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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第一章
33/99

ポジション

      ポジション



 帝都の路地裏に戻ると、外はもう真っ暗だった。

 テレフォンでクレアに帰って来たことを伝え、服屋で合流するように指示する。


「それで、これからどうなさいますか?」

「そうだな、ヤットン、まずはカレンの服を何とかしたいので、服屋に行こう。」


 俺はそう言いながら、カレンの首輪を奴隷商から貰った鍵で外してやった。


「ありがとうっす。ところで、服屋って、あたいは無一文なんすけど?」

「金の心配はするな。カレンは俺の所有物ってことだから。それに、この国の皇帝は珍しい魔核が大好きでな。臨時収入があった。」

「なら、甘えさせて頂くっす。」


 合流して、カレンをクレアとミレアに紹介する。

 一度顔合わせしていたこともあり、二人共すぐに打ち解けたようだ。


 服屋はもう店仕舞いの準備をしていたが、俺達が商品を選び出すと、最初は迷惑そうだった主人も、ご機嫌で服を勧めだした。

 

「あら、この下着、いい感じの透け具合ですわ。カレンさんもどうですの?」

「お姉様、それよりこっちのほうが、セクシーですよ?」

「あたいは何でもいいっすよ。」


 俺も替えの下着や服を買っておきたいところだが、流石にこれは俺が選ぶとリムに叱られそうなので、変態姉妹に任せる。

 結果としては、派手すぎると、やはりリムに叱られた訳だが。


 スコットは当然輪に入れず、男性用のコーナーでぼっちだ。

 

