表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
57/99

51階層

     51階層



 51階層、俺は早速【シースルー】の魔法を使う。

 ん? 魔物のパターンが変わったな。

 今までは、端数が1か2の階層では1種類しか居なかったのだが、2種類居るようだ。

 危機感知レーダーでも、大きさの違う赤点が表示される。


「気をつけろ! 次の小部屋には2種類居る。一体は3mくらいありそうな骸骨の化物、もう一体は人型、20階層のレッドウィッチに似ているが、真っ黒で大きな角が1本だ。」

「「「「はい!」」」」


 うん、この魔法は使える。

 消費気力が50と激しいが、一度確認してしまえば、あまり使う事も無いし、今の俺の気力なら問題無い。

 俺は遠見の魔法、【ファーサイト】も併せて使い、この階層の全魔物を確認する。


 うん、この2種類だけだ。

 ん? これは便利だな。

 この階層の迷路のような地形が全て分かる。

 マッピングも併せると、下へ続く通路までの道順が一発で分かった。


「解除!」


 俺は【シースルー】をカットする。

 これをしておかないと、壁が透けて、歩く時、何が何やら分からなくなるのだ。


「多分、骸骨は今までのパターンから、力押しだろう。問題は人型悪魔の方だな。厄介なスキルとか使ってきそうだ。先ずは人型の攻撃パターンを見極めたいので、骸骨から先に倒そう。」

「そうね。用心の為に、強化しておく?」

「ああ、勿論だ、全員に攻撃力アップと防御力アップを頼む。クレアはカレンに【アイスガード】を頼む。」


「じゃあ、行くわよ。ブースト!」


 リムは慣れてきたようで、一度の魔法で複数人選択できるようになっているようだ。

 うん、流石はリムだ!


「カレン、行きますわ。アイスガード!」

「クレア、どうもっす!」


「次! プロテクト!」


 俺達の身体が淡い赤と黄色に明滅する。

 カレンには青白い光も加わっている。

 この光が消えると、効果も終了だ。

 時間は約30秒なので、それまでに決めたい。


 援護魔法の効果を知りたいので、俺はステータスを確認してみる。


攻撃力:551+20+193

防御力:547+45+193


 この+193という数字が魔法で上乗せされた値だろう。

 しかし、+193って、リムの魔力のせいだろうが、凄いな。



「行くぞ!」


 俺達は、カレンを先頭に次の小部屋になだれ込む!


「挑発! こっちっす!」

「ハイスタン!」


 初見の相手なので、用心して俺以外は魔法は使わない。

 もし反射の魔法とかを使われたらもろに喰らうからだ。

 俺の【ハイスタン】だけなら、跳ね返されても俺しか喰らわないし、数発くらいの攻撃なら俺も耐えられる自信がある。


 俺のハイスタンは骸骨の化物に決まったようで、大きな剣を振り上げたまま、硬直した。

 

「スリープ」


 ん? 人型の方が何か唱えた。


 いきなりカレンが倒れる!


 ヤバい!

 何か知らないが喰らいやがった!


 ここで骸骨のハイスタンが切れ、そのままカレンに襲い掛かって来る!


「リム! 人型任せた!」


 俺はそう叫んで骸骨に突進する!

 当然、クレアも既に向かっている。


「ボルケイノ!」


 俺の横を特大の火球が通り過ぎる!

 ミレア、ナイス!


 火球が骸骨の頭に当たる!

 だが、振り降ろされる剣の軌道は変わらずカレンだ!


「させませんわ!」


 クレアが槍を突き出して、剣とカレンの間に割り込ませる!

 間一髪!

 カレンは無事だった。


 しかし、無理な態勢で防いだせいか、クレアの槍が曲がってしまっている。

 凄まじいパワーだ。


「ならば!」


 俺は骸骨の足を払う!

 見事に決まって、骸骨はすっ転んだ!


「よし! 畳み込む! 人型は残しておけ!」

「「「はい!」」」


 俺はまだ燃えている骸骨の頭を思いっきり蹴った!


 ん? 頭、どっか行ったな。

 胴体だけになった骸骨は動かなくなった。


 人型の方がカレンに突進してきたが、横からリムに暗闇効果の杖でどつかれる!


