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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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適任者

      適任者



 屋敷に帰ってから、皆で夕食を取る。

 クレアが会談場内でのアホ共とのやり取りを皆に教えると、全員血相を変えてしまった。


 う~ん、せっかくの食事がこれでは勿体無い。


「あの件はもう済んだ事だ。おかげで、俺のやり方が間違っていなかった事も証明できた。ところで、今気付いたのだが、お前達には今まで休日を取って貰っていなかった。クレアとミレアとリムに至っては、一月近く、働き詰めだ。気付かなくてすまん! ということで、明日は休みだ!」


 一大イベントが終了したので、丁度いい機会だろう。


「お休みなら、アラタさんが、倒れていた時に充分に頂きましたわ。」

「いや、皆、俺に付きっきりだったろう。下の世話までさせてしまったようだし。」

「あたいは、アラタさんと一緒にダンジョンに潜ったり、武器作ったりする方が楽しいっす。」

「それ、俺の世界じゃ、仕事中毒とも言うぞ。うん、明日は、ダンジョンと工房への立ち入りは禁止にしよう。」


「でも、いきなり休みと言われてもね~。アラタはどうするの?」

「う~ん、俺も特に考えていないな。この世界の娯楽とかも知らないし。」

「貴族は街の外で魔物狩りに興じたりしますね。」

「ミレア、それ、今までと一緒だろ。まあいい、適当に考えておくよ。そんな訳で、明日は全員自由行動。マリンとサラちゃんもだ。食事も各自で頼む。」

「承知したざます。ありがとうございます。でも、最低限の事はさせて頂くざます。」

「「「「「は~い。」」」」ですにゃ。」



 夕食後、サラがすぐに居なくなったと思ったら、風呂場で湯を沸かしてくれていた。

 ふむ、今回は先回りか。

 毎回つまみ出すのも面倒なので、マリンに相談する。


「お宅の娘さんのことなんですが。」


 俺はどっかで聞いたような台詞をぶつけてみる。


「あれは侍女としての仕事ざます。不都合は無いはずざます。サラがお嫌なら、私がするざます。」


 う~ん、保護者公認か。

 お互い、裸でいる場所には入らないというルールだが、裸で入って来られる事に関するルールは無い。

 今までサラは、そのルールの盲点をついていた訳だ。


 マリンに代わられると、もっと不味い気がする。

 彼女は子持ちとは言え、かなりの美人だ。

 そして、既に夫は居ないと聞いている。

 間違いが起こってはならない。

 


「ふむ、じゃあこうしよう。風呂を沸かすのは、その時入る人の仕事だ。これでどうだろう?」

「承知したざます。では、伝えて来るざます。」


 マリンはすぐにリビングを出て行った。

 うん、これで大丈夫のはずだ。


「じゃあ、俺は今から風呂に行くが、お前達はどうする?」

「当然ご一緒しますわ。」

「聞かれるまでもありません。」

「既に着替えは用意しているわ。」

「沸かすの手伝うっす。」



 ふむ、今度はそう来るか。


「今から私が入りますにゃ! 皆さんも入るのなら、私は構わないですにゃ。」


 スワレンファミリーめ、考えたな。

 女性陣はいいが、これでは俺が入れない。

 サラの裸を見たとかで、既成事実にされかねん。

 仕方ない。


「よし! クレア、ミレア、リム、お前達の出番だ! その『特殊な』スキルを使うことを許可する! 蹂躙して来い!」

「かしこましたわ! サラちゃんならいけますわ!」

「ふっ、飛んで湯に入る子猫、堪能させて頂きます。」

「あ、あたしはしないわよ!」

「サラちゃん、逃げたほうがいいっすよ~。」


 俺がリビングに戻って寛いでいると、タオル一枚のサラが駆け込んで来た。


「ひ、酷いですにゃ! 私にその趣味はないですにゃ!」


 流石に懲りただろう。

 しかし、目のやり場に困る。

 俺は勝利の味を噛みしめながら、そそくさと風呂場に向かう。



「あらあら、サラちゃんには逃げられましたが、本命が来ましたわ。」

「中途半端は身体に良くないです。これで完全燃焼です。」

「お姉様方は昨晩やったでしょ! 今日はあたしの番よ!」

「ご褒美っす! 今朝の続きっす!」


 う~ん、さっきの騒動でその気にさせてしまったようだ。

 だが、流石に俺も風呂場でいたす気は無い。

 ふむ、あの魔法の出番か。


「トラースパラ!」


 透明化の時空魔法だ。

 多分、この魔法を作った奴の使用目的とは全く逆だろうが。


「あらあら、その魔法、私も覚えたいですわ。」

「お姉様、私は使えます。今度かけますから、一緒に悪用しましょう。」

「アラタ! 隠れたつもりでもアイテムボックスでバレバレよ!」

「なるほど、そこっすね。解除の小太刀は・・・。」


 チッ、アイテムボックスの指輪でばれたか。

 ならば!


「消えろ!」


 今度はアイテムボックスにかけてみる。

 ふむ、成功したようだ。

 俺は堂々と湯船に浸かる。

 これでゆっくり寛げるはずだ。


「アラタ、あたし悲しいわ。」

「リムちゃん、言ってはダメです。」

「え? 何処っすか?」

「あらあら、そこですわね。」


 どうやら、湯気や水の屈折率でばれたようだ。

 なかなかうまくはいかないものだ。

 しかし、彼女達のやる気は削げたようで、魔法が切れても特に襲われることは無かったので、ある意味成功か?