 ちなみにスコットは奴隷ではないので、金貨30枚を報酬として与えている。

 『そんなに貰えにゃいですにゃ。』と固辞したが、俺としてこれでも少ないと思っていたので、強引に押し付けた。


 確かに金銭感覚がずれてきているとの自覚はある。

 今日の取引では、魔核が金貨250枚で売れ、カレンが金貨70枚と、もはや一般人の域ではない。


 買い物を済ませ、ご機嫌の女性陣とスコットを従えて、店を出る。

 入り口ではヤットンが待っていた。

 仕事熱心というか、真面目な奴だ。


「城でお休みになりますか? この暗さですと、今からダンジョンに戻るのには少々危険かと。」

「そうだな。カサードにああ言った手前、城で休むのもちょっとな。どこか宿屋はあるか?」

「それでしたら、ご案内致します。」


 ヤットンが言うには、帝都で最も格式のあるホテル?だそうだ。

 財布には余裕があるし、構わないだろう。カレンが仲間になったお祝ということで。


 ホテル?でヤットンと別れ、部屋を取る。

 確かに格式あるホテルらしく、妙齢のご婦人が丁寧に応対してくれる。


「3人部屋が一つと、一人部屋を2つ取りたいのだが。」

「あいにく、3人部屋は塞がっております。」


 後ろを見ると、変態姉妹から無言の圧力を感じる。


「じゃあ、二人部屋を2つと、一人部屋を一つで。」


 一人部屋は当然、唯一の男性であるスコットの為のものだ。

 俺はどうせ寝る時はリムと交代するから問題は無い。


「申し訳ありません。この時間なもので、ご用意できるのが、6人までご利用できるロイヤルスイートと、後は一人部屋のみなんです。」


 俺は迷った。


 全員別々でも構わないのだが、できれば全員で集まれる広めの部屋が欲しい。

 女性陣だけでスイートに泊まると、スコットを除け者にしたようで何か後ろめたい。

 とは言え、スコットはやはり男性だ。


 普段は一緒に寝ているが、こんな時くらいは尊重してやりたい。

 スコットからすると、俺達は彼の真正ロリというストライクゾーンから大きく外れているらしいので、問題が無かっただけだ。


 再び後ろを振り返る。


「ぼ、僕のことは気にしないでいいですにゃ。」

「そうか、悪いな。じゃあ、そのスイートと一人部屋を頼む。」

「かしこまりました。お食事がまだでしたら、そちらのレストランをご利用下さいませ。」


 代金はおおよそ金貨3枚。俺の懐からすれば全く問題無かったが、カレンはかなりびびっていた。


 レストランで食事を済ませ、スイートに一旦集合する。

 料理は流石に美味かった。

 魔物の肉ではなく、魚料理が出され、これがまた絶品だ。

 クレアが、『素材さえあれば私だってできますわ!』と張り合っていたが、確かに彼女の料理は日増しに美味くなっていたので、否定できない。今後に期待しよう。



 皆でソファーに腰掛け、作戦タイムだ。


「まずはカレン、もう済ませているだろうが、改めて自己紹介してくれ。」

「はいっす。あたいはカレン・ロール、21歳っす。先輩方、宜しくっす。カレンと呼んで下さい。ダンジョンに潜るのが前提の奴隷ってことで、今までのポジションは前衛。盾で敵の攻撃を引き受ける役目が主だったっす。」


「あら、私もミレアもアラタさんの奴隷ですわ。奴隷同志、仲良くしてくださいね。私はクレア。私も前衛ですので、一緒ですわね。」

「私はミレアです。魔法が得意で、後衛です。宜しくお願いします。」

「僕はスコット・オルガンですにゃ。弓が得意にゃので、後方支援がメインですにゃ。」


「最後に、俺は近衛新コノエ・アラタ、ファーストネームはアラタだ。召喚された勇者って奴らしい。今の所は接近戦が性に合っているようだ。あと、もう一人居るが、それは後で分かるので今はいいだろう。」


 そこで俺は一拍置いた。


「これは最重要事項なのではっきりと言っておく! 俺は男だ!」


 これには、今まで飄々とした雰囲気のカレンだったが、戸惑いを隠せないようだ。


「え? 男って? 言葉はそうですが、どう見ても美少女っすよ? それなりなお胸もあるっすよ?」


 カレンが俺の胸元を見る。次にミレアを見た。


「わ、私のことはいいです! なんでも、アラタさんは召喚される前は男性だったそうです。」

「そう。何の手違いか知らないが、リムという少女の身体に召喚されてしまった。なので、現在の俺の最優先目的は、男の身体に魂を移転するなんだ。ダンジョンに潜るのもその一環に過ぎないと言える。」


「え? え? え? さっぱり分からないっすけど、その身体に男の魂が宿ってしまったということっすか?」

「まあ、そういうことだ。暫くすれば理解できると思うので、今はこれくらいで。」


 カレンはまだ納得いかない顔をしているが、皆がそうだったように、すぐに慣れるだろう。


 多分。


「じゃあ、自己紹介も済んだし、これからは皆仲間だ。宜しく頼む。」

「「「「はい!」」」ですにゃ。」


「では、カレン、ステータスを確認させてくれ。後、これが無いと不便だろうから渡しておく。登録しておいてくれ。」


 俺は40階層の遺品のアイテムボックスの指輪をカレンに渡した。


「こんな高価なものを・・・。あ、ありがとうございます。」


 カレンは指輪を嵌めながら、皆の真ん中に手を差し出した。



【ステータス表示】


氏名:カレン・ロール 年齢:21歳 性別:女

職業:奴隷〈アラタ・コノエ&リムリア・ゼーラ・モーテル〉

レベル:40

体力:154/154

気力:100/100

攻撃力:155

素早さ:152

命中: 153

防御:160

知力:80

魔力:80

魔法防御:90

スキル:言語理解3 危機感知3 マッピング

    剣術4 格闘術3 ガード4

    毒耐性小 暗闇耐性小

    アイテムボックス320


「ふむ、カレンは完全な戦闘タイプだな。魔法は苦手か?」

「それはあたいら犬人属の特性で、戦闘に関わる能力の伸びはいいんすけど、魔法関連は逆に伸びにくいっす。魔法は多分使えない訳じゃないと思うんすけど、無理に覚えようとしなかっただけっすね。」


