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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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灯台下暗し

       灯台下暗し



 皆で遅めの朝食を取りながら話す。


「お前達も、丸三日、ダンジョンだったし、疲れが貯まっているだろう。今日はゆっくり休んでくれ。」

「あれくらい、大した事ありませんわ。」

「そうですね。私は、晩の方が疲れました。」

「ミレア姉様の言う通りだわ。本当に疲れていたら、あんな事できないわ。」

「今からでもダンジョンに行けるっす!」


 ふむ、昨晩、全員の相手をした結果、俺のほうが疲れているようだ。

 本音としては、今日は俺が休みたいだけなのである。


「でも、そう言うことなら、今日は全員屋敷で作業ね。あの鎧、人数分用意したいわ。」

「そうっすね。じゃあ、リムちゃん、工房行くっす。」

「あ~、それなんだが、付与する魔核が切れている。この前作った奴にはできたが、これからの奴には付与できない。」


 そう、50階より下の魔物の魔核が不足しているのである。

 あれだけあったのに、実験と、現在の装備に使ったことにより、かなり消費したのだ。


 ちなみに前回作った超合金グッズとかは、魔核を付与した結果、次の感じだ。

 面倒なので、使い手の名前をそのままつけた。


クレアの槍:攻撃力+70 特殊効果【防御半減】【攻撃力20%アップ】


 防御半減の効果が効けば、大抵の魔物は、クレアの連続突きで、瞬殺できるのではなかろうか?


カレンの小剣:攻撃力+120 特殊効果【攻撃力20%アップ】


 こいつは、空きにストーンゴーレムの、【攻撃力+30】を2個合成したものを入れたので、破格の攻撃力を誇る。


ミレアの杖:攻撃力+35 知力+60 特殊効果【魔力20%アップ】

リムの杖:攻撃力+35 知力+60 特殊効果【知力20%アップ】


リムには、俺の使っていた、魔力、攻撃力、素早さ20%アップの首輪を渡すつもりなので、【魔力20%アップ】の効果が被った結果、こうなった。


カレンの盾:防御+70 特殊効果【反射】【火耐性大】


 リフレクトシールドの改良版。

 空きには、ファイアウルフの魔核を合成してから付与した。

 今、カレンが使っている奴は、リムかクレア行きだな。


無効の首輪:魔法防御+60 特殊効果【状態異常無効】【魔法防御20%アップ】


 悩んだ結果、【状態異常無効】をつけてしまった、レッドウィッチの首輪には、ピンクドラゴンの【魔法防御+30】×2と、ストーンゴーレムの【魔法防御10%アップ】×2をつけた。