「それで、お前達、明日の予定は決まったか? 皆で行きたいとこがあれば、付き合ってもいいぞ。」

「そうですわね。私は特にございませんわ。」

「同じくです。ですが、今行きたい所はアラタさんの膝の上です。」

「あたしも特に無いわ。そして、ここは譲らないわ。」

「ダンジョンっす! 工房でもいいっす!」


「そうか、俺も特に無いんだよなぁ~。」

「それなら、私はアラタさんの世界の話が聞きたいです。明日一日、良かったら、聞かせて下さい。」


 俺はリムをどかして、ミレアを膝に乗っけてやる。

 ミレアはご満悦のようだ。


「ふむ、ミレア、それはいいが、大した話はできんぞ。それに、お前達からすれば、それこそ理解出来ない異世界だ。」

「ちょっと、アラタ、酷いわ! でも、あたしも聞きたい。」

「そうですわね。私も聞きたいですわ。」

「アラタさんの世界の魔物はどんなんっすか?」


「ふむ、魔物は居ないが、それくらいならいくらでもしてやる。明日、コーラとポテチ持って、リビングに集合だ。」


「「「「コーラ? ポテチ?」」」」


 流石にこの世界には無かったようだ。



 風呂を上がって、俺は思い出したことがあり、地下室に向かう。

 二宮と近藤のアイテムボックスだ。

 あの場では、あいつらの国に届けるとか言ったが、勿論そんなことはできる訳も無く。

 少し罪悪感はあるが頂いてしまおう。


 ロックを解除する為に気力を込める。


「ん? 流石にあいつらの魔力は、それなりに高かったようだ。解除できんな。」


 気が付くと、カレンとリムが入って来た。

 明日は入れないから、今晩中に何かするつもりだろう。


「ふむ、丁度良かった。リム、魔力を高める魔法とかないか?」

「魔力だけというのはまだ試してないわ。【オールアップ】でいい?」

「うん、頼む。」

「オールアップ!」


 今度は解除できたようだ。

 首輪の20%アップ効果とリムの魔法で、俺の魔力は一時的にだが、軽く1000を超える。


「う~ん、どっちがどっちのだか分からないが、大したのは入ってないな。」

「魔核がないっすね。本当にダンジョン潜ってたんすか?」

「恐らくだが、ダンジョンで得た物は全て換金するか、国に管理されていたんだろう。」

「クレア姉様の話からもありえるわね。奴隷は安くないわ。最低でも金貨10枚はすると思うわよ。自転車操業の状態だったのかもね。」

「なるほど、高く売れるのは階層主くらいだしな。二宮に聞けば分かるだろうが、もうあいつには会いたくない。」

「同感っす。」


 入っていたのは、予備の武器と防具と思われる物と、金貨数十枚と銀貨。

 テレポートの石も1個だけ。

 近藤の持っていたのを合わせても2個だ。

 その他もミツルの護衛が持っていたのと大差無い。


 感想としては、50階まで行ったとは思えない所持品だ。

 それこそ、湯水のごとく仲間を犠牲にしていたのだろう。

 改めて気分が悪い!



 その後は、カレンとリムに合流して、鍛冶師仕事に精を出す。

 その結果、レッドウィッチの素材から、簡単ながらも武器を作ることに成功した。


レッドウィッチのナイフ:攻撃力+3 ?? ?? ??


「うん、思った通り、攻撃力自体はカスだな。しかし、特殊効果の付け方次第で大化けするのは間違いないな。」

「そうっすね。何付けるっすか?」


「割合アップ系統の効果は防具に付けて、混乱とかの特殊効果に絞ってみたらどう?」

「うん、リム、それが良さそうだ。だが悩むな。相手に耐性があっても、どれか最低でも一つは効くようなのにしたいな。」

「現在付けられるのは、睡眠、混乱、麻痺、暗闇、沈黙の5つっすね?」

「うん、そこから3つだ。」


 俺達は悩んだ挙句、睡眠、暗闇、沈黙にすることにした。

 理由は単純で、決まった時の効果が高い奴だ。


「よし! できたぞ! しかし、前回もそうだったが、この作業は疲れる。」

「おめでとうっす!」

「流石はアラタね。それで名前はどうする?」


「う~ん、そうだな。これは未知の魔物相手の時間稼ぎに有効だな。これからは想像できないようなのが出てきそうだしな。ならば俺が持つべきだろうから、俺がつけるか。」

「ん? あ! アラタの考えが分かったわ! その役目はあたしがする! あたしが持つ!」

「チッ! 勘のいい奴め! それは全てのステータスが最も高く、且つ耐性も高いチートな俺の仕事だ!」

「あ! そういうことっすか! ならそれは盾役のあたいっす! あたいがつけるっす!」

「ふっ、もう遅い! 命名! 【三重苦のナイフ】!」

「「あ~っ!!」」


「カレン、リム、気持ちは嬉しい。だが、これからの偵察はやはり俺が適任だ。今までは、お前達がそうさせてくれなかったが、これからは違う。全員が生き残る為にはこれがベストだ! 感情論での異議は受け付けない!」


 アホ勇者共とは全く逆の布陣。

 そう、良く考えればこれが最善なのだ。

 確かに、誰か一人でも生き残ればいいという設定ならば、弱者を犠牲にするのもありだろう。

 だが、全員が生き残る前提だと違って来る。

 強者が前に出るべきだ!


「そう、悔しいけど反論できないわね。でも・・、でも・・、絶対に無茶しないでね!」

「あたいもまだ未亡人にはなりたくないっす! ヤバくなったら、あたいが前に出るっす!」

「うん、ありがとう。でも、俺も死ぬ気はさらさらない。常に生きて帰ってお前達を抱く! そしてイオリの言っていた、真実って奴を見つけてやる!」


 その後は、【リフレクトシールド】をもう一個作り、カレンに持たせる。


 俺はそこで限界となり、二人に寄り添われながら寝室に転がり込んだ。



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