「なるほど。それでこの【ガード4】というのは、何か技とか使えるのか?」

「敵を引き付ける【挑発】って技が独特っすかね? 後は大抵の盾を装備できて、盾で攻撃を弾くと、いくらか相手にダメージを与えることができるっす。」

「分かった。カレンは前衛で盾役決定だな。俺達が正に欲しかったポジションだ。ヤットンもそれが分っていたから、お前を勧めたと見ていいな。」

「えへへ。照れるっす。」


「ついでに、皆のも確認しておくか。」


【ステータス表示】


氏名:クレア 年齢:20歳  性別:女

職業:奴隷〈リムリア・ゼーラ・モーテル〉

レベル:54

体力:227/227

気力:197/197

攻撃力:240

素早さ:235

命中: 226

防御:214

知力:182

魔力:222

魔法防御:217

スキル:言語理解3 危機感知3 家事5 社交術2 特殊性癖2 マッピング

    棍棒4 槍術4 格闘術1

    水魔法3 回復魔法4

    毒無効 麻痺耐性中 暗闇耐性中 沈黙耐性中

    アイテムボックス1199



氏名:ミレア 年齢:19歳 性別:女

職業:奴隷〈リムリア・ゼーラ・モーテル〉

レベル:52

体力:197/197

気力:225/225

攻撃力:197

素早さ:225

命中: 199

防御:198

知力:221

魔力:222

魔法防御:211

スキル:言語理解4 危機感知3 家事3 社交術2 特殊性癖2 マッピング

    ガード1 剣術2

    火魔法4 風魔法3

    毒無効 麻痺耐性中 暗闇耐性中 沈黙耐性中

    アイテムボックス1154



氏名:スコット・オルガン 年齢:18歳 性別:男

職業:冒険者 鍛冶師

レベル:47

体力:173/173

気力:140/140

攻撃力:154

素早さ:165

命中: 187

防御:157

知力:161

魔力:177

魔法防御:168

スキル:言語理解3 危機感知3 マッピング

    弓術4

    風魔法3

    武器作成3 防具作成2 道具鑑定3 鉱石鑑定3 魔核合成3

    毒無効 麻痺耐性中 暗闇耐性中 沈黙耐性中

    アイテムボックス730



「皆、凄いな。短期間でかなりの成長だ。スコットも少しだが、レベルがクレアとミレアに追い付いてきたな。」


 しかし、俺はあることに気付いた。

 今まで薄々感づいてはいたが、誤差の範囲かもしれないと、あえて目を瞑っていた。

 だが、ここまで来るとはっきりする。


 そう、スコットのステータスの伸びが、姉妹に比べて悪いのだ。

 原因には思い当たる節がある。

 確か、『貴族と奴隷に関する恩恵』とかいう未確認情報だ。

 これからのカレンの成長ぶりを見れば恐らくはっきりするだろう。


 そして、もし俺の考えが正しければ、スコットは早めに奴隷になって貰ったほうがいいはずだ。

 姉妹は自ら進んで奴隷になりたいと言って来たので、問題ない。

 俺がこの事を説明して、スコットに提案すれば、彼のことだ。喜んで奴隷になるだろう。

 しかし、スコットにそれを言うのは流石に憚られる。


 俺は迷ったが、結局何も言えなかった。

 自分でも問題を先延ばしにしていることは分かっていたが、せめてカレンの結果を見てからと甘えていたのだろう。



「皆さん、レベルもステも高いっすね! この中じゃあたいが最弱っす。あたいのほうがダンジョン経験長いと思ってたのにっす。」

「恐らくだが、勇者パーティーの特典だろうと思う。それに、俺達は40階層まで行った。低層に比べて、かなりの経験値の違いがあるはずだ。カレンもこれから皆に追いつくはずだよ。ちなみに、俺のは・・・うん、多分見ないほうがいい。」


 そこで俺は強烈な睡魔に襲われた。

 ふむ、交代の時間か。今日は少し遅いな。

 多分、リムが気を利かせて起きないでくれていたのだろう。


「悪い、交代だ。後はたの・・む。」





まあ、見せないほうがいいかもしれないですね。


氏名:アラタ・コノエ 年齢:22歳 性別:男

職業:冒険者 勇者 貴族

レベル:40

体力:645/645

気力:675/675

攻撃力:660

素早さ:680

命中: 680

防御:645

知力:720

魔力:680

魔法防御:660

スキル:言語理解5 交渉術3 危機感知5 人物鑑定2 特殊性癖1 家事2 社交術2  マッピング

    格闘術5剣術2

    回復魔法4 火魔法4 闇魔法5 風魔法2 次元魔法2 水魔法0 土魔法0 光魔法0

    毒無効 麻痺耐性中 暗闇無効 沈黙耐性中

アイテムボックス2720


おまけ 女性陣のバスト一覧


リム 83 B

クレア 90 D

ミレア 78 A

カレン 95 E


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