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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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サラの武器

      サラの武器



「よう、久しぶりだな。話は聞いているぜ。以前はその娘っ子が勇者さんだったが、今は弓使いだった、あんちゃんが勇者さんか。まあ、別人になったのは俺でも分かる。全く、勇者ってのは何でもありだな。」

「まあ、そう言わないで欲しい。それで、今日はヒントを貰いに来た。報酬はまた魔核でいいか?」


 俺達は、奴隷商でサラの手続きを済ませた後、以前から世話になっている武器屋に来ている。


 目的はサラの武器、弓矢だ。

 スコットの使っていたのも、ここで購入したのだが、これからの事を考えて、ランクアップしたい。

 当然、ここで手に入るとは思っていないので、何か参考になるものが無いかと来た訳だ。


「まあ、大体想像はつくぜ。そこの亜人のかわい子ちゃんの弓矢だろ。全く、あっという間に成長して、俺が見た事ない、とんでもない装備に全部変わっていやがる。余計な事教えるんじゃなかったぜ。」


 主人はそうは言うものの、ご機嫌のようだ。


「ご明察どおりだ。ご主人も知っている思うが、弓は難しいみたいだ。いい素材=攻撃力が高くなる、って訳じゃなさそうだ。」


 そう、スコットの弓の素材は、鉄でも聖銀でも無い。

 特殊な木を用いているのだろうが、それが分らない。

 多分、しなり具合を追求した素材なのだと思う。

 ひょっとしたら、俺達の手持ち素材を加工したらできるのかもしれないが、ノーヒントじゃ厳しい。


「あんちゃんに以前売った奴は、『オークの木』ってのが素材だ。加工にひと手間かかるようだが、素材自体はうちにもある。ただ、噂じゃ魔物の素材で、それ以上のがあるそうだぜ。なんだったかな~、確か骨とか言いていたような。」


 主人は記憶を辿ってくれているようだ。


「ふむ、この中にありそうか?」


 骨と聞いたので、俺はスケルトンの骨をカレンに出させた。

 スケルトンLv5、Lv10、そして、ラージスケルトンの骨だ。

 ちなみに、スケルトンLv5の骨は既に加工できて、槍とかを作ることに成功している。

 他の奴はまだ試していない。


「おう、多分だが、こんな感じの奴だと聞いた気がするぜ。なんせ、聞いただけだし、噂だし、保証はできねぇ。あ、少し思い出したぜ! 後、何か混ぜるらしい! 済まねぇが、これで参考になったか?」


「ふむ、カレン、どうだ?」

「まだ雲の中って感じっすけど、いいヒントみたいっす! とにかく、帰って試すのみっす!」

「まあ、そうするしか無さそうだ。ご主人、ありがとう。じゃあ、この中から選んでくれ。」


 俺は、マイティーカレン、メデゥーサ、ユニコーンデビル、の魔核を並べる。

 どれも、悪い効果では無いのだが、現状、余りそうな奴だ。


「相変わらず気前のいい勇者さんだ。じゃあ、遠慮なく頂くぜ。そうだな、こいつが良さそうだ。」


 主人はメデューサの魔核を選んだ。

 相変わらず、見る目がある。

 この中では、最も深い層の奴だ。


「じゃあ、また何かあったら来るよ。」

「おう、あんちゃんには、十二分に儲けさせて貰っているから、何でも聞きにきてくれ。またな!」



 俺達は武器屋を後にし、屋敷に戻る。

 マリンに報告と、武器作成の為だ。


 帰ると、マリンが口元を吊り上げて、出迎えて来た。

 なんか、悔しい気もするが、こうなってしまっては仕方が無い。


「じゃあ、お前達は、工房の方を頼む。それで、マリン、その、なんだ。」

「分かっているざます。やっぱり、サラちゃんは逸材だったざますね。」


「どうやらそのようだ。そういう事で、サラちゃんを預かることになり、既に俺の奴隷にしてしまった。事後報告になって申し訳ない。それと、前から言っているが、彼女の無事を保証できないことも理解して欲しい。」

