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22歳♂ 何故か女の体に転生しました。  作者: BrokenWing
第一章
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ツインサイクロプス再び

      ツインサイクロプス再び



 ワープの小部屋で登録を済ませて外に出ると、もう暗くなっていた。

 今回はヤットンが待っていた。

 

「近衛様と、従者の皆様、お帰りなさいませ。」


 ふむ、『従者の皆様』に格上げされている。以前は『従者の皆さん』だったので、俺の仲間もヤットンに認められたということだろう。


「ところで、あれは?」


 俺が指さした先には少し大きめの野営テントが張ってあった。


「陛下よりの差し入れにございます。」


 一瞬使うか躊躇ったが、カサード(皇帝)の厚意なら仕方無い。ありがたく使わせて貰おう。もっとも、何処で監視されているか分かった物じゃないのだが。


「そうか、カサードに宜しく言っておいてくれ。」


 中に入ると、以前俺達が城で使っていた部屋の装備品がそっくり移してあった。

 水道こそないが、バスタブまであったのは驚きだ。

 水は魔法でどうにでもなることを知ってのことだろう


 久しぶりに風呂に入れるなと思っていると、急激に眠気が襲ってきた。


「はい、交代よ! 寝てなさい!」

「リム、裸くらい今更って感じだが?」


 しかし、よく考えてみると、俺が朝目覚めたら、必ず既に着替えてある。

 また、夜に彼女が自分で体を拭いていたようで、汚れも落ちていた。


「分かっていても嫌なものは嫌なのよ!」

「はいはい、おやすみ、リム。おっと、監視付きかもしれないので、言葉遣いを頼むよ。」

「分かってるわ。スコットさんにも武器作成とかは自重して貰うわ。じゃあ、おやすみなさい。アラタ。」



 翌朝、ヤットンに30階層の主のことを教えてから、そそくさとダンジョンに向かう。

 30階のワープの小部屋で、


「う~ん、風呂とか嬉しいのだが、やはり監視されているかもと考えると、落ち着けないな。」

「そうですわね。スキンシップも取りづらいですわ。」

「アイテムボックスに、バスタブを入れておくという手もありますが。」

「いや、そこまでは流石に・・・。スコットが可哀想だし。」


 昨晩の夢の中で、リムたちがスコットを追い出してから、風呂に入っていたのを思い出した。おかげで変態姉妹に襲われそうになっていた訳だが。



 その3日後、俺達は40階層の主部屋の前に居た。


 それまで敵では特に厄介なものは無く、スケルトンLv10とファイアウルフ。

 スケルトンは以前のLv5よりは格段に攻撃力が上がっていたが、油断しなければ全て躱せる。

 ファイアウルフも名前通り火を吐いて来るが、これはスコットが、以前倒したダークウルフの毛皮で作ってくれたコート(火耐性中)によって、ダメージを食うことも無い。


「お引きはいつも通り2体、多分ファイアウルフだな。」

「ファイアウルフには氷系統が効きますから、私が最初に【フリーズダスト】を唱えますね」


 ミレアは30階で喰らった主の魔法、【フリーズダスト】を物にしていた。


「それでは私とスコット君が、ファイアウルフにとどめを刺すということで、よろしいですわね。」

「はいですにゃ。」

 

 最近になると、全員慣れてきたというか、俺の指示が無くても自分で考え、判断してくれる。

 頼もしい限りなのだが、これはこれで少し寂しい。


「じゃあ、行くぞ!」


 俺は扉を開いた。


「こ、これは・・・。」


 階層主は、一つ目の双頭、あのツインサイクロプスだった!

 以前会った奴は赤褐色だったが、今回のは紫色。階層主ということを考えれば、多分攻撃力も前回の奴とは桁違いなはずだ。


 それだけならば、俺も大して驚かなかったのだが、奴らの周りには、鎧を纏った白骨死体が散乱していたのだ。

 こいつらに敗れた者のなれの果てだろう。


「奴の弱点は目だ! お引きを片づけたら目を狙え!」

「「「はい!」」ですにゃ!」


「ハイスタン!」

「フリーズダスト!」

「4連射!」


 いつも通りの戦法だ。スコットの連射数が増えている。

 主の動きが止まり、まだ固まっている敵全体に氷の礫が襲う!


「縮地!」


 俺は一気に主との間合いを詰めるが、奴の弱点である目は俺の遥か上方、地上3mくらいのところだ。

 ジャンプすれば十分に届く高さだが、着地の瞬間をあの巨大な棍棒で狙われる可能性が高い。


 俺は奴の足に手を回した!


「ふん!」


 膝関節に手をかけ、回り込む!

 後ろから力を込め、膝を折らせると、奴の巨体が一気に傾いた!

 しかし、まだ倒れない!

 片足で踏ん張ってやがる!


 俺は腰を落として、踏ん張っている足に足払いをかける!


 支えを完全に無くした巨体がうつ伏せに倒れ始めた。


 ここで奴の硬直が切れたようだ。

 バランスが完全に崩れているにも関わらず、右手の棍棒を俺に振り下ろし、左手を地面につこうとする。


 このまま棍棒を躱すのは容易いが、それだと、こいつはうつ伏せ状態。

 つまり弱点である目が地面に接する形となり、そこに攻撃を入れにくい。

 背後から攻撃を入れたほうがリスクは低いが、奴の強靭な肉体に効くだろうか?


 仰向けに転がしたいな。


 俺は咄嗟に判断し、棍棒を躱しながら、奴の左肩を蹴り上げた!


 すると、右手を振り回していた勢いも加わって、奴は回転する!

 そして、右肩から着地し、そのまま仰向けに転がった!


 ここで周りを見回すと、既にファイアウルフは仕留められており、クレアが突進してきている!


「隙だらけですわ!」


 クレアが宙を睨む目に槍を突き立てる!


「イビルファイア!」


 クレアが狙ったのとは逆の右目に、ミレアの盲目付加効果のある魔法が飛ぶ!


 奴は必死に手を振り回して、攻撃を払おうとするが、もう手遅れだ。

 後ろから矢が飛んできて、クレアの突き刺した槍の周りに、綺麗に4本刺さる!

 クレアも更に何度も槍を突き入れる!


 俺はもう片方の目に手を添えて唱えた。


「ファイアショット!」


 こいつはかなり効いた感じがあった。

 それでも、奴は立ち上がろうとして来る!

 既にクレアの攻撃している左目は完全に死に体で、固く閉じられている。

 しかし、クレアは構わず奴の手を躱しながら執拗に追撃を入れている!

 もはや、奴の左の頭は血まみれだ。


「流石の耐久力だな!」


 俺は全力の貫手を奴の右目に突き入れた!


 眼球の潰れる嫌な感触が伝わり、肘までめり込む!


 

 ワープの小部屋に通ずる扉が開かれた。




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