 うん、暗闇効果も決まったようだ。

 右往左往してやがる。


「リム! クレア! 転がして、押さえつけておけ! ミレアは警戒!」

「「「はい!」」」


 俺はしゃがみ込んでカレンの容態を確認する。


「うん、息はある! 外傷も特にない。これは・・・、寝ているのか?」


 俺は引っ叩いて起こそうかと思ったが、せっかく覚えた魔法があることを思い出した。


「アブノーマルキャンセル!」


 カレンがきょろきょろしながら起き上がる。


「え? あたい? あ! 魔物は?!」

「落ち着けカレン! お前はスキルを喰らって眠らされただけだ!」


 人型の方を見ると、うつ伏せに倒され、クレアに踏まれてもがいている。


「スリープ」


 ん? また唱えやがった!


 今度は俺以外、全員倒れた!

 最初の魔法はカレンの【挑発】が効いて、カレンのみを狙ったに違いない。


 奴は暗闇状態なので、直接攻撃は無いはずだ。

 しかし、これは厄介だ!


 時間が惜しいので、カレンを軽く蹴飛ばす。

 思った通り、すぐに起きた。


「カレン! そのまま耐性がつくまで待機!」

「はいっす!」


「アブノーマルキャンセル!」


 今度はクレアに唱える。


「クレア! リムを頼む!」

「はい! アブノーマルキャンセル!」


 俺はミレアに駆け寄って少し強めに揺さぶる。

 うん、起きたようだ。


「全員、耐性がつくまでじっとしてろ!」

「「「「はい!」」」」


 俺は自分のステータスをチェックする。


【睡眠耐性弱】


 ま、いつものことだな。

 しっかりゲットしていた。


 クレアの槍を、スコットが作った沈黙効果のついた奴に持ち替えさせる。

 他の魔法を唱えるようなら、それで完全に封ずるつもりだ。


 後はいつも通りだ。

 

 最初に耐性を獲得したのは、予想通りリム。

 次にミレア、クレア、カレンの順だ。


 現在、人型の魔物はロープでぐるぐる巻きにされている。


 うん、俺達の耐性獲得の為に頑張って唱えてくれ。


 しかし、時間が経つと、全く唱えなくなった。

 ん? 気力切れか? 魔物でもあるのか?


「仕方無い。止めを刺してやろう。ん? その前に、こいつも試そう。」


 俺は奴の使ってきた魔法を真似てみる。

 寝るということは、精神に作用する魔法だ。

 つまり闇魔法だな。よし!


「スリープ!」


 奴の動きが止まった。

 近寄ってみると、息はしているようだ。

 これは成功だな。

 軽く小突くと、起きたのか、必死にもがく。


「じゃあ、クレア、頼む。」

「はい!」


 クレアの一突きで死ぬかと思ったが、数発かかっていた。

 意外と耐久力もあるようだ。


 魔核を取り出し、アイテムボックスに入れると、【???の魔核】と表示される。

 骸骨の方は【ラージスケルトンの魔核】と表示された。


 名前があるといことは、シスにも出ているのかもな。


「骸骨の方は、『ラージスケルトン』らしい。そして、この悪魔みたいのには命名タイムだ。次は誰がつける?」

「じゃあ、あたしがつけるわ。一本角なので、『ユニコーンデビル』でどう?」

「うん、いんじゃないか? だが、名前負けしてそうだぞ。」

「文句があるなら、アラタが自分でつけなさい!」


 アイテムボックス内の表示が変わる。


「その角も素材になりそうだな。それも回収しよう。しかし、クレアの槍はどうしよう。一旦戻って修理に出すのがいいかな?」

「アラタさん、それ、あたいにやらせて欲しいっす。なんかできそうな気がするっす!」


 ふむ、やるのなら、帰って地下室でやるべきか?

 しかし、ミニ工房でやるので、何処でやっても同じ気もする。

 一度戻るのも面倒だ。


「よし、じゃあ、今日は早いがここで休憩だ。俺とカレンは鍛冶スキルの勉強と実践。リムは魔法書、クレアとミレアは野営の準備を頼む。」

「「「「はい!」」」」






ブックマーク登録ありがとうございます!

評価や感想なんぞも頂けると励みになります。m(_ _"m)


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