「いえ、サラちゃんが望んだことざます。頭を上げて欲しいざます! それに、私の娘がダンジョン攻略のお役に立てるなんて、私も嬉しいざます。」


「そうか。それならいいんだが。あと、屋敷はマリン一人で大丈夫か?」

「維持だけなら私一人で充分ざます。食事とかは、あの娘達にも手伝って貰うざます。」


 まあ、そっちの方は特に心配はしていない。

 何と言っても元侍女長だ。


 俺はマリンを後にし、地下室の工房へ行く。

 工房に入ると、全員揃っており、少々手狭だ。

 最近では、ミレアが魔核の付与に成功しており、クレアも手伝いくらいなら出来るようになっている。

 俺が居なくても、もはや完全に機能するので、嬉しい限りだ。

 サラは、皆の作業を興味深く見守っている。


 ふむ、なら、丁度いい。

 あれを試すか。


「カレン、ミレアとサラちゃんを借りて行くぞ。少し試したいことがある。」

「了解っす。」

「はい、何でしょうか?」

「御供しますにゃ。」

「うん、ミレア、サラちゃん、ここじゃ危なくて出来ないんでな。ダンジョンに飛ぶぞ。」


 俺は二人を連れて、ダンジョンの10階のワープの小部屋に飛ぶ。

 そして、そこで、既に光らなくなった、ダンジョンの壁の光る石を広げる。


「ミレアはこれに魔法の効果を付与できるよな?」

「はい、【アイスガード】は成功しました。それ以外はまだ試していませんが。」

「うん、今度はこれに攻撃魔法を付与してみたい。そして、もし成功したら、サラちゃんがそれを魔物に投げるという構想だ。」


 要はダイナマイトの魔核を敵に投げるのと同じ感覚である。

 うまくいけば、敵の中心で炎の渦とかを出現させられるかもしれない。


「なるほど。それは面白そうですね。早速やってみましょう。」


 俺は以前、【地獄の業火】を付与しようとして失敗している。

 だが、あれは、魔法の力が強大過ぎて、石に入らなかったのではないかと踏んでいる。


 すぐに二人で取り掛かる。

 サラは横で作業を見守っている。

 失敗すると危ないので、少し離れさせる。


 ちなみに、サラを連れて来たのには、実験の為だけではない。

 そう、以前の魔核付与に成功した実績を買って、この作業も、成功させてしまうのではなかろうかという期待がある。


「ファイアショットはいけるようですね。」


 ミレアが石から炎を飛ばしている。

 成功したようだ。

 俺は闇魔法、【スリープ】を試す。

 成功した感触はあるのだが、これは相手が居ないと確かめられない。


「ふむ、俺のはここじゃ判別できないな。じゃあ、サラちゃん、先ずはミレアの作った奴で試してくれ。」

「はいですにゃ。えっと、投げるだけでいいですかにゃ?」

「うん、最初はそれでいい。軽く投げてくれ。」


 サラが壁に向かって投げたが、何も起こらない。

 発動させるには気力を込めなければならないので、これは想定済みだ。

 ミレアが落ちた石を拾ってくる。


「じゃあ、次は思いっきり投げてくれ。」

「了解ですにゃ!」


 今度は壁に当たって、石が割れた!

 そして、そこから炎の玉が出現した!


「こ、これは! アラタさん、流石です! 成功です!」

「うん、予想通りだ。これは使える! 事前に準備しておけば、その場で気力の消費無く、魔法を使えることになる! 問題は、硬い魔物でないと、成功しなそうなことかな。」

「面白そうですにゃ! 私もやってみますにゃ!」


 良し! 食いついた!


 思った通り、サラは、石への魔法付与を難なくやってのける。

 低位の魔法ばかりだが、今はそれで十分だ。


 俺とミレアは高位の魔法でも試す。

 今度は、通路を降りて、スケルトンLv5で実験してみる。

 結果、【ボルケイノ】はうまく行かなかったが、【ファイアトルネード】は成功だ。

 魔物が炎の渦に飲み込まれる!

 【スリープ】も問題無かったが、これは効果付きのダガーを投げたほうが、良さそうだ。


 ただ、予想通り、ミレアの【お姉様のお仕置き】は、石が割れてしまって、付与すること自体ができない。

 ファイアトルネードくらいまでが限度のようだ。

 それでも、充分すぎると言えよう。

 この階層の魔物なら、一撃だ。

 また、風魔法は相性が悪いらしく、石には入るのだが、投げて割れた後の効果が安定しない。


「ふう、少し頑張りすぎたにゃ。気力切れですにゃ。」


 サラが石への魔法付与の作業をしながら、へたりこんだ。

 ステータスを確認すると、気力が5しか残っていない。


 慌てて、今までに拾い集めていた魔結晶を持たせる。

 魔結晶の赤い光が少し淡くなり、サラの気力が10まで回復した。

 初めて試したことになるが、気力の2割程度までを自動的に回復させるようだ。


 俺とミレアが【鉱石鑑定】のスキルを得た結果、現在、魔結晶は腐るほどある。

 ちなみに俺は、魔結晶に【サイコドレイン】を使うことにより、実質の気力も無尽蔵と言える。


「よし、成功することも分かったし、実験はこれくらいでいいだろう。もう遅いし、帰るか。」

「そうですね。報告したら、皆、驚きますね。」

「私は帰ってからも頑張りますにゃ! 魔法込める作業、面白いですにゃ!」

「いや、サラちゃん、お前はまずは休め。」


 まあ、魔結晶を持たせておけば大丈夫だろうが、とにかく彼女にはレベルの底上げが必要だな。

 このままでは高位の魔法が使えるようになっても、すぐに気力切れしてしまいそうだ。



 工房に戻ると、全員既に作業を終わらせていた。

 全員どや顔だ。

 まあ、こっちも同じだが。


「かなりのができたっす! ただ、これ、現在のサラちゃんには使えないかもっすけど。」

「ふむ、サラちゃんは、今休ませている。とりあえず見せてくれ。」


 俺は、カレンが作った弓を引いてみる。

 結構、硬い。

 確かにこいつはある程度の筋力が無いと使えないだろう。

 鑑定してみる。


サラの弓:攻撃力+85 特殊効果【攻撃力20%アップ】


 スコットの弓の攻撃力が15だったことに比べれば、雲泥の差だ!


「うん、凄いじゃないか! サラちゃんには、レベルが上がるまでは今までので我慢して貰って、使えるようなステータスになったら、お前達がプレゼントしてやれ。きっと喜ぶぞ。」

「えへへ。ラージスケルトンの骨に鉄を混ぜてみたっす。そしたら、空きが二つになって、この性能っす!」

「空きには、あたしが【攻撃力20%アップ】と【攻撃力+60】を付けたわ!」

「私もおかげで、武器作成スキルがつきましたわ! これで、除け者にされませんわ!」


 うん、いい感じだ。

 リムもクレアもスキルアップしたようだし、何よりだ。


 しかし、これは矢の方にも工夫できそうだな。

 やじりにあの石をつけてみたらどうだろう?


 等と考えながらも、ご褒美だ。

 俺は全員にキスをしてやる。

 今回はミレアが情熱的で、ヤバい!


「お食事の準備が出来たざます。誰か、サラちゃんをお願いざます。」


 ふむ、母親一人でも完璧のようだ。


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