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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第二章
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アラタの決意

       アラタの決意



 朝起きると、なんと、俺のベッドの横にソファーが置いてあり、美女軍団が3人仲良く寝入っていた。

 ふむ、俺を夜中に口説こうとした結果、全員同じことを考えており、お互いを牽制したと見るべきか?

 

 しかし、この状況はやはり不味い。

 これではお互いが辛い。

 解決策は簡単だ。

 俺が彼女達と寝ればいい。

 俺だって、全員好きだ。愛している。押し倒したい!

 

 だが、このスコットの身体で彼女達を抱いていいものだろうか?

 彼女達は気にしないと言っていたが、スコットが許してくれるだろうか?

 俺は悶々としながら、ベッドに腰掛け、彼女達をじっと見つめる。



 皆で朝食を部屋で取りながら、今日の予定を話す。


「じゃあ、昨日も話したが、今日は家探しだ。それが終わったら、リムの誕生日プレゼントを皆で選ぶ。それでどうだろう?」

「それがいいですわ。好みとか教えて欲しいですわ。」

「やはりアクセサリーとかですかね~?」

「やっぱ、武器屋っす! それしかないっす!」


「お姉様方ありがとう。でも、あたしが欲しい物はもう決まっているの。」

「ふむ、決まっているなら、教えてくれ。皆でそれを買いに行こう。」


「いえ、物では無いの。あたしは今まで、勇者近衛の裏、そしてお姉様方の所有者、という立場で振舞っていたわ。だから、横柄な口も利いたし、『リムさん』って呼ばれても、仕方無いと思っていたわ。でも、アラタ、もういいわよね? だから、その、あたしのことを妹のように接して欲しいの。今のあたしが欲しいのはそれだけ・・・です。」


「ええ、お姉さんに異論はありませんわ。リムちゃん。」

「いつも私が妹で、その私に妹が出来るとは思わなかったですけど、嬉しいです。うん、リムちゃん、新鮮です。」

「あたいはもっと強くなるっす! そしてリムちゃんを守るっす!」


「お姉様方、ありがとうございます。ふつつかな妹ですが、宜しくお願いします。」


 ここで俺は気付いた!


 いつも毅然とした態度で居たリムを、俺は、貴族の娘だからくらいに思っていた。

 しかし、彼女は精一杯の去勢を張って居たのである。

 勇者としてのリム、同時に奴隷の主人としてのリム。

 それは俺が背負っていた物を、彼女が一緒に背負ってくれていたという事に他ならない。


 俺はリムを抱きしめたくなる衝動を必死に堪える。


「リム、俺が取り憑いたせいで、本当に苦労をかけたな。済まない。俺は馬鹿だった。今まで、お前の気持ちを察してやることが出来なかった。」


 クレア、ミレア、カレンがきょとんとして俺を見る。

 俺はソファーから立ち上がって、全員を見回す。


「俺がスコットの身体に乗り移るのに成功した結果、リムは勇者という責務からは解放された。しかし、リムは依然として奴隷の主人のままだったんだよ!」


 リムが泣きそうな顔で俺を見る。


「昨夜のリムの申し出、あれは奴隷の主人という立場からも解放してくれ、という意味だ! しかし、俺はそれを無下にしてしまった! リムはそれでも健気に俺の我儘を聞いてくれたんだ!」


リムが俺に抱きついて来た!


「アラタ! あたし・・・あたし・・・頑張ったわ!」 


 彼女は泣いていた。

 俺ももう我慢できない!

 思いっきりリムを抱きしめ返す!


「俺はやはり甘えていた。勇者として召喚され、チートな能力を得た俺なのに、背負うべきものから逃げていた。だが、お前達に気付かされた! 俺は俺を信じてくれるお前達を全力で背負う! これは当然の、俺の義務だったんだ!」


 俺はリムの頬を拭ってやる。


「リム! 昨日の言葉に嘘は無いな?」

「ええ! ええ! アラタ! あなたの為に尽くしたい!」


「分かった、じゃあ、後で奴隷商に行こう。そこでお前を俺の奴隷にする。構わないな?」

「はい! あたしをあなたの奴隷にして下さい!」

「じゃあ、俺は誓う! クレア! ミレア! カレン! リム! 俺はお前達の主人であることに誇りを持つ! そして、お前達を必ず幸せにする!」


 全員が俺に抱きついて来る!

 俺は両手を広げて4人纏めて抱きしめる!



 俺達は朝一で奴隷商の下を訪れる。

 怪訝な顔をする主人だったが、気にせずリムの手続きを済ませる。

 

「ところで、ご主人、俺が死んだ後、この奴隷達はどうなる?」


 俺は、彼女達が路頭に迷うものと思っていたが、ひょっとしたら抜け道があるかもしれない。


「あ~、そいつはね、あんちゃん、何もしなけりゃ、奴隷は最初に見つけた奴のもんだ。」

「ふむ、それは聞いた通りだな。だが、何もしなけりゃってのは?」

「あ~、遺言というか、但しを付ければいい。例えば、持ち主の死後、解放するとかだ。当然、うちで手続きしてやるよ。」

「なんだ、あるんじゃないか。」


 俺は皆を見渡したが、皆知らなかったようで、微妙な顔をしている。

 このシステムを知っていれば、リムを泣かせずに済んでいたのだ。

 もっとも、彼女を奴隷にしたくないという、俺の甘えが悪かったのだが。


「じゃあ、頼む。ここにいる全員、俺の死後、奴隷から解放されると、但しをつけてくれ。」

「手数料はかかるが、いいか?」

「勿論だ。」


 俺は言われた金額を支払う。

 奴隷商は、奴隷の登録台帳のようなものを出し、彼女達のステータスを控えていく。

 カレンの番で手が止まった。


「あ~、あんちゃん、ちょっと待ってくれ。この亜人の女は無理だ。犯罪人の奴隷だからな。この女の場合、刑期は3年だな。その間は譲渡はできるが、解放は出来ない。」

「ふむ。じゃあ、但しに、俺の死後、リムリア・ゼーラ・モーテルに所有権が移ると頼む。カレンもそれでいいな?」

「あいよ。」

「リムちゃんならあたいも大歓迎っす。」


「リム、済まないが、これくらいは我慢してくれ。」

「分かりました、アラタさん。でも、死なないで下さいね。」


「ん? 何だその言葉遣いは?」

「主人に対する当然の言葉遣いです。」

「う~ん、調子が狂うからやめてくれ。今まで通りで頼むよ。お前を特別扱いはしないが、やはり一番長い仲だしな。」

「仕方ないわね、アラタ。これでいい?」

「ああ、問題無い。お前達も俺のことは呼び捨てでいいぞ。」


「いちゃついてるとこ済まないが、終わったよ。時間があるなら、うちの奴隷も見てくれよ。」

「いや、今日は予定がある。また次の時にでも。」


 少し気まずくなって、俺達はそそくさと奴隷商を後にする。


 俺への呼び方は、3人共、もうこれで慣れたから、今までのがいいと断られた。



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