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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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イオリ、来襲!

       イオリ、来襲!



 翌日の朝、彼女達は一旦帰ってきた。

 だが、魔核を置いてすぐに、ダンジョンにとんぼ帰りする。


 リム曰く、『まだまだしごき足りないわ。』だそうだ。

 別に、彼らの適性を見たいだけで、今、鍛えるつもりは全く無いのだが。


 入れ替わりに、ミツルのパーティーがやって来る。

 こいつらも、魔法書と鍛冶師の本を返しに来ただけで、これからダンジョンに行くそうだ。


 ミツルは順調のようで、次はシスの40階層だと息巻いている。

 猪突タイプのミツルなら、既に50階くらい行っていそうだったので、聞いてみると、皇女が慎重らしい。


 ふむ、尻に敷かれたか。


 まあ、全くの素人を組み入れてのパーティーだ。

 色々とやることも多いのだろう。


 耐性の付け方や、魔法のヒントを与えると、飛び出して行った。



 その後は工房に籠って、今度は色々な素材を試す。

 あいにく、今までで試した以上の結果は得られなかった。

 サラが来たので、そろそろ夕食かと思ったら、違うようだ。


「勇者長野様が、お見えになられましたにゃ。」


 これには驚いた。

 イオリの方から会いに来てくれたのは初めてだ。

 というか、そもそも、顔を合わす事自体が、まだ二度目だ。

 慌てて応接室に通す。


「やっほー、久しぶりだね。アラタ。」

「イオリこそ一体何をしていたんだ? 帝都の屋敷にも居ないらしいじゃないか? ダンジョンに籠っているようでもなさそうだし。」

「う~ん、居場所は秘密。僕が何をしていたのかも秘密。うん、いい匂いだね。今から夕食かな?」

「サラちゃん、イオリの分も頼む。」

「はいですにゃ。」


 しかし、イオリは何をしに来たのだろう?

 まさか、晩飯にありつく為だけとか言わないだろうな。


「で、今日はいったい?」

「うん、アラタの想像通り、晩飯をたかりに来た。」


 ぐはっ!


「それは構わないが、たかるなら、カサードさんの方がいいだろ? あっちは王宮料理だぞ! まあ、会いに来てくれて嬉しいけど。」

「いや~、城の元侍女長がこっちに来ているからね。やっぱり、マリンちゃんのが最高だよ~。」


 ぶっ!

 この人、何故そこまで知っている!

 まあ、カサードとも仲良さそうだし、そういうことも話したのかな。


「ところで、アラタには感謝しているよ。橘君、いい感じじゃないか。」

「あ~、ミツルのことか。最初はどうしようもない奴だと思ったが、俺に負けてから、とても素直になった。あの調子じゃ、次期皇帝もありえるな。」

「うんうん。彼は元々素直だったんだけど、共和国の連中に持ち上げられちゃったからね~。僕も手は出せないし、どうしようかと思っていたところに君だよ。」


 ん?

 ひっかかるな。


「え? 手は出せないって? イオリがその気になれば、共和国ごと滅ぼせるだろう? 俺の魔法だって、ダンジョン以外で撃ったことはないが、帝都の城くらいなら、数発で灰にできると思う。」

「あ~、ごめん。それも答えられない。でも、アラタならすぐに分かるよ。もう80階でしょ? 後少しじゃないか。」


「う~ん、なんか、イオリは秘密の塊だな。まあ言えないなら仕方ない。だが、こっからが大変そうだよ。階層主も、なんか知性があってやり辛い。」

「きゃははは、あれはね~。あっと、ごめんよ。これも言えないな。でも、気にしなくていいよ。所詮は魔物だから。人間と違って、魂は無いよ~。うん、このくらいなら大丈夫なはず。」

「そうなんだ。俺がダンジョンの魔物を狩るのは、俺の為であって、魔物からすればいい迷惑だろうな、と思ったからね。」


「うんうん、問題無いよ~。安心して狩っちゃって。お、食事が出来たようだね。マリンちゃん、久しぶり~! 相変わらずの美人さんだね~。」

「イオリちゃん、ご無沙汰しているざます。今はアラタ様にご厄介になっているざます。はい、お食事の準備が整ったざます。」



 イオリは、マリンとも面識があるようなので、4人で食事をする。

 サラが質問の嵐を浴びせるが、イオリはダンジョン内の事とかは、はぐらかして行く。


 ふむ、何らかの制約がかかっているのは間違いない。

 100階まで行った者だけに与えられる、義務のようなものか?