 当然、偵察役である俺が着けるつもりだ。


無双の腕輪:命中+50 特殊効果【攻撃力20%アップ】【魔力20%アップ】


 こいつも、リムに【カレンアラタリム】を渡した結果、俺が着ける予定だ。


超合金の鎧改:防御+140 特殊効果【防御20%アップ】


 これは全員用の鎧だ。

 だが、53階層から出現する、レッドサイクロプスの、【防御10%アップ】の魔核が足りていないので、今は、人数分用意できないのだ。

 ちなみに、今までの鎧の【魔法防御20%アップ】は、【命中20%アップ】と併せて、金猪の腕輪につける予定である。

 その分、玄武の防御+30×2を付けてある。



「でも、ベースだけでも作っておくっす。何を何個作ったらいいっすか?」

「そうだな、超合金の鎧を4着、これが最優先だ。次に、金猪の腕輪も4つだ。」

「了解っす。」


「沢山作るようですのね。私も手伝いますわ。」

「私も雑用くらいならできます。除け者は嫌です。」

「分かったわ。じゃあ、お姉様方、頑張りましょう。」

「お、おう、俺も当然手伝うぞ。」


 彼女達がやる気なので、俺も、腰がどうのとかは言っていられない。



 皆で頑張った結果、夕食までに全て完成した。


「ん? しかし、俺は4個でいいと言ったが。両方、5個あるぞ?」


 作業に没頭した結果、作り過ぎたようだ。


「え、ええ、そのようね。でも、アラタ、それは予備でいいんじゃないかしら?」

「そ、そうですわ。もし使い道が無ければ、売ればいいだけですわ。」


 う~ん、何かひっかかる。

 途中、休憩している時、何か皆で相談していたようだし。

 まあ、いいか。


「ふむ、そうだな。これから、攻撃が激しくなることが予想されるし、スペアがあって困ることは無いな。」



 風呂の後、いつものようにマリンに茶を淹れて貰っていたのだが、今日は誰も来ない。

 ふむ、皆、作業で疲れてしまい、早々に寝たのだろう。

 俺も、今日は疲れたので、早々に寝る。



「じゃあ、今日からは、暫く魔核の確保だ。50階から潜って、目標は80階。俺達のペースなら、1週間はかからないだろう。」


 朝食時、俺は予定を説明する。


「アラタ、どうせなら、10階層からにしない? 20階の主、ファイアビートルの【知力10%アップ】は捨てがたいわ。」

「ふむ、確かにそうだが、10%アップの魔核は2個無いと勿体無いしな~。」

「では、もう一個は、また冒険者に依頼すればいいのでは? ひょっとしたら、セバンさん達が、また受けてくれるかもしれません。」

「ミレアの考えがいいですわ。途中、屋敷に戻る時に依頼すればいいのですわ。」


 う~ん、今まで、こういう、俺の意見を変える事はあまり無かったのだが。

 まあ、30階のレッドウィッチも欲しいし、時間に制限がある訳でも無い。

 ここは断る理由も無いか。


「そうか、じゃあ、そうしよう。焦る必要は無いしな。」

「じゃあ、今日は私が飛ばすわよ。皆、掴まって。」


 リムより、俺の方が気力消費は少ないのだが、まあ、彼女もたまには唱えてみたいのだろう。


「うん、全員掴まったわね。テレポート!」



 俺はワープの小部屋を出る時に気付いた!


「おい! 何だ? その子猫は?!」

「てへ。ついてきちゃいましたにゃ。」

「てへ。じゃない! ダンジョンは危険だ! 今から帰るぞ! サラちゃん、俺に掴まれ!」

「嫌ですにゃ! 一緒に行きますにゃ!」

「あらあら、サラちゃん、仕方無いですわね。ここまでされたら、連れて行くしかありませんわ。」


 なるほど、昨夜からの一連の不審な点は、全てこいつが原因のようだ。

 俺は、彼女達を問い詰める。

 連中も、嘘をついても、俺に『命令』されれば意味がないので、正直に答える。


「ふむ、そういう協定を結んだ訳か。」


 彼女達は、サラが16歳になるまでは、俺には絶対に色仕掛けをしないという条件の元、連れて行く事を承諾したようだ。

 まあ、元々彼女達も、サラが加わることに反対では無かったので、戦力強化という意味でも、いい選択だったのだろう。


 50階に行かないのにも納得だ。

 今のサラなら、掠っただけでも即死しかねない。

 11階からが限度だ。


「う~ん、薄々、変だとは思っていたが、全てお前達の策略だったのか。だが、奴隷の問題はどうする? 俺のパーティーに加わるのなら、俺の奴隷になるのが条件になってしまっている。信頼補正もだが、スコットの二の舞は御免だ。」


 万が一、サラが貴族だった場合、信頼補正はクリアできる。

 マリンがカサードに頼めば、すぐにでも、なんちゃって貴族になれるだろう。

 だが、非常事態には、俺の『命令』を聞いてくれないと困るのだ。


「そう、それだけは、サラちゃんがOKでも、アラタの了承が得られないとできないのよね。だから、最初はお試し期間よ。あたし達だって、サラちゃんを無条件に受け入れるつもりはないわ。なので、皆が認めたら、奴隷商で手続きよ。アラタもそれなら文句ないでしょ?」


