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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第一章
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そして修羅場へ

色々な意味で、イブってことで。

       そして修羅場へ



 少し早い休憩にしたのには、訳がある。

 一つ目はクレアとカレンの士気が回復していないことだ。


 二人とも、俺を襲ったことを後悔しているようだ。

 普段ならこういう厄介なのを倒すと、全員、目に見えてテンションが上がるものなのだが。

 しかし、クレアとカレンは、ダメージは喰らっていないはずなのに、顔を上げようとしない。


 このままではまずいな。

 気分転換が必要だろう。

 ちなみに、ミレアは割と上機嫌そうだ。

 俺を除いた中で、唯一混乱にかからなかったからだろう。


「皆、野営の準備だ。スコットは今日の武器屋で得た知識を試してくれ。」

「「「「はい。」」」ですにゃ!」


 スコットも混乱させられ、若干元気が無さそうだったが、彼の趣味?のおかげで、いい感じに戻ったようだ。

 軽い足取りでミニ工房を広げていく。

 

 これで、二つ目の理由はOKだ。

 俺はスコットに、武器屋の情報を元に、今日は武器や防具を作成させてやりたかった。


 クレアは料理が好きだから、料理をさせると戻るかな?


「クレア、今日は帝都で買い込んだので、美味いのを頼む。」

「はい・・・。」


 返事には全く覇気が無かった。

 やはりまだダメなようだ。

 カレンの趣味とかは、俺はまだ知らないので、カレンも含めてどうしたものか。


 え~い! なるようになれ!


 俺はミレアが用意してくれた、3人掛けのソファーの真ん中に座る。


「クレア、カレン、ちょっとこっちに来て座れ!」


 二人は俺の両脇に腰掛けた。


「二人とも、俺を襲ったことを気にしているんだな?」

「はい・・・。あってはならないことですわ。」

「敵のスキルとはいえ、警告までされていたのにっす・・・。」


「俺はそんなこと気にしてないぞ。あんなもん、どうしようもない。ミレアが喰らわなかったのは、運が良かっただけだ。スコットもしっかり喰らっている。」

「「・・・・。」」


 これくらいじゃやはり無理か。


 俺は両手を広げて、二人の肩を思いっきり抱き寄せた。


「「!」」


 彼女達は一瞬硬直したが、すぐに力を抜いて、俺の小さな胸に顔を埋める。


「俺は前世では大した人間じゃあない。この世界に呼び出されて、チートな能力を貰っただけだ。年もお前達と変わらない。そんな俺の側にお前達が居てくれるだけで、俺はこの世界に来た甲斐があったと思っている。だから、俺はお前達が元気で居てくれるだけでいい。それ以上は望まない。とにかく今日は、皆無事で良かった。」


 俺は更に腕に力を込める。


 いかん!

 自分でも、何を言っているか分からなくなっている!

 これじゃ完全に口説き文句だ!


 まあ、俺が彼女達に好意を持っているのは否定しない。

 だが俺は、この身体じゃ無理だと諦めていたはずだ。


「そ、そんなのずるいですわ! 私の気持ちも知っているくせに! アラタさんからだなんて!」


 ん?

 これは少し予想外だな。

 俺は変態姉妹が興味を持っているのは、このリムの身体だけだと思っているのだが?


 カレンも尻尾を俺の腰に巻き付けてきた。


 周りを見ると、スコットはこっちを見ないように作業を続けてくれていたが、ミレアはこっちをガン見している。

 

 ん? ん? 

 いきなりクレアが俺の顔を両手で引き寄せ、俺の唇を奪う!

 

 もういいや。

 俺からコクったようなもんだから、仕方無いか。

 本当にこの身体なのが恨めしいが、俺も嫌ではないので、目を閉じて身を任せる。


 クレアの舌が侵入してきた。


「お姉様! ずるい! 私だって!」


 いきなりのミレアの声。

 目を開けると、目の前にはミレアが居た!


 彼女は強引に俺の顔をクレアから奪い取り、口づけしようとする。


 そこで俺は正気に戻った。


「ま、待て! 嫌じゃないが、そんなつもりでも無い!」


 このままじゃ不味い!

 スコットも居る!


 まあ、手遅れだがな。


 俺は照れ隠しに、俺の腰に巻き付いていたカレンの尻尾をモフる。

 初めてさわったが、素晴らしい感触!

 癖になりそうだ。


「きゃん!」


 カレンが、彼女に似合わない悲鳴を上げた。

 俺は慌てて手を離す。


 ふむ、尻尾が弱点か。テンプレだな。


「そ、そんなことされたら、あたいも我慢できないっす!」


 今度はカレンが俺の顔を奪い取る!


「いや、だから、そんなつもりじゃないって!」


 もはや完全に修羅場だ。

 スコットはこちらに背を向けて作業を続けている。

 あれはしっかり意識してやがるな。

 

 スコット、すまん!


 

「ま、まあ、なんだ、お前達のことは好きだが、そ、その、性的なものはこの身体じゃ不可能だ。お、お互い我慢しよう!」


 俺はしどろもどろになりながらも、力ずくで彼女達を排除する。


「気は済んだ?!」


 頭の中に直接声が響く!

 同時に凄まじい眠気が俺を襲う。


 ふむ、いいタイミングかもしれん。

 ここで逃げる(寝る)のは卑怯かもしれないが、リムなら収めてくれそうな気もする。


「すまん! リム!」

「はいはい、いいから寝なさい!」



 夢の中でリムが叫んでいる。


「お姉様達! いい加減にしなさい! スコットさんも居るのよ!」

「え? え? リムさん・・・っすか?」

「こうなれば、リムさんでもいいですわ!」

「飛んで火にいる美少女。頂きます!」


 リム、がんばれ~。


 俺は夢の中で応援するが、伝わっているかは分からん。

 

 俺もなんか面倒になったので、彼女に任せて意識を断つ。

 襲い来る美女軍団を、彼女が縛り上げていく様子が最後だ。


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