 ただ、魔物とかのことは教えてくれなかったが、パーティーのこととかは喋ってくれた。


 彼女も最初、城の兵隊が護衛についたそうだが、全く使えなかったらしい。

 全員、名誉の為とか、昇進の為とかで潜っているのだから、ある意味仕方無い。

 潜る目的が違うのだ。

 ある者は彼女の盾になろうとして死に、ある者は己の分をわきまえず、突っ込んで死んだそうだ。


 冒険者も試してみたが、大抵の奴は、基本的には金目当て。

 自分の能力を過信しないのはいいが、危険も冒さない。

 なので、深い層に行くとなると、断られたそうだ。

 おまけに、彼女の素体は、見た通り美人なので、妙な気を起こす奴も絶えなかったらしい。


 うん、ミツルも似たような事を言っていたな。

 この話で、今回の、セバンやポロックのような奴は、滅多に居ない事を思い知る。


 そうして、イオリが辿り着いた結論は、命令に逆らわない、奴隷を使うことだ。

 俺の場合は、最初からクレアとミレアが進んで奴隷になってくれたおかげで、かなり恵まれていたのである。



「ところで、奴隷で思い出したが、クレアと、ミレア。あいつらの【特殊な】スキルの出元は、イオリ、あんただろう?!」

「きゃはははは! ばれちゃったようだね~。まあ、僕だって人間だしね。それなりの欲は人並みにあるよ。男を入れると面倒だったんだよ~。まあ、彼女達は正式なパーティーじゃなかかったけどね~。勿論、アラタ君ならいつでもOKだよ~ん。」

「既に4人も居るんだ! 遠慮させてくれ。」


 どうもこの人と居ると、ペースを崩されっぱなしだ。

 予期した通り、これを聞いて、サラが噛みつく。


「え? 長野様とアラタさんって、そういう関係なのですかにゃ? これは全員に相談する必要がありますにゃ!」

「サラちゃん、誤解だ! この人は冗談を言っているだけだ! お互いその気はない!」

「え? 僕はいつでも本気だよ~。何なら今から。」

「アホ! 今日を含めて、まだ二回しか会ってないんだ! 勘弁してくれ!」

「まあ、僕は会って二回って感じがしないんだけどね。今回のところは、サラちゃんに譲るよ。そうだ、サラちゃん、君の才能は特殊だよ~。アラタと組んで頑張れば、リムちゃんを抜けるかもね。」


 ん? どういう意味だ?

 リムは、俺と同居していた結果、勇者並みのステータスのはずだ。

 確かに亜人の攻撃系統の伸びの良さは、カレンで実証されている。

 だが、カレンは魔法関連はからっきしだ。


 あ~、そういう事か。

 サラは、滅多に居ない、魔法の使える亜人なのだった。


 しかし、何故、リムのステが俺の仲間の中で最高だと知っている?

 そもそも、イオリはリムとの面識は無いはずだ。

 そして、さっきから気になっていたが、サラに対しても、既知のような喋り方をしている。

 イオリとサラは、お互い自己紹介していたから、今日が初対面のはずだ。

 ならば、何故、サラが魔法を使えると知っている?


 相変わらず、謎だらけの人だ。


「本当ですかにゃ?! 私、頑張りますにゃ!」


 まずい!

 サラの新メンバーの話が再燃しそうだ!


「イオリ、悪いが、この娘を焚き付けないでくれ。俺は、サラちゃんをダンジョンに連れて行く気は無い!」

「うんうん、アラタが嫌なら、無理に連れて行く必要は無いよ。でも、これくらいは教えてあげたかったんだ。灯台下暗しってやつをね。」


 本当に全て見透かされている気分になる。

 この言い方だと、俺が新メンバーの選考をしていることも、知っているかのようだ。



 その後、カサードの裏話とかで盛り上がり、イオリは帰って行った。

 本当に何をしに来たのだろう?


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