 なるほど、ここから先の、11階層からを試験会場にする訳か。

 この層で厄介そうなのは、糸を吐く、ランドウォームくらいだが、対処法は既にある。

 直撃を喰らわない限り、死にはしないだろう。


「なので、宜しくお願いしますにゃ。ちなみに、耐性は一通り、中までですが、既に得ていますにゃ。」


 あ~、昨夜、彼女達が何をしていたのかも分かった。

 多分、地下室でサラに耐性を施していたのだろう。


「あ~、もういい。そこまで準備されたら、仕方無い。サラちゃん、ステータスを見せてみろ。」

「はいですにゃ。」


氏名:サラ・スワレン 年齢:12歳 性別:女

職業:侍女 レベル:14

体力:63/63

気力:49/49

攻撃力:62

素早さ:65 +1

命中:67 

防御:60 +5

知力:50

魔力:51 +1

魔法防御:48

スキル:言語理解3 交渉術1 家事4

火魔法1 水魔法2 土魔法1 闇魔法1  

弓術2 投擲2

魔核合成1 

アイテムボックス66

毒耐性中 麻痺耐性中 暗闇耐性中 睡眠耐性中 沈黙耐性中 石化耐性中 



 ふむ、耐性は本当に頑張ったようだ。一晩で、今俺達が使える全効果を、中まで取得している。

 やり方は簡単だ。

 効果のついた武器を束に持って小突き、その後、【アブノーマルキャンセル】の繰り返しをしたに違いない。

 魔法は、俺の魔法書を、暇な時に読んでいたのだろう。


「うん、本当に頑張ったようだな。魔法も4種類って、あれ?! 何故、火と水、両方取得している?!」

「あ、それ、私も疑問です。普通、火と水、風と土、光と闇は、相反する魔法として、同時に習得できないはずです。」

「そうだよな、ミレア。これがイオリの言っていた、『特殊な才能』って奴か?」

「え、長野様はそんな事も仰っていらしたのですか? 確かに特殊ですね。」


「そもそも、亜人が魔法を使える時点で特殊っす。それに、あたいと違って、魔法系統の伸びが悪くないっす。普通の亜人なら、レベル14だと、魔法系統は38で統一されてるっす。」

「しかも、攻撃系統の伸びは普通以上ですわ。そこは亜人の特性を引き継いでいるようですわね。」

「人間と亜人のハーフは特別ってことかしら?」

「いや、リム、それなら、これだけの才能、広まっていてもおかしくないはずだ。きっと、サラちゃんが特に別なんだ。ひょっとしたら、マリンも魔法に関しては、桁外れた才能があったのかもしれない。」


 皆が驚いていると、当の本人が答えた。


「マリンちゃんも、魔法は得意ですにゃ。そう言えば、おばあちゃんは、エルフでしたにゃ。」


 あ~、何となく理解できた。

 彼女は、エルフの魔法の得意な血と、亜人の攻撃系統に特化した血、その両方がプラスに出た、特異な例なのだろう。


「それでも、納得いきませんね。エルフでも、相反する魔法を使えるとは聞かないです。」


 ミレアは、今や魔法の専門職と言っていい。

 だから、この状態は看過できないのだろう。


「う~ん、アラタさんの魔法書を読んでいたら、なんか私でもやれそうだったので、試してみたら、出来ただけですにゃ。私にも分からないですにゃ。」


 恐らく、これこそが天才と言うのだろう。

 確かに、マリンの言う通り、優秀な素材だ。

 イオリが推したのにも納得だ。


「まあ、理由は分からんが、出来るに越した事は無い。それで、サラちゃんは弓術と、投擲が使えるようだが、この投擲というのはあまり聞かないが、どんな武術だ?」


 これも、俺が居ないときに練習していたのだろう。

 只の侍女が武術を嗜むとは思えない。

 あ、でも、マリンが母親だった。

 彼女を舐めてはいけない。


「物を投げる技ですにゃ。昔、お父さんに教えて貰ったですにゃ。やってみますにゃ。」


 なるほど、そういうことか。

 父親の仕込みだった訳だ。


 彼女は、アイテムボックスからダガーを数本取り出す。


「そうですにゃ、あの光る石がいいですかにゃ?」


 そう言うなり、彼女は手にしたダガーを投げる。

 10mくらい離れたところの光る石にダガーが突き刺さる!


