夜のリム
今回も短めです。m(_ _"m)
夜のリム
その晩は食事を済ませた後、急激に眠気が襲って来た。
リムが目覚めたのだろう。
今日は特に相談することもなく、あっさりチェンジだ。
今日は交代してからすぐに夢を見出した。
普段も見ているはずなのだが、あまり覚えていない。リムは割としっかり覚えているようなので、少し悔しい。
「クレア姉さん、ミレア姉さん、スコットさん、おはよう。」
「「「リムさん、おはようございます。」」にゃ。」
「クレア姉さん、ミレア姉さん、起きて早速で悪いんだけど、少し狩に付き合ってくれる?」
「勿論いいですわ。」
「はい、ご一緒させて頂きます。スコット君は行かなくていいのですか?」
「スコットさんは新しいおもちゃにご執心のようだし。」
視線が変わった先には、スコットがアイテムボックスから装備作成の為の簡易炉を引っ張り出していた。
「ぼ、僕のことはいいのですにゃ! 僕も是非連れていって欲しいですにゃ!」
「いえ、スコットさんはこれから私達の武器や防具を作ってくれようとしているのだから、邪魔しちゃ悪いわ。と言うか、折角買ったのだから、頑張って欲しいのよ。」
「そ、そうですかにゃ。にゃら頑張りますにゃ。」
スコットは満更でもなさそうだ。
「じゃあ、お姉様方、行きましょうか。この前覚えた、新しい光魔法を試してみたいの。」
「それはいいですわ! 私は敵を引き付けておけばいいのですわね?」
「うん、クレア姉さんには申し訳ないのだけど。ミレア姉さんも、危なくなった時以外は私に任せて頂戴ね。」
「「はい。」」
そう言えば、リムが戦っている記憶はあまり無い。俺が一度倒した敵と同じ種類だから残らないのかもしれないな。
「アラタさんみたいに肉弾戦も可能なのだけど、スライムってあまり効かないから丁度いいわ。」
「そうですね。私のファイアショットなら一撃でした。魔法には弱そうです。」
マッピングと危機感知でレーダーよろしく、接敵する。
ふむ、スライム3匹か、手頃だな。
「リムさんの邪魔はさせませんわ!」
クレアが昨日買った盾をかざしながら特攻する。
聖銀製で、確か防御力が30も増える一品だ。
帝都では聖銀が最高素材らしい。それ以上の物は、上位の魔物の素材を使わないと作れないと聞いる。
ミレアも大楯を構え、リムの射線を確保させつつ、斜め前に踊り出た。
ミレアの盾はミツルの護衛が持っていた奴だ。鉄製だが、今のミレアにはこの重さが適度のようで、ヤットンも良く分っていたのか新に購入はしなかった。
また、ラインの杖という、魔力が20%も増大するスタッフを購入していたのだが、今回は防御に専念するつもりのようだ。
スライムの攻撃は体当たりか毒を飛ばすかだけなので、今の俺達には全く脅威ではないのだが、この姉妹の行動には感謝すべきだろう。
「ありがとう。喰らいなさい! サンダーラッシュ!」
指先から3本の稲妻が走った!
その稲妻一本一本が別々の個体に直進する!
「リ、リムさん、凄いですわ!」
「オーバーキルかもです。魔核まで破壊していませんよね?」
一瞬でスライムが魔核だけを残して溶けてしまった。
凄い威力なのはいいのだが、光魔法なのに、稲妻って。
この世界の魔法の分類には少し疑問が残る。
「うん、覚えた甲斐があったわね。これなら私でも戦えそう。」
いやいや、基本スペックは俺と全く同じだから。
むしろ、こんな攻撃魔法が使えるリムのほうが俺より使える?
その後も数グループと戦い、問題なく殲滅させていった。
この階層だとスライムに混じってペインスコーピオンという、サソリの化物のような奴も出現する。
鋏による直接攻撃と、尻尾の毒攻撃が特徴だ。
しかし、水系統が弱点らしく、これにはクレアも参加し、アクアダーツの餌食となっていた。
1時間程で帰ると、スコットが何やらどや顔だ。
「お帰りなさいですにゃ! これ見て欲しいですにゃ!」
スコットは一本の杖を持っていた。
「スケルトンの骨をベースに、ジャイアントトードの魔核を付与してみたにゃ。」
「これはミレアさんに?」
「只の試作品ですにゃ。ミレア姐さんが持っている杖には比べ物にならないですにゃ。」
「取り敢えず見せて頂戴。」
リムは受け取った杖をアイテムボックスに入れると、武器の表示を見る。
スケルトンの杖改:攻撃+5 特殊効果【暗闇】
「攻撃力は大したことないけど、この特殊効果というのが凄いわね。」
「そうなのですか? 私にも見せてください。」
リムは杖を取り出し、ミレアに渡した。ミレアもアイテムボックスに放り込んで鑑定する。
「確かに今使っている【ラインの杖】のほうが、私のような魔法メインの者にはありがたいですが、この特殊効果はいいですね。」
「どんな物でも、スコットちゃんが初めて作った武器ですわ! これはお赤飯炊かなくちゃいけないですわ!」
この世界でもお祝いには赤飯なんかい!
ってか、クレア、食材持っているのか?
俺は夢の中で突っ込むが当然誰にも伝わらない。
「そうね。スコットさん、初めてでこれだけ作れるのだから、才能あるのじゃないかしら?」
「照れますにゃ。それで、その杖はどうしますにゃ? ミレア姐さんが使わないにゃら、街で売りますにゃ。」
ミレアは杖を取り出して、悩んでいるようだ。
「それ、あたしが貰っていい? 魔法攻撃の足しにはならないけど、それで殴ると相手を盲目状態にできるのでしょ? あたしはアラタさんみたいに殴る蹴るよりは、そっちの効果に期待したいの。」
昨日買った聖銀のガントレットだって、攻撃が20上がって、且つ防御も+15というかなりの性能なんだが。
まあ、女の子だしな。
拳でどつき回すよりは、魔法使いっぽいのがいいのだろう。
杖に変わっただけで、ぶん殴ることには変わりはないのだがな。
「貰ってくれるにゃら、喜んで差し上げますにゃ。試作品だけど作った甲斐があったですにゃ。」
「ありがとう。これからも頑張ってね。」
スコットの存在のおかげで、変態姉妹の襲撃もなく、その後は、皆疲れていたのか早々に寝てしまった。
リムも魔法書片手にベッドに横になり、身体の疲れを癒すのに専念したようだ。
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