妄想Aと魔法使い
ー家ー
A母「早くご飯を食べちゃうのよ」
A「…」モグモグ Aは自分の持っている箸を見つめながらご飯を食べていた
A「ごちそうさまー」ガタン 台所に食べ終わった後の皿を戻した
手に持っている箸を見つめる
A「…」ドキドキ Aは箸を見つめながら幼い空想と共に高まった高揚感を楽しんでいた
ー買い物の帰り道ー
A「ねえお母さん、魔法を出す時ってどんな感じがするの?」
A母「ん~、ビュビュビューン!って感じかな!」
A「そっか~、ビュビュビューン!か~。」
A母が微笑む
A母「Aは魔法使いになりたいの?」
A「ん~、うん…なりたい」
A母「そっか~、お家にかえったら教えてあげるよ」
A「うん!」Aは何も疑わず眼を輝かせながら返事をした
少しだけ歩いた後、Aは近くの空中にコインが浮かんでいる事に気付く
A「あれはなに?」手を伸ばした瞬間にAの意識が飛んだ
ーー
A「…ん」
目がぼんやりして目蓋が開きにくい
A「んんん…ん~!」寝起きと共に背筋を伸ばした
A「ここはどこだろう?」Aは辺りを見回すと小さな図書室に自分が居る事がわかった
B「起きたか」Aは背後の椅子に座っていた白い髭面のおじさんを見上げた
不意に人がいたからビクッとする
A「だ、誰?」
B「僕は優秀な博士だよ。もう年寄りだけれどね。」
A「年寄りなの?あなたは30代に見えるよ。」
B「だって、僕は魔法を使って若返っているからね。」
Aの興味が全てBに集中する
A「じゃああなたは魔法使いなの?」
B「そうだよ。」
【魔法使いとの出会い END】