 それを3回繰り返す。

 ダガーは寸分違わず、最初の光る石に命中し、石はダガーだらけになって割れた。


「す、凄いな。だが、これはいいぞ! サラちゃん、これを持っておけ。」


 俺は【三重苦のナイフ】をサラに渡す。

 目的は当然、遠隔攻撃によって、状態異常を引き起こさせる為だ。


「そ、そうね。あたしの、この、【魅惑のリム】もサラちゃんにあげるわ。」

「じゃあ、これもっす。」


 リムが魅了効果のついたナイフを、そして、カレンも今までに、魔核の付与実験に使った、効果のついたダガーをサラに渡す。

 もはや、サラのメンバー入りは確定したも同然だな。


「じゃあ、カレン、余っている防具をサラちゃんに。武器は、そうだな、そのダガーだけでも充分だが、弓も見てみたい。リム、スコットの使っていた奴一式、まだあるだろう。」


 カレンは、認識阻害のついた、【ロッタの帽子】と、カレンが今まで使っていた鎧を渡す。

 リムも、弓矢一式をアイテムボックスから取り出した。


「う~ん、この鎧は重すぎて無理ですにゃ。」


 あ~、サラには厳しかったか。


「そうか、じゃあ、カレン、鎖帷子があっただろう。それならどうだ?」


 ふむ、カレンが手渡した鎖帷子は、装備できたようだ。

 この階層の魔物に、サラのような後衛に攻撃を当てられるとは思えないが、用心に越した事は無い。


「よし、なら、サラちゃん、その鎖帷子を一旦脱いでくれ。俺が魔核を付与してやる。」


 俺は、玄武の魔核を2つ取り出し、合成する。

 これで防御+60の効果が付与できる。

 そして、それを鎖帷子に付与する。

 もう手慣れた作業だ。


???:防御+75


 あっという間に、チート防具の完成だ。

 サラのように、ステータスが低い場合は20%アップの効果よりも、こっちの方が効率がいい。


「名前は、そうだな、サラちゃんがつけたらいい。」

「ありがとですにゃ! じゃあ、これは【エンゲージメイル】と名付けますにゃ!」


 なんか、重い名前だな。

 それを装備されると、引けなくなる気分だ。



「じゃあ、早速試すか。」


 俺達は11階層への通路を降りて行く。


 結果は上々だった。

 思った通り、サラの投げたダガーが、魔物を次々と無力化していく。

 これなら、接近するリスクを冒す必要が全く無い。


 弓矢の方もなかなかの腕だったのだが、彼女の場合は、まだ攻撃力不足で、あまり意味を為さない。

 なので、専ら、効果を使っての魔物の無力化に貢献して貰う。

 もっとも、深層階のピンクドラゴンのように、効果が殆ど効かない奴も居るが、今はこれで充分だろう。



「うん、感情的には反対だが、文句のつけようが無い。皆ともきちんと連携できるしな。」


 彼女の凄いところは、常に周りが見えていることだった。

 確かに、後ろからは良く見えるのだろうが、リムやスコットに匹敵する。

 現在の非力さは、潜っているうちに、すぐに解消されるだろう。


「サラちゃん、良かったですわね。合格ですわ!」

「そうですね。だからサラちゃん、あの約束は守って貰いますよ。」

「まあ、予想通りね。そうなれば、1レベルでも惜しいわ。早速、奴隷商で手続きよ!」

「やばいっす! このパーティー唯一の、亜人の地位がやばいっす!」


 俺達はダンジョンを引き返し、奴隷商に飛んだ。

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