お風呂までは残念だけど、認めざるを得ないわ。皆でダンジョンから帰って来た時のお風呂は、もう、無くてはならない憩いの時よ。そこをサラちゃんだけ別、というのはやはり可哀想だわ。」


 やはり、彼女達も、俺の世界の風呂は気に入ってくれているようだ。

 ダンジョンから帰って、『皆』で寛ぐのはいいものだ。

 全ての疲れが吹っ飛ぶ感じだ。

 その快感をサラだけダメ、とは、いくらリムでも言えなかったのだろう。


「でも、アラタのベッドにサラちゃんが入るのは認めないわ! これはダンジョン内でもよ! サラちゃんのベッドは、明日、買う事にするわ。」


 まあ、そこらが落としどころだろう。

 俺もそのつもりは無いしな。


「うん、悪いが俺にはサラちゃんを女としては意識できないので、俺はそれで構わないぞ。」

「む~! 仕方ないですにゃ! お風呂だけで我慢しますにゃ。」


 その後は、カレンとリムとクレアとサラで工房に行く。

 ミレアは、酔いのせいで疲れたのか、早々に寝たようだ。

 俺達は早速、矢の試作に取り掛かる。


 スコットの使っていた、鉄の矢の先端を変えるだけの簡単な作業だ。

 鏃を外した矢の先端を鋭くしてやることにより、石を割れやすくする。


 試作品を、ファイアショットを付与した石で試してみる。

 サラが撃つと、ちゃんと石が割れて発動した。


 うん、間違っていなかった。

 すぐに、ファイアトルネードを付与した奴を10本ほど作る。

 今はこれでいいだろう。

 そのうち、クレアかリムが付与できるようになれば、バリエーションも増える。

 勿論、サラの魔法レベルが上がれば、彼女自身で作れるだろう。


 俺が魔法を付与し、カレンがそれを鏃にしている間、リムとクレアとサラは、サラの帽子と靴を作っている。

 これは簡単な作業で、クレアとサラが、ファイアウルフの皮を切り、靴と帽子の形に縫い合わせるだけだ。

 そこにリムが合成した魔核を付与する。


 うん、これで準備は万全のはずだ。



 その晩はクレアと共に過ごした。


「あの、そろそろ、子供が欲しいですわ。」

「済まんな、クレア。これが終わって、この世界の真実とやらを知ることができたら、お前達全員を奴隷から解放し、改めて妻として娶るつもりだ。それまでは我慢してくれ。」

「分かっていますわ。急かすような事を言って、申し訳ないですわ。」


「いや、謝ることは無い。俺の知る限りで、俺に最初に惚れてくれたのはお前だ。お前が居なかったら、ミレアもついてきてくれたかは分からない。そういう意味でも、本当に感謝している。」

「ミレアは私が居なくても、アラタさんを好きになっていましたわ。それに、リムちゃんやカレン・・・あ・・・」


 俺は最後まで言わさず、クレアの口を口で塞ぐ。

 クレアも、舌を絡めて積極的に求めて来た。



 翌朝、家具屋に寄って、サラのベッドを買った後、その足でダンジョン10階へ飛ぶ。


「さあ、気合入れるぞ! きりのいいところで屋敷には戻るが、ハイスピードで潜って行くつもりだ。サラちゃんはきついだろうが、耐えてくれ。じゃあ、行くぞ!」

「「「「はい!」」」」ですにゃ!」


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