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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
76/99

深層階の魔物

そろそろ終盤ですが、書き溜め分が尽きてしまいました。(汗

        深層階の魔物



「カレン! 上からブレス! 避けろ!」

「はい!」

「硬いのは嫌いです。ファイアショット!」

「アラタ! 下は任せて! サンダーラッシュ!」

「よし! 飛び乗る!」


 現在は72階層、パターン通り、新顔が2種出て、目下奮戦中である。


 今、女性陣が攻撃しているのは、亀と蛇が合体したような形の魔物。

 体長は尻尾を含めると3mくらいはあるだろうか? 結構でかい。

 名前は既についていて『ゲンブ』、漢字だと、『玄武』と書くのだろう。


 とにかく硬い!

 誤って甲羅を殴ってしまうと、こっちの拳がかなり痛い。

 というか、ダメージを喰らう。

 カレンの盾スキルと同様、喰らった攻撃の何割かを返す技能のようだ。


 それで、今、俺が飛び乗ろうしているのは、『ピンクドラゴン』。

 こいつにも既に名前がついていた。

 名前通り、俺の世界のヨーロッパの伝説に出るドラゴンとそっくりだ。


 特徴は、うざいの一言に尽きる。

 飛ぶわ、火を吐くわ、火魔法が効かないわ、耐久力もあるわ、爪は鋭いわ、とにかく厄介だ!

 おまけに、こいつのブレスは【火耐性中】では無力化できないときている。

 余談だが、ピンク色の見た目と、凶悪さのアンバランス感が凄まじい。


 ちなみに、ピンクドラゴンの弱点は水魔法のようなのだが、飛んでいるので、【大津波】とかは効かない、というか届かない。

 そして、玄武の弱点は火魔法。

 更に、ドラゴンとは全く逆で、水魔法を唱えると、どうやら吸収してしまうようだ。

 なので、範囲魔法とかを使って纏めて相手するには、最悪のコンビである。


「そっちに火を吐かれると困るんだよ!」


 俺はドラゴンの背に飛び乗り、強引に首の向きを変える!

 こいつには、あらゆる耐性があるようで、飛行する魔物に特効だった、【ハイスタン】が効かないし、【三重苦のナイフ】も無力だ。

 従って、地面に落とす為には、飛び乗るのが手っ取り早い。


 首を抑え込まれたドラゴンは、俺を振り落とそうと、狭い小部屋の中を闇雲に飛び回る!


「落とすぞ! 下! 気をつけろ!」

「「「「はい!」」」」


 俺はドラゴンの片翼を極め、へし折る!


「ギャ、ギャ、ギャ!」


 悲鳴をあげようが、知ったこっちゃない。

 ドラゴンはバランスを完全に崩し、地面に激突する!

 俺は寸前で飛び降りた。


「待ってましたわ! 喰らいなさい! 五点連穿!」

「剣の舞!」

「直接攻撃は趣味じゃないけど。正拳三連!」


 地に墜ちたドラゴンは抵抗も空しく、下で待ち構えていた仲間に、寄って集って凹られる!

 まさに袋叩きである。


「麻痺が切れる前に、こっちは頂きます。ファイアショット!」


 玄武には、唯一麻痺が効くので、そっちはミレアが止めを刺した。


「ふ~、流石に辛くなってきたな。かなり早いが、今日は休憩しよう。」

「そうね、アラタ。魔核や素材も試してみたいわ。」

「この玄武の甲羅は使えそうっす! あたいの野生の勘が告げているっす!」

「丁度、隣の小部屋がいい感じですわ。」



 行き止まりの小部屋で、俺達はいつも通りに野営の準備に取り掛かる。

 リムとカレンはミニ工房を広げ、早速装備の修理を始めた。


「ん? ちょっと待て。結界石はちゃんとセットしたよな?」

「はい。最初に部屋の中心にセットしました。ベッドの下です。」

「だよな、ミレア。だが、これは用心したほうが良さそうだ。一体こっちに向かって来る。」

「私も確認しましたわ。大きさからすると、ピンクドラゴンのようですわね。」


 俺も【シースルー】で確認する。

 ふむ、クレアの言う通り、ピンクドラゴンだ。


 結界石をセットした部屋には、半径10mくらいの安全地帯が出来上がる。

 この中に居れば、魔物に気付かれることもなく、安心して休める。

 なので、今までは、ナニをしていようと、襲われたことは無い。


 ミレアがベッドの下を再確認する。


「大丈夫です。ちゃんとセットしてあります。」

「ふむ、しかし、こっちに来そうだ。全員、準備してくれ。」


 せっかくの野営の準備だったのだが、広げた所に火を吐かれたら敵わない。

 ベッドを黒焦げにされるのは御免だ。

 慌てて全員でアイテムボックスに収納し直す。



「これはヤバいな。結界内に侵入してくるか確かめよう。入ってきたら仕留める!」

「「「「はい!」」」」


 遂に入って来やがった!

 流石は深層の魔物ってとこだろう。

 結界石が効かないようだ。


「さっきと一緒だ! 俺が叩き落すから、後は頼む!」

「じゃあ、こっち来るっす! 挑発!」


 状態異常がほぼ無効なドラゴンだが、【挑発】だけは唯一効くようで、カレン目指して突っ込んでくる!


 後はさっきと同じだ。

 俺が飛び乗って、翼をへし折り、落ちたところを皆で凹り倒す!



「う~ん、どうしようか? 結界石が効かないなら安心して休めんな。」


 その後、結界石を二個設置してみたが、やはり魔物はやって来た。

 ただ、玄武には効いているようで、来るのはピンクドラゴンだけだ。


「仕方ないわね。アラタ、寝てるところを襲われたら厄介よ。ドラゴンだけでも狩り尽くすべきよ。」

「うん、リム。それしか手が無いようだ。一度殺せば、再び出現するのに数日かかるようだし。面倒だが、この階層全てのドラゴンを狩るか。」


 結局、その後はこの階層の魔物を全滅させた。

 玄武には麻痺が効くので、ついでに狩る。

 どうせならと、魔核と素材が欲しかったこともある。


「赤点潰し、完了ですわ。」

「お疲れ様です。これで夜の邪魔はされませんね。」


 その日は、ミレアのアレが終わっていたようだ。


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