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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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結果発表

  結果発表



 翌日、日が暮れる前に、皆は帰って来た。

 幸い、誰も怪我をしていないので、ほっとする。

 全員を応接室通し、報告を聞く。


「で、どうだった?」


「やっぱ、優劣は付けられないっす。」

「そうですね。お二方、まだまだ能力値的には、私達に及びませんが、すぐに追いつくでしょう。」

「耐性をつける作業でめげなかったのは、評価に値するわね。カレン姉様でも、きつそうだったのに。」

「流石に50階層の主には驚かれたようですわね。でも、お二人共、ちゃんとリムちゃんの指示に従って下さいましたわ。」


 やはり予想通り、彼女達にも決められなかったようだ。

 最初から、どちらも優秀な冒険者だとは分かっていたのだ。

 どちらかを切る、という判断は辛いものである。


 しかし、リムの『しごき足りない』は、耐性付けのことか。

 あいつは、容赦しないから、かなりハードだったろうに。

 でも、これなら、どちらかを切るにしても、いい土産にはなるだろう。


「ところで、ポランドさんと、カーンさんの意見はどうなんだ? 俺達のパーティーをどう見る?」


 まずはセバン(ポランド)が答える。


「私は素晴らしいパーティーだと思います。特にリムさんのサポート魔法は凄いの一言でした。彼女のような人材が私達のパーティーに居てくれたらと、悔やまれます。」


 次に、ポロック(カーン)も答えた。


「僕も同意見です。僕は、カレンさんの盾がこのパーティーの軸だと思いました。僕達の盾だったセバンには悪いけど、あの防御は誰にも真似できないんじゃないかな?」


 ふむ、彼等も俺達のパーティーを気に入ってくれたようだ。

 益々悩むな。

 俺が悩んでいると、リムが聞いて来た。


「アラタ、どちらも入れないという選択肢は無いの?」

「ん? リム、今更だが、何でだ? 戦力が増えるのはいいことじゃないか?」

「ええ、それには異存は無いのだけれど、お二人は、やはりアラタのパーティーには合わない気がするわ。」

「ふむ、合わないという理由は?」


「う~ん、今はうまく言えないわ。そうね、質問させて。お二人は、何の為に危険なダンジョンに潜るのかしら?」


「私は強くなりたいからです。私が強ければ、リーダーを失うこともなかったでしょう。そして、強くなるには、ダンジョンが最適だからです。」


 なるほど、セバンは盾職だったので、自分が守れなかったことを後悔しているのだろう。


「僕は名誉というか、生きた証が欲しいんです。ダンジョンの最深部まで到達した男という、称号が欲しいですね。」


 ふむ、ポロックは、歴史に名を残し、自信の源にしたいのだろう。

 どちらも、充分な理由だと思う。


「じゃあ、アラタは何故潜るの?」


 ん? 俺に振るのか?


「前にも言っただろう。俺はダンジョンに潜って、この世界の真実とやらが知りたいだけだ。そして、俺はチート勇者だ。強くて当たり前。そんな俺に相応しい目的だと思っている。」

「そうね。あたしも、アラタの目的はいいと思うわ。そこで、アラタは気付かないかしら?」


 あ~、なるほど。

 リムの言いたかったのは、これか。


「分かった。俺とこの二人は目的が違うと言うことだな。だが、それなら、お前達はどうなんだ?」

「愚問ね。あたしは、そんなアラタを支えてあげたい。そして側に居たい。それだけよ。お姉様達も一緒じゃないかしら?」


 相変わらず、ど直球だな!

 思わずこっちが赤面してしまう。


「私は、最初は長野様への恩返しでしたが、今は違いますね。リムちゃんと一緒です。」

「私は、アラタさんとの最初の戦闘で決めてしまいましたわ。アラタさんを守ることが私の使命ですわ。」

「あたいも最初は、ダンジョンに潜りたかっただけっす。でも、いつの間にか、そんなことどうでも良くなったっす。アラタさんと一緒にいたいだけっす。」


 思わず全員を抱きしめたくなるが、かろうじて堪える。


「分かったでしょ、アラタ。アラタの目的を達成させてあげるのが、あたし達の目的なのよ。」


 うん、マリンの言った事、『俺を中心としたハーレム』とは、正にこれだったのだ。

 そして、これに、ミツルとイオリの経験、『目的の違う、兵士や冒険者とは組めない。』が重なる。

 奴隷の場合は、『主人の目的を果たす為に居る』という解釈なら、彼女達と一緒だろう。

 そして、イオリの奴隷も、イオリに心底惚れていたに違いない。


 考えて見れば、スコットもそうだった。

 彼は、『俺』を守ろうとして死んだのだ。

 結果としては、イオリを守って死んだ兵士と一緒だが、少し違う。

 イオリの護衛は、それが名誉とか、仕事とかだったからで、イオリ個人に思うところはなかったはずだ。


 そして、今、目の前に居る二人には、明らかに別の目的がある。

 彼らの最も大事な物は、俺にはなり得ないだろう。


「うん、分かった。済まない。二人共ここまで付き合わせて、あげくにのろけまで聞かせてしまったが、こういう事のようだ。お詫びとして、今着ている鎧、カレンに渡されたのだろうが、それと併せて、俺が渡した帽子と靴も持って帰って欲しい。売れば、多分一財産になると思うが、二人ならそんなことをせずに、ダンジョンで活かしてくれると期待している。」


 ダークウルフの帽子は、サラサに行けば手に入るだろうが、鎧と靴はオリジナルだ。

 間違いなく、何処にも売っていない。

 そもそも、付与した魔核が出回っていないだろう。

 いずれも、最初からどのような結果になろうと、彼らに渡すつもりだったのではあるが。


「そうですか。私も自信があったのですが、残念です。しかし、本当に、この靴と鎧、頂いて宜しいのですか? この【防御力20%アップ】とか、【素早さ20%アップ】なんて効果、初めて見ましたよ?」

「理由は僕も納得しました。やはり、近衛様のパーティーは特殊なようですね。この装備一式、ありがたく使わせて貰いますよ。おい、セバン、これだけの装備を頂いたんだ。今度は僕達が中心になって、パーティーを集めよう!」


 うん、それでいい。

 いや、そうでなくては困る。


 彼等には、今回得た、使わない魔核は全て持ち帰らせた。

 まあ、俺達にとっては、目当ての魔核以外は、ゴミみたいなものだ。

 それでも、売ればそれなりの金にはなる。


 彼らは二人で話し合いながら、屋敷を去って行った。



「ということで、私の出番ですかにゃ?」

「そうざますね。イオリちゃんのお墨付きも頂いているざます。これはもう、サラちゃん以外は考えられないざます。」


 出たな! スワレンファミリー!


「しつこいようだが、俺にその気は無い! 大体、基礎が出来ていないだろう。俺とリムは別として、カレン、クレア、ミレアは、元冒険者だ。」

「じゃあ、その冒険者になる前は、どうでしたかにゃ? 生まれた時から冒険者だなんて言わせないですにゃ!」


 ぬお!

 相変わらず、こういう小知恵は回りやがる!


「とにかく勘弁してくれ。その代わり、約束する。もし、このままのメンバーではきつくなった時、その時は必ずサラちゃんにお願いしよう。それでどうだ?」

「仕方無いですにゃ。約束ですにゃ。神様に、強い魔物を出してもらうように、お願いしますにゃ。」


 いや、それ、本末転倒だろ!

 ところで、この世界の神様ってなんだろう?


「ふむ、神様で思ったのだが、この世界に宗教とか、あるのか?」

「アラタは知らなくて当然よね。教えてあげるわ。」


 リムの話によると、この世界で一般的に信仰されている宗教は、二つあるらしい。

 一つはこの世界では古くからある、日本神話のような宗教。

 土地神とでも言うべきか、作物の豊穣の神様とか、山の神、海の神。変わったところでは、髪の神とかもあるらしい。

 祈れば生えるのか?


 もう一つは新興宗教とでも言うべきか。

 この世界にダンジョンが出現してから、急速に広まった宗教、アウガル教。

 詳しいことはリムも知らないそうだが、何でも、昔の神様に取って代わって、この世界を支配し、人間にダンジョンという試練を与えているそうだ。


 後者のいきさつからすれば、この二つ、対立しそうなものだが、双方、争いが起こるほど狂信的なものではなく、皆、なんとなく、ありがたがっているという感じらしい。

 信者数も、半々くらいのようだ。


 ちなみに、帝国の祭り事はアウガル教だ。

 だが、祭祀長であるイーライを見ている限り、司祭というよりは研究者だ。

 何よりも、皇帝の配下だしな。


 まあ、そんな宗教もありなんだろう。

 俺の世界のように、教会が力を持ちすぎて、戦争とかが起こらないのならば、それに越した事は無い。



 その後の夕食は、昨日、イオリにべた褒めされてなのか、ご馳走だった。

 以前、カレンが釣った魚が出される。

 もっとも、釣ったというよりは、狩らせたが正しい表現か?


 夕食後は恒例の一家団欒バスタイム。

 さっきのリムの影響が抜けていないのか、今日は、皆、積極的だ。

 まあ、三日ぶりだしな。

 だが、ここでいたす気は無い!


 俺は、気を逸らすために、サラの話をする。


「皆は、サラちゃん、どう思う? 魔法が使えて、イオリの話によれば、冒険者として、逸材らしい。」


「確かに、あたいら亜人で、魔法を使える奴は滅多にいないっすね。」

「長野様が言うなら、きっとその通りなのですわ。」

「年齢は関係ないですね。逆に、若いうちから鍛えれば、最終的な能力も高くなります。」

「あたしは、サラちゃんの気持ち次第だと思うわ。あの娘が、本当にアラタが好きなら、気が付いたら一緒に潜っている気がするわ。」


 ふむ、特に反対意見は無しか。

 まあ、今の所は連れて行く気も無いし、必要も無いだろう。

 サラの祈りが届かないことを祈ろう。


 彼女は、侍女として満足の行く仕事をしてくれている。

 それだけで十分だ。



 その晩は、普段はマリンの指示があるのだが、今日は特に無い。

 なので、俺の寝室に行くと、リムとミレアが待っていた。 


「あんな事を言わせた責任は取って貰うわ!」

「私も、その・・、我慢できなくなりました。」


 ふむ、そういう事か。

 すると、クレアとカレンまでがやって来た!

 俺もあの事を思い出して、火がついてしまった!


 結局、クレアの魔法を受け入れてしまい、全員相手に頑張ってしまう。


 翌朝、マリンが気を利かせたのか、朝、起こしには来ず、全員で風呂に入ってからの、何とも遅い朝食